現代思想(43-16 2015-10) の商品レビュー
借りたもの。 LGBT(性的マイノリティ)を取り巻く社会運動の現状と法律についてまとめたもの。 渋谷区の同性パートナーシップ条例施行に伴う特集。 東小雪さんをはじめとする、LGBTの活動家の対談や、1960~現代までのLGBTに関する活動や思想・理論の変容、政治利用まで、多様な...
借りたもの。 LGBT(性的マイノリティ)を取り巻く社会運動の現状と法律についてまとめたもの。 渋谷区の同性パートナーシップ条例施行に伴う特集。 東小雪さんをはじめとする、LGBTの活動家の対談や、1960~現代までのLGBTに関する活動や思想・理論の変容、政治利用まで、多様な切り口でLGBTを紐解いている。 LGBTが個人のアイデンティティではなく性的嗜好(色モノ)と見なされている風潮、性に寛容と言いながら区別することで生まれている差別意識、LGBTを見る当事者外からの目線には男女差別的な視野があることなど、細かい問題点も指摘。 それはLGBTが様々なタイプを内包していることが起因しているのは否めないだろう。 そもそも性的マイノリティが結婚する制度は、制度的な救済措置と成りうるか(現行の他の制度で代替出来ないのか否か)、ロシアにおける“同性愛禁止法”と目されているものが“異性婚による「産めよ増やせよ」法”であることを指摘するなど、当事者ではない私には目から鱗の指摘も多くあった。 女性の場合、耳タコレベルな「子供を産む・産まない」「結婚する・しない」問題が、見え隠れする…… つまりこの本の中で議論されている事は、LGBTに限らず、法律と社会ににおける、コミュニティ、更には最小のコミュニティ単位である「家族」の在り方を問う根本的な問題を提示する。
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