憎悪の広告 の商品レビュー
1994年以来の右翼系雑誌の新聞広告を収録して、批評している。 進歩はないが、それほどひどいブレもないみたい。 一日千秋じゃなくって、千年一日 よく集めたと評価するべき。
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最近はたまに「週刊文春」か「文藝春秋」を買う程度。でも、新聞に 掲載されている雑誌広告は必ず目を通す。 女性週刊誌の芸能ゴシップや実話週刊誌のヤクザネタの見出しを 読んで、妄想を膨らませるのは楽しい。 そして、最大の楽しみは本書が取り上げている右派論壇誌の広告 であ...
最近はたまに「週刊文春」か「文藝春秋」を買う程度。でも、新聞に 掲載されている雑誌広告は必ず目を通す。 女性週刊誌の芸能ゴシップや実話週刊誌のヤクザネタの見出しを 読んで、妄想を膨らませるのは楽しい。 そして、最大の楽しみは本書が取り上げている右派論壇誌の広告 である。「広告は煽ってナンボ」。広告業界の片隅に身を置いたこと があるので、それは十分に分かっている。 それにして、煽り過ぎなのである。日本はとことん大変なようだ。包囲 されたり、北朝鮮の核兵器に狙われたり、中国・韓国からのみならず、 アメリカからも歴史認識を責められたり。 外国からのバッシングだけじゃない。国内には朝日新聞や日教組と いう敵が存在し、歴史を捻じ曲げて自虐史観を広めているのだ。 だから、そんな「敵」は徹底的に叩かなくてはいけない。つけ上がらせ たら、取り返しのつかいないことになるのだっ! 本書は1994年から2014年にかけて、全国紙に掲載された『諸君』 『正論』『SAPIO』の右派論壇誌3誌の広告を分析している。 3誌それぞれ、月に1回の割合で広告に目を通すのはいいのだけれ ど、本書のようにまとめて掲載されるとお腹いっぱいになるのである。 常に何かと戦ってるんだな、右派は。それは戦時のプロパガンダと 大差ないのだよね。それに簡単に焚きつけられちゃう人たちもいる。 疲れないのかな。敵と味方しかいない世界って。きっと曖昧という は存在しないんだろうな。 同じ広告が別ページに登場するのは各章のテーマが違うか仕方 ないのかな。そこがちょっと残念。ただし、広告を分析する本文は 皮肉も効いていて時折にんまりとしてしまった。 存在しない危機を煽るのは日本国首相の常とう手段だけど、右派 論壇誌も似たようなものだな。 著者も書いている「被害者意識をこじらせた人」って表現がツボ だったわ。
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「正論」「SAPIO」「諸君!」などの、それ系雑誌の広告を徹底的に集めた本。 広告を徹底的に集めただけだったほうがストレートに面白かったかもしれないが、そこに解説を加えているので右翼は怒るだろう。 広告は、その本紙とは違った別種のメディア足りえている。僕だって上記の冊子は一回...
「正論」「SAPIO」「諸君!」などの、それ系雑誌の広告を徹底的に集めた本。 広告を徹底的に集めただけだったほうがストレートに面白かったかもしれないが、そこに解説を加えているので右翼は怒るだろう。 広告は、その本紙とは違った別種のメディア足りえている。僕だって上記の冊子は一回も金を出して買ったことがないが、広告は度々目にしている。広告はつまり、ある意味その立場以上に突っ走らなければならないのだろう。 とはいえ、たしかにちょっとどうよ、的広告は多い。ああ言われたらこう言い返せ、という記事(?)の広告も目につく。サヨクはもう絶滅したかな、なんて思うけれど、少なくとも10年ほど前のこの手の広告には「サヨクを論破するための理論武装入門」なんていう記事がある。そうかサヨクはまだいたし、論破のための入門書が必要だったのか、などと揶揄してみたくもなるが、しかし結局、20年分の広告を見ても、今日の広告か20年前か、あんまり区別がつかない。ってことはサヨクなりヘイト対象なりも、高値安定ということなのだろうか(そこはちょっと納得いかないが) カメラ雑誌なんかは、毎年同じ特集をしている。読者がそれを求めるからだろう。要するにこの手の雑誌もそうなんだろうね。僕も何かの拍子にヘイトな状態になりかねない。他山の石に、なんて簡単には言えないけど、でも、ある意味ギャグだぜこれは。
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