絵本と社会 の商品レビュー
こうあるべき論が戦争、災害をテーマにした論に多く、学問の体をなしておらず、絵本学というくくりの中では場違いな印象を受けた。フェミニズムの歴史に見られるように、多様な感じ方があってよいと思うのだが。 特に第1章と第4章(村中さんの論を除くが他書で紹介している例であるため初出価値は...
こうあるべき論が戦争、災害をテーマにした論に多く、学問の体をなしておらず、絵本学というくくりの中では場違いな印象を受けた。フェミニズムの歴史に見られるように、多様な感じ方があってよいと思うのだが。 特に第1章と第4章(村中さんの論を除くが他書で紹介している例であるため初出価値はない)がひどい。ナイーブすぎる。第2章と第3章は一定の水準を満たしていると思う。 笹本純氏は、3章の絵本とマンガの節で、奇才エドワード・ゴーリーを通して、絵本に対するこれらの人を中心とした社会の認識について論じた。この一文が本書の欠陥、偏向を図らずも指摘しているのではないだろうか。
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