日本帰化植物写真図鑑 増補改訂(第2巻) の商品レビュー
日本で報告されている帰化植物は1200種以上だという。この図鑑は2巻の増補改訂版であり、これまで出たものとあわせると1200種ほどの帰化植物を網羅した、というからすごい。1巻の出版により帰化植物に関する全国的な組織が生まれ、それによって生まれたのが2巻、というわけだ。 僕もそこ...
日本で報告されている帰化植物は1200種以上だという。この図鑑は2巻の増補改訂版であり、これまで出たものとあわせると1200種ほどの帰化植物を網羅した、というからすごい。1巻の出版により帰化植物に関する全国的な組織が生まれ、それによって生まれたのが2巻、というわけだ。 僕もそこそこは帰化植物のことを知っているつもりだったが、この2巻は、そんなわけで手強い。初めて聞くようなものもたくさんある。それもそのはず、帰化植物というのは次々に増えていくのだ。逆に、侵入経路がなくなって姿を消すものもいる。 一般に帰化植物というのは、明治以降に入ってきたものを指す場合が多い。これもおかしな話ではある。100年ぐらい経ったら、仲間と認めてやるか、というわけでもあるまい。 意図せずに広がり、定着してしまったものは、みなそう呼んでいいのではないだろうか。とはいえ、列島改造ブームで土木工事に盛んに使われた法面緑化には外国産の草が意図的に使われているし、ガーデニングブームも然りだ。 結局のところ、その植物の歴史を知らないなら、何もしてはいけないのだと思う。こうして記録があるから、それが外国から来たものか、日本にあったものなのかがわかる。そういうことをわかりもせずに植物をばら撒くことだけはやめようではないか。 本書の掲載種は、1巻にメジャーな帰化雑草を奪われているだけに、比較的おしとやかな(見た目はね)ものが多い。見た目が良ければいいってもんでもないが。
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