ユング 魂の現実性 の商品レビュー
1998年刊の「現代思想の冒険者たち」(講談社)全31巻の第3巻の「ユング――魂の現実性」の方を読みました。 https://booklog.jp/item/1/4062659034 この本をよむキッカケは大塚信一「河合隼雄 心理療法家の誕生」 のp131に、「ユング心理学入門...
1998年刊の「現代思想の冒険者たち」(講談社)全31巻の第3巻の「ユング――魂の現実性」の方を読みました。 https://booklog.jp/item/1/4062659034 この本をよむキッカケは大塚信一「河合隼雄 心理療法家の誕生」 のp131に、「ユング心理学入門」は「古典だ」と揶揄した本?としてこの本が紹介してあったからです。息子が父の本をけなすのか!!と興味本位的な衝動で読んでみました。河合俊雄さんの本は初めてですが、「100分で名著」に出演ていたので顔は初対面?ではありません。 僭越ですが、テレビでは、知識で武装して父親を越えようとがんばっている感じに好感をもちました。有名人を父に持って、デビューが遅れ、自分の立ち位置に悩む時代があった感ありの、家康と秀忠みたいな関係?にみえました。 読んでみると専門的な用語が解説もないまま出てきたりして難しいですが、なるべくやさしく書こうという努力が感じられます。索引や参考図書の紹介、思想系統図などもあり、近代思想体系の資料として読み終わってからも時々参考書として使っています。(この本がスラスラ読めるようになりたいです・・)
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2019.2.26-2019.3.1 本屋で「おや、河合先生のユングの本がある」と思つて買つて読んでゐたら、「のちに河合隼雄が日本の昔話を女性の意識から分析...」といふ文がある。あれ?と思つたら、ご子息の本だつた。 ユングについて、良くまとまつた本である。魂の現実性(リアリティ...
2019.2.26-2019.3.1 本屋で「おや、河合先生のユングの本がある」と思つて買つて読んでゐたら、「のちに河合隼雄が日本の昔話を女性の意識から分析...」といふ文がある。あれ?と思つたら、ご子息の本だつた。 ユングについて、良くまとまつた本である。魂の現実性(リアリティー)といふ副題も良い。文庫版へのあとがきに、池田晶子さんが高く評価してゐたとして文庫での復刊を勧められた、とある。 ユングのやうな霊感の鋭いタイプの思想を整理して説明することは難しいし、特に心といふ形の無いもの、動いて止まないものを相手にしてゐる時には、特にさうだ。一つものが対立した要素を生み出し、対極にある二者が一つになる。生命とか創造とかいふものには、さうした不思議が付き纏ふ。固定したものではないからだ。
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ユングの生涯と思想を解説している評伝です。 ユングの考える「魂」、あるいは「アニムス」と「アニマ」といった諸概念を実体的にとらえ、「個性化」を図式化するような理解に対して、著者は異議を申し立てています。林道義の解説書でも実体化に対する批判が述べられていましたが、林が方法論的な観...
ユングの生涯と思想を解説している評伝です。 ユングの考える「魂」、あるいは「アニムス」と「アニマ」といった諸概念を実体的にとらえ、「個性化」を図式化するような理解に対して、著者は異議を申し立てています。林道義の解説書でも実体化に対する批判が述べられていましたが、林が方法論的な観点からユングの思想をとらえなおそうとしているのに対して、本書では弁証法的なダイナミズムを重視する観点から、諸概念の実体化を批判しています。
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かなり「あぶない」ユングの実態がわかります。 フロイトも「あぶない」人でしたが、ユングもまた、自らの精神的問題から学ぶことの多かった人なんですね。
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