獄中で聴いたイエスタデイ の商品レビュー
第84回アワヒニビブリオバトル「おすすめの1冊」で紹介された本です。チャンプ本。 2022.03.21
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芸能人の大麻所持事件報道を見るたびに、たしか昔ポール・マッカートニーも薬物でなんかあったような…とモヤモヤした気持ちが沸き起こり、検索した結果本書にたどり着いた。1980年に来日した際に大麻所持の容疑で逮捕されたポール・マッカートニーと、殺人容疑のヤクザが留置場で出会い、名曲ye...
芸能人の大麻所持事件報道を見るたびに、たしか昔ポール・マッカートニーも薬物でなんかあったような…とモヤモヤした気持ちが沸き起こり、検索した結果本書にたどり着いた。1980年に来日した際に大麻所持の容疑で逮捕されたポール・マッカートニーと、殺人容疑のヤクザが留置場で出会い、名曲yesterdayをポールに歌ってもらったという。そのヤクザの生い立ちからの物語と、平行してポールの人生も語られるが、さすがに元ヤクザがポールのそんなことまで知ってんのかと思うし、大半を優秀なライターが「代筆」したであろうと想像するが、物語としては分かりやすくて面白い。後半ではポールの来日コンサートで接触を試み、その臨場感もよく伝わってきた。ただどうも引っ掛かるのは、殺人の前科がありながら、印象がとても軽いのである。繰り返し反省もしているとは言うが、文体がとても軽い。殺人を犯した者は一生下を向いて生きろとは言わないが、読む側としては非常に複雑な気持ちになってしまう。
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ポール・マッカートニーのライブ鑑賞前に読んでみた。 少年院脱獄、放火、強姦といった数々の犯罪に手を染めたヤクザが、フィリピンで仲間を射殺、留置される。そこで出会った世界的なスーパースターとのやりとりが彼の人生を変える。事実は小説より奇なり。 ポールとの面会を望んで行動を起こすシ...
ポール・マッカートニーのライブ鑑賞前に読んでみた。 少年院脱獄、放火、強姦といった数々の犯罪に手を染めたヤクザが、フィリピンで仲間を射殺、留置される。そこで出会った世界的なスーパースターとのやりとりが彼の人生を変える。事実は小説より奇なり。 ポールとの面会を望んで行動を起こすシーンを先に読んでいたときは、ポールも会ってあげればいいのに、と思ったが、通読して気持ちが変わった。 彼が手を染めた犯罪がヤバすぎる。それにコンプライアンス面とかパブリックイメージとかいろいろ考えるとやっぱり無理かもしれないと思い直したのだ。 語りの面白さとコントラスト。問題作ではあるがこれは名作だよ。
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