地球の履歴書 の商品レビュー
自然科学の視点から、悠久の時の流れと地球環境の変化中で私たちが生きていることを、分かりやすく、時には詩的な物語のように教えてくれる本。序文で科学者がこのような一般書を書くことのジレンマが書かれているが、それを乗り越えてこのような一般層へのアウトリーチをしてくれたことに対して著者の...
自然科学の視点から、悠久の時の流れと地球環境の変化中で私たちが生きていることを、分かりやすく、時には詩的な物語のように教えてくれる本。序文で科学者がこのような一般書を書くことのジレンマが書かれているが、それを乗り越えてこのような一般層へのアウトリーチをしてくれたことに対して著者の大河内さんに感謝したい。 海底火山の上に成長する珊瑚礁がプレートと共に動きながら冷えていくプレート自身の厚みで沈んでいき削り取られた珊瑚礁の部分が地上の石灰岩の地層になる。白亜紀。 オントン・ジャワ海台を形成した超巨大海底火山の噴火によって気候が変動し、海の流れが止まり、海洋無酸素事変が起きた。海で分解されずに堆積した有機物が黒色頁岩となり、石油になった。 巨大火山の噴火は気候を変え、文明を変えた。1815年のタンボラ山の噴火がホラー小説を生み出した。 600万年ジブラルタル海峡が閉じて地中海は干上がり分厚い岩塩の層ができた。 有馬温泉はその水源がはるか離れた太平洋ではないかと考えられている。地下でウランの崩壊による熱せられラドンやラジウム、ヘリウムを含んだ高温の温泉になる。
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地球が誕生してから今日までの46憶年におよぶ地球の歴史を解説する自然科学書というのは数多く出版されています。ただ、私自身もそうですが、地学に興味がないとなかなか手に取ってまで読んでみようという気持ちになれないケースも多いのではないか、と思います。 本書は人類が地球の生い立ちを理解...
地球が誕生してから今日までの46憶年におよぶ地球の歴史を解説する自然科学書というのは数多く出版されています。ただ、私自身もそうですが、地学に興味がないとなかなか手に取ってまで読んでみようという気持ちになれないケースも多いのではないか、と思います。 本書は人類が地球の生い立ちを理解するプロセスを、いろいろなサイドストーリーを交えて解説しているので、読者を飽きさせません。恐竜を絶滅させた隕石の衝突だったり、地球を寒冷化させた巨大噴火、氷期-間氷期にまたがる100m以上に及ぶ海面高度の変動、南極点発到達までの探検家たちのドラマ、アフリカのニオス湖で発生した謎の住民大量死亡事件など…。また2015年初版ということで最近のトピックスも盛り込まれ、古さも感じさせません。 そして本書を推す何よりの理由は、本書が日本人の著者によって書かれた本なので、文章が大変読みやすいという点につきます。海外の自然科学系の読み物は、どうしても訳者の技量によって、不自然な日本語と向き合わざるを得ない事が多いです。その点、本書は「チェンジングブルー(岩波現代文庫)」で講談社科学出版賞を受賞した経歴のある著者だけに、一般向けに読みやすいだけではなく、ちょっと文学的な匂いのする文章で書かれているので、教科書的で無機的な解説書というのではなく、”読み物”として十分に読み応えがあります。 中学生、高校生なんかに読んでもらえたら、自然科学、特に地学系への興味が掻き立てられる人が出てくるんではないかと思いました。
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幅広い知識、バックグラウンドから種々の事項を詳しく正確に解説している。 現代の日本、世界が過去から続く環境の連続性の上に成り立っていること。 読了90分
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地球46億年に対して科学が明らかにしてきたこと、その歴史、そしてそれに取り組んできた人々のドラマ。 有馬温泉に浸かって、思いを馳せたい。 途方もない年月の中で、今成り立っているバランスは永遠のものでないことを知る。 海水面、塩分濃度、地軸、地磁気の向きは全て移ろう。 地球の...
地球46億年に対して科学が明らかにしてきたこと、その歴史、そしてそれに取り組んできた人々のドラマ。 有馬温泉に浸かって、思いを馳せたい。 途方もない年月の中で、今成り立っているバランスは永遠のものでないことを知る。 海水面、塩分濃度、地軸、地磁気の向きは全て移ろう。 地球の歴史3%の期間、白亜紀でのみ形成された石油に基づく文明は一瞬のものであり、また変わっていく。
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大河内直彦(1966年~)氏は、東大大学院博士課程修了、京大、北大、米国ウッズホール海洋研究所などを経て、海洋研究開発機構生物地球化学研究分野・分野長。 本書は、季刊誌「考える人」の2013年春号~2015年冬号の連載をまとめ、2015年に出版されたものである。 著者は「まえがき...
大河内直彦(1966年~)氏は、東大大学院博士課程修了、京大、北大、米国ウッズホール海洋研究所などを経て、海洋研究開発機構生物地球化学研究分野・分野長。 本書は、季刊誌「考える人」の2013年春号~2015年冬号の連載をまとめ、2015年に出版されたものである。 著者は「まえがき」で、本書について、「紆余曲折を経て発展を遂げてきた科学を通して、私たちの暮らす星を覗いた短編を集めたものである。地球上の珍奇な場所や驚くべき出来事について、科学の視点を交えながら紹介する八つのストーリーである」と語っており、初出の連載の性格から、体系だった地球の地理・地形や歴史とはなっていないのだが、取り上げられた「珍奇な場所や驚くべき出来事」は実に幅広く、読み終えてみると、地球の地理・地形や歴史の見え方が、僅かながらも変わったような気さえする。 例えば、以下のような場所・出来事が取り上げられている。 第1章:How Deep Is The Ocean?・・・古代のエラトステネスとポセイドニウスの地球の大きさの測定、アレキサンダー大王やマゼランの海の深さの測定 第2章:謎を解く鍵は海底に落ちていた・・・ダーウィンが唱えたサンゴ礁の進化(裾礁→堡礁→環礁)、プレート・テクトニクス理論 第3章:海底が見える時代・・・サイドスキャン・ソナーを使った現代版トレジャー・ハンティング、鬼界カルデラと姶良カルデラ、ピナツボ火山の噴火 第4章:秋吉台、ミケランジェロ、石油・・・秋吉台の石灰岩地形、インド島のユーラシア大陸衝突とヒマラヤ山脈の形成、ユカタン半島への隕石の衝突 第5章:南極の不思議・・・南極点の移動、アムンセンとスコットの南極点到達競争 第6章:海が陸と出会う場所・・・地球で繰り返す温暖・寒冷化と海面の上下動、東京湾海底に残る巨大河川・古東京川、黒海の海面上昇とノアの洪水伝説、 第7章:塩の惑星・・・メッシニアン塩分危機(600万年前に、地殻変動でジブラルタル海峡が地続きとなり、地中海が干上がった出来事) 第8章:地下からの手紙・・・六甲山周辺で見られた阪神淡路大震災の前兆現象、カメルーンのニオス湖の悲劇(1986年に、湖底から湧き出た二酸化炭素で湖畔の住民の大半が死んだ出来事) 我々の住む地球についての知的好奇心を掻き立て、また、満たしてくれる一冊である。 (2021年6月了)
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科学エッセイ集。歴史トピックが織り交ぜられていて面白い話題もある。 しかし、テーマが広すぎてまとまりが無い。
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私たちの身の周りには地球の歴史が詰まったものが数多く存在する。それは例えば、海、山、石油、コンクリート、そして自分自身。本書はこれら身近に存在するものを通して地球46億年の歴史を8つのストーリーで描いている。 本書ではこれらのストーリーになぞらえて「なぜ海は塩辛いのか」、「なぜ温...
私たちの身の周りには地球の歴史が詰まったものが数多く存在する。それは例えば、海、山、石油、コンクリート、そして自分自身。本書はこれら身近に存在するものを通して地球46億年の歴史を8つのストーリーで描いている。 本書ではこれらのストーリーになぞらえて「なぜ海は塩辛いのか」、「なぜ温泉は温かいのか」といった身近な疑問から、「地下では数十億アンペアの電流が生じている!?」、「地中海には厚さ2~3キロメートルの塩が眠っている!?」、「1700人が犠牲になったニオス湖の悲劇の犯人は二酸化炭素だった!?」といった最新の科学が紐解く目から鱗の事実までをわかりやすく解説。その他、プレートテクトニクスや地磁気の逆転現象などが発見されるきっかけとなった出来事や、これらが広く認められるようになるまでの歴史も詳しく解説している。そこには以外な経緯を持つ科学技術の発展と知られざる科学者の間のドラマが…。地球科学に精通している人もそうでない人も今日から世界の見え方が変わる、是非とも一度手に取って頂きたい良書です。 (地球環境学コース 修士1年)
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文系な私にとって、科学だの物理だのと言われてもねーと思っていたが、ざっくり地球46億年の歴史を理解したつもりになれる。 パラリと興味ある項目だけ読んでも価値があると思う。 そして、本書に出てくる世界各地を旅したくなる。
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(確か青山ブックセンター本店の平台で見かけて興味を持ったような記憶) 地球を様々な観点から見る科学的な本。深海、海底、白亜紀、南極、塩、地中などを説明してくれる。 なんと言ったらいいか。ちょうど絶妙に知らない事と知ってる事の狭間を埋めてくれる、読んだ事のない面白本だった。物理と...
(確か青山ブックセンター本店の平台で見かけて興味を持ったような記憶) 地球を様々な観点から見る科学的な本。深海、海底、白亜紀、南極、塩、地中などを説明してくれる。 なんと言ったらいいか。ちょうど絶妙に知らない事と知ってる事の狭間を埋めてくれる、読んだ事のない面白本だった。物理とか化学とかの苦手でよく分からない分野とはちがって興味はあるのが地学。そっち方面を、ど素人には分からないけれど、専門家に読ませるほどでもない、まさに自分のレベル程度に書かれていた。
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「科学ってすごい。科学者はもっとすごい!」。 顕微鏡の世界と衛星軌道上からの視点を結びつけ、数十億年前の原初地球を想像しつつ、古代人の思考を読み解く。そして現代社会の問題を解決する糸口を提供する。 科学と科学者の価値を見にしみて感じた読書でした。 良いっ!
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