レイシズムを解剖する の商品レビュー
感想 本能の言い訳を理性に求める。だが逃げた先の理性にも見放される。個人を見ることができれば。差別とは不十分な理性によってもたらされる。
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インターネット(Twitter)上に見られる在日コリアンへの差別言説の計量分析と、大学生を対象とした質問紙調査の2部構成から成る。個々の研究の分析の精度は(おそらく)高く、研究間のつながりも意識的に書かれているのでわかりやすい。おそらく結果的には副次的な成果なのだろうが、インター...
インターネット(Twitter)上に見られる在日コリアンへの差別言説の計量分析と、大学生を対象とした質問紙調査の2部構成から成る。個々の研究の分析の精度は(おそらく)高く、研究間のつながりも意識的に書かれているのでわかりやすい。おそらく結果的には副次的な成果なのだろうが、インターネットの利用方法や友人・友人の友人に在日コリアンがいることなど、レイシズムを軽減する効果があることが示されているのが興味深い。 博論をもとにした書籍ということなので、些末な点ではあるが文章の重複が見られる箇所がいくつかあったのが気になった。また、これは計量研究の性質なのかもしれないが、せっかく堅実な結果を出して面白い論点も見られているのに、国内外のレイシズム研究との理論的な接続があまり見られない点は勿体無い。が、刺激的な結果が数多く示されているので、筆者の今後の研究に期待したい。
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難しかったわ。著者は若手の社会心理学者なのだが、その著者の 博士論文を母体にして加筆された作品なのでデータ抽出の為の 数式なんかがバンバン出て来る。 この数式だとか分析に使われているソフトウエアのことがまったく 分からないのは私の頭の中身の問題。 しかも、普段、少々...
難しかったわ。著者は若手の社会心理学者なのだが、その著者の 博士論文を母体にして加筆された作品なのでデータ抽出の為の 数式なんかがバンバン出て来る。 この数式だとか分析に使われているソフトウエアのことがまったく 分からないのは私の頭の中身の問題。 しかも、普段、少々ふざけて読後感を書いているので、真摯に書かれ た本書のような作品の感想を書いてもいいのかとも思うんだが…。 「朝鮮人はすべてにおいて日本人に劣っている」という古典的レイシ ズムに加えて、在特会などが主張したありもしない「在日特権」という 現代的レイシズム。 ふたつのレイシズムがどのようにインターネット上で拡散されて行くの かを、一定期間、Twitter上で収集し、分析している。 薄々は気がついていたのだけれど、著者の分析でも差別的発言をして いる投稿者の数って言うのは本当は少ないのだと分かった。 リツイートなどで最初の差別的発言が拡散されたり、同じ発言が自動 敵に繰り返して投稿されたりするから「げっ、差別主義者ってこんなに いるのかよ」って思ってしまうのかもしれない。 本書では特定のサイトの抽出だけだけれど、そんなサイトに投稿され た発言に触発されて、それが差別的だとの考えもなしに鵜呑みにして 他のサイトで借りて来た言葉を書きこむ人がいるんだな、きっと。 実際、某所で私も目撃しているしな。在特会のデマを鵜呑みにしてい る人の書き込みを。たしなめたら在日認定やら、非国民認定された もの。 学術書であるので一般には理解しにくいかもしれない。多分、私も 全部は理解出来ていない。ただ、誤解やデマに乗ったまま特定の 人たちに対して憎悪を募らせる人たちが一定程度はいるんだよね。 それはストレスのはけ口なのかもしれないけどね。 しかし、いくら研究目的とは言え、罵詈雑言を集めて分析するって 苦痛だと思うわ。
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著者Twitter @Fumiaki_Taka https://twitter.com/Fumiaki_Taka/status/649082712335093761 「"生々しい問題"を扱おうとしない日本の心理学に一石を投じたいと長年頑張ってきた、その最初の成...
著者Twitter @Fumiaki_Taka https://twitter.com/Fumiaki_Taka/status/649082712335093761 「"生々しい問題"を扱おうとしない日本の心理学に一石を投じたいと長年頑張ってきた、その最初の成果です」
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正体の見えづらい在日コリアンバッシングを分析した本。 従来の人種差別とも共通点があるというのは意外だった。 古典的レイシズムと現代的レイシズム、右翼的権威主義と社会支配指向の概念は知れてよかった。 2chまとめブログはやっぱりクソだなと思った。
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社会心理学の知見から先行の黒人差別研究に範を採り、主に在日コリアンに対する偏見・差別のありようをTwitterの投稿傾向から分析、さらにインターネット使用頻度と右翼傾向の相関関係や集団間接触によるレイシズム軽減の可能性の検討など、現代日本に台頭する憂慮すべきレイシズム傾向とweb...
社会心理学の知見から先行の黒人差別研究に範を採り、主に在日コリアンに対する偏見・差別のありようをTwitterの投稿傾向から分析、さらにインターネット使用頻度と右翼傾向の相関関係や集団間接触によるレイシズム軽減の可能性の検討など、現代日本に台頭する憂慮すべきレイシズム傾向とwebの関係の分析と対策を示す。博士論文がベースになっており、曖昧な私見や感情論を一切排したデータ収集と分析に徹した本書は、一般読者にはやや読みづらい構成になっているものの、古典的レイシズムと現代的レイシズムという指標を示し、2015年現在の日本に見られる偽りのない姿をあぶり出し後続の研究へと道を開くものだ。本書を足がかりにさらにこの国が誰にとっても住みよい国になることを願う。
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勉強不足のせいですが統計プロセスは第二章の途中で追いつかなくなりました ツイッター上の言説等とレイシズムの相関関係の解説が丁寧であるほか 因果関係の有無については頷かされる部分が多かったです
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