人生最高のクラシック の商品レビュー

許光俊(著者)

2023/04/02

前作「世界最高のクラシック」では、著者が最高だと考える指揮者を紹介していたが、本書は、著者が好きな指揮者の、好きな演奏だけを取り上げて書いている。好きな音盤の批評なので、この著者の常である、シニカルな批評は影をひそめ、気分良く読める。
しかし、その反面、褒め言葉が多く、その表現がいちいち大袈裟で、文学的表現も多く使っているので、くどさが鼻に付く。許氏の本は割と読んでいるが、毀誉褒貶のバランスが重要で、それが良くないと、やたらと辛辣だったり、くどくなりすぎることに気付かされた。

名盤ガイドとしては、世間で人気の名盤とは一線を画すので、中級者以上であれば、そのチョイスは嬉しいものだが、ビギナーは要注意である。色々な盤を既に聴いている中級者以上向けの本である。