ブロの道 の商品レビュー
『青い脂』に比べたら格段に読みやすかったです。御光の知恵、というんですか、困ったときには超自然的な力が働いて問題が解決されていくようなご都合主義的な話は好きではないのですが、この本はあまりにブッとび過ぎてるせいか、特にひっかからずに読了できました。ハンマーの作り方が妙に詳しく定義...
『青い脂』に比べたら格段に読みやすかったです。御光の知恵、というんですか、困ったときには超自然的な力が働いて問題が解決されていくようなご都合主義的な話は好きではないのですが、この本はあまりにブッとび過ぎてるせいか、特にひっかからずに読了できました。ハンマーの作り方が妙に詳しく定義されるあたりで「これは宗教の始まりの物語なのかな」と思ったのですがそんなこともなく。語るのが脳でなく心臓というのも面白いですね。続きが気になります。ところでクリークさんてあのあとどうなったのか、言及ありましたっけ?
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マッチングアプリのチャットで勧められて、夢中で読んじまったよ…なんて経験ありますか(≧∇≦) ソローキン初読でまたまた不勉強を恥じつつ、引き込まれた。 裕福な少年がロシア革命で何もかも失った青年となっていく冒頭から、ツングース隕石探求の旅で宇宙からもたらされた「氷」に出会い、原初...
マッチングアプリのチャットで勧められて、夢中で読んじまったよ…なんて経験ありますか(≧∇≦) ソローキン初読でまたまた不勉強を恥じつつ、引き込まれた。 裕福な少年がロシア革命で何もかも失った青年となっていく冒頭から、ツングース隕石探求の旅で宇宙からもたらされた「氷」に出会い、原初宇宙からの存在「光」としての自らを取り戻し、仲間を探し出して光に戻ろうと長い道のりに踏み出す。 徐々に徐々に人間としての自我を失っていく何十年の歩みの中で、侵略者(どっちかっつーと厳密には創造者)の目からはこんなふうに見えるのかと、人の性質から歴史までを新たな視点で見られるのも大変な知的刺激だが、豊かな筆致で細かく丁寧に描かれるのが「人としての」→「光としての」喜び、幸福である点がとても…せつない。その両者の幸せが同時に成立しないから。だけどどちらも仲間を得、そのために生きることが至上であるという共通点が。 2作目、3作目も楽しみだけど、その前に『三体』だな。
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初見が『青い脂』だったから身構えてたが、普通に理解可能な文章、親しみやすい面白さでびっくりした。まあ内容はぶっとびなんだけど、、ツングースカ大爆発の時に落ちた隕石の中身は実は氷で、その氷で胸を殴打すると原初の光の記憶が蘇るという内容。真名ブロことアレクサンドルが姉妹フェルと共に、...
初見が『青い脂』だったから身構えてたが、普通に理解可能な文章、親しみやすい面白さでびっくりした。まあ内容はぶっとびなんだけど、、ツングースカ大爆発の時に落ちた隕石の中身は実は氷で、その氷で胸を殴打すると原初の光の記憶が蘇るという内容。真名ブロことアレクサンドルが姉妹フェルと共に、地球に散らばった23,000の光の兄弟姉妹を探し出す物語。二万三千以外の人間は「空っぽのクルミ」であり、後半では肉機械と呼ばれる。人間を徹底して客観的に描写することで、その動物性が曝け出される。みんな感極まると放屁する。
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心臓(こころ)で語った結果、23000の原初の光に戻ってしまう。 後半における天丼と個々人の差異が認識できなくなったことによる展開加速文体が見事。
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ツングース隕石探検隊に参加した青年が巨大な氷を発見し、真の名「ブロ」と「原初の光」による創造の秘密を知る。20世紀ロシアの戦争と革命を生きた最初の覚醒者をめぐる始まりの物語。
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ソローキンの大作『氷三部作』の第1部。尚、邦訳は執筆順に刊行されていて、第2部→第1部→第3部と続く。 本作は既刊である第2部よりも時系列としては前に当たり、主人公である『ブロ』の生涯とともにストーリーが進む。作中で流れる時間の割にページ数は少なく、テンポとしてはかなり速い。展開...
ソローキンの大作『氷三部作』の第1部。尚、邦訳は執筆順に刊行されていて、第2部→第1部→第3部と続く。 本作は既刊である第2部よりも時系列としては前に当たり、主人公である『ブロ』の生涯とともにストーリーが進む。作中で流れる時間の割にページ数は少なく、テンポとしてはかなり速い。展開がスピーディなソローキンの長編の中でも慌ただしい方ではないだろうか。 作中でモチーフになっているツングース大爆発については、他のSF作品でも様々な解釈が試みられており、巻末の解説では他作品についても言及がある。読み比べてみるのも面白そうだ。
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