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社会とともに歩む認知症の本 の商品レビュー

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2016/05/08

認知症の方をどう社会で支えていくのか? 全国の先進的な事例や最新ケア等を紹介した一冊。 期待以上に良書でした。 地域包括ケアにせよオレンジプランにせよ、デンマークやオランダ等をモデルに日本で試みがなされている。なるほどと思う点も多いが、日本の場合は社会保障削減の動機があからさまな...

認知症の方をどう社会で支えていくのか? 全国の先進的な事例や最新ケア等を紹介した一冊。 期待以上に良書でした。 地域包括ケアにせよオレンジプランにせよ、デンマークやオランダ等をモデルに日本で試みがなされている。なるほどと思う点も多いが、日本の場合は社会保障削減の動機があからさまな中で、これで認知症の方の人権が守られるのか?とも。 「自立」と「自律」をもって人生最後の日まで自らの尊厳を保てる生活が認知症や高齢者の方でできる社会。成熟した日本が目指す新しい社会の創造に向けて、頑張ろうと思える一冊でした。

Posted byブクログ

2015/12/15

横浜の汐田総合病院、リハビリテーション科の宮澤由美さんが執筆された認知症シリーズ二冊目の新刊。 認知症の症状やその理解については一冊目の「認知症に向き合う本ー治療・予防・介護のアドバイス」に詳しく書かれているので、本書ではむしろ認知症に対するケアの現状、介護保険の制度的な側面につ...

横浜の汐田総合病院、リハビリテーション科の宮澤由美さんが執筆された認知症シリーズ二冊目の新刊。 認知症の症状やその理解については一冊目の「認知症に向き合う本ー治療・予防・介護のアドバイス」に詳しく書かれているので、本書ではむしろ認知症に対するケアの現状、介護保険の制度的な側面について多くのページが割かれています。 「もの忘れ外来」「認知症カフェ」とはどういうものであるのかについて実例を挙げて教えてくれます。また、認知症の人とのコミュニケーションはどうあるべきなのか、バリデーションとかユマニチュードについても触れながら教えてくれます。 「地域包括ケアシステム」についての考察では、例の「植木鉢モデル」のどこに問題があるのか、スッキリと理解することができました。 最後の章では、海外の認知症対策も紹介しながら、日本における今後の高齢化社会をどのような展望を持って発展させるべきであるかという提言があり、感激しました。著者の言葉を借りると、「成熟した社会」=「精神的にも成熟して、自立した高齢者と認知症を患う人も安心して暮らし、若者はその姿を温かく見守り、のびのびと将来を夢見る国」にすることが究極の課題であろうと思いました。 この本のもう一つ良いところは、著者が出会ったであろう実例のストーリーを通して語りかけてくれている点です。統計や制度、ケアメソッドなど、やや難しい点も容易に読み進めることができました。 認知症ケアに携わる人のみならず、多くの方におすすめです。

Posted byブクログ