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悪の力 の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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2016/06/07

タイトル借り。本書では中村文則氏の作品からも抜粋がありましたが、悪とか神とか、説明不可能な土着性とか、そういったにおいのする内容の本にひかれます。

Posted byブクログ

2016/03/26

悪の代表として、イスラム国の残虐非道ぶりを取り上げていたが、もっと言及してほしかった。彼らのしてることは宗教における原理主義でもなんでもなく、意味のない非道極まりない暴力集団にしかすぎず、到底許せるものでない、どうして他国は彼らをのさばしておくのか、理解に苦しむばかりだ。とにかく...

悪の代表として、イスラム国の残虐非道ぶりを取り上げていたが、もっと言及してほしかった。彼らのしてることは宗教における原理主義でもなんでもなく、意味のない非道極まりない暴力集団にしかすぎず、到底許せるものでない、どうして他国は彼らをのさばしておくのか、理解に苦しむばかりだ。とにかく私は許せない。

Posted byブクログ

2016/02/27

「悪の力」 姜尚中の悪に対しての考察である。 古くは聖書から、その他古典的な文学から考察した悪に対しての考察である。 キリスト教的な考えが強く、ベルゼハブやヨブ記についての考察が印象に残る。 そして、資本主義が悪を生み出す根源ととらえているようで少々行きすぎのような気もする。 し...

「悪の力」 姜尚中の悪に対しての考察である。 古くは聖書から、その他古典的な文学から考察した悪に対しての考察である。 キリスト教的な考えが強く、ベルゼハブやヨブ記についての考察が印象に残る。 そして、資本主義が悪を生み出す根源ととらえているようで少々行きすぎのような気もする。 しかしながら、空虚に悪が忍び寄るというのはわかるような気がするが、人間はそれほど高潔なものでも悪魔的なものでもないだろう。 むしろなぜそういう悪の考えや行動が生まれるのかの科学的な知見が必要なように思える。原罪だの心の闇などと言っても何も解決にはならないし、そもそも解決できる問題なのだろうか。

Posted byブクログ

2016/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の本は初めて読んだが、かなり期待外れだった。 悪についてもう二段、三段掘り下げた考察を期待していたが、「悪を探す名著紀行」の様な展開で、著者の悪に対する見解は上っ面だけのものにとどまり、後は聖書や古典文学に語らせて終わり。 本人の考えをもっと聞きたかった。 敢えて議論の対象の定義を狭くして自分の知っているごくごく狭い世界に読者を引き込み、その世界の中だけで語られた感じ。 資本主義が悪を培養するという説はいただけない。社会主義でも官僚の腐敗や一部特権階級への富の集中は厳然としてあり、資本主義が悪を生む根本原因とは考えられない。悪を生む原因はもっと深い所にあるはず。 ここまで言うと失礼だが、本を読んで世界が広がるのではなく、逆に世界が狭くなる珍しい本。

Posted byブクログ

2016/02/08

古典などの紹介がたくさんあったのは嬉しいけれど,それらと冒頭で並べた犯罪との結びつきがよくわからなかったような…。単なる古典の書評だけにとどめたほうが良かったような気がしますが,私が理解しきれていないだけかもしれません。

Posted byブクログ

2022/06/01

悪なんて遠い存在だと思っていたけど、自分の回りにいたよコンチキショウ、というところから書かれた本、らしい。だがそのコンチキショウ、のことは書かれていない。 最近会った凶悪事件や、歴史に記された悪(資本主義も含め)を紹介しつつ、淡々と進む。ほんとに淡々としてる。悪のことを書く...

悪なんて遠い存在だと思っていたけど、自分の回りにいたよコンチキショウ、というところから書かれた本、らしい。だがそのコンチキショウ、のことは書かれていない。 最近会った凶悪事件や、歴史に記された悪(資本主義も含め)を紹介しつつ、淡々と進む。ほんとに淡々としてる。悪のことを書くならもっと大胆に、なんて思うけど、そういうキャラなのだろう。 さしあたり、涙を飲んで資本主義というシステムとつきあっていくしかない、と。悪は自分しか信じない→やがて何も信じない、ということになる。けれど、その段階にいる悪は、自分しか信じていないから魅力的に映る。愛も憎しみも他者があってこそ成立するから、それが悪と戦う、というかお付き合いするコツか…。 いろいろと引用があるので最もな風にはなっているが、要約すると「北斗の拳」の修羅の国編のような話である(爆)。 というのは概ね冗談だが、最後は国家悪、という言葉で終わっている。よっぽど腹に据えかねた何かがあったのだろう。けれど著者も書いているように、許せない、という気持ちは誰かと繋がりたい、という心の声でもある、と。ますます北斗の拳だなあ。

Posted byブクログ

2015/12/14

悪は拠り所ない空虚な心に宿る、という指摘は 新しい考え方だったが得心した。 悪事を働いて世間に迷惑を掛ける行為は、 自分の存在を知らしめたい→社会と繋がりたい という気持ちが、負の方向へ発露してしまったもので、 結局はコミュニケーションを欲している。 陳腐な言葉だが、人間は他人と...

悪は拠り所ない空虚な心に宿る、という指摘は 新しい考え方だったが得心した。 悪事を働いて世間に迷惑を掛ける行為は、 自分の存在を知らしめたい→社会と繋がりたい という気持ちが、負の方向へ発露してしまったもので、 結局はコミュニケーションを欲している。 陳腐な言葉だが、人間は他人との関わりなしには生きられない というのは不変の真理だと改めて思った。

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2015/12/14

今現在の、世界中の社会に立ち現れた悪意が起こした事件の様相を紐解きながら、悪とはそもそも何か、私たちは悪に対してどう抗って行けるのか、悪に負けないための共生という考え方などを説いています。 新書版であり、エッセンスだけを本書に込めたとのことですが、厚み以上の濃い内容です。 「人...

今現在の、世界中の社会に立ち現れた悪意が起こした事件の様相を紐解きながら、悪とはそもそも何か、私たちは悪に対してどう抗って行けるのか、悪に負けないための共生という考え方などを説いています。 新書版であり、エッセンスだけを本書に込めたとのことですが、厚み以上の濃い内容です。 「人は大きな虚無に捕らえられたとき、自分であれ、他人であれ、死への刃を振るいたくなるのでしょうか。」 この一文を読んだ時ぶるっと震えが来ました。 「空っぽ」の中に悪が巣くう。言い得ていると思いました。 これまでの「力」シリーズのように、多くの世界や日本の文学が引用されています。純文学(一部ですが)へのブックガイドとも読めます。 著者のおっしゃるように、悪の連鎖がいつか人間的な連鎖へ全て変わっていく希望は持ち続けて生きたいものです。

Posted byブクログ

2015/12/01

いままで読んだ姜さんの本の中で 一番よかったと思う本です。 どれも面白いと思うことが多いのですが、今回の本は とてもいいと思いますし、大げさにいうと感動します。 悪とは何か?悪はどのように生まれるのか。 最後の「第4章 愛は悪の前に無力か」とエピローグは その中でも秀逸。内容は書...

いままで読んだ姜さんの本の中で 一番よかったと思う本です。 どれも面白いと思うことが多いのですが、今回の本は とてもいいと思いますし、大げさにいうと感動します。 悪とは何か?悪はどのように生まれるのか。 最後の「第4章 愛は悪の前に無力か」とエピローグは その中でも秀逸。内容は書きませんが、一文一文が とても感慨深く、美しい言葉であり、感動で震える 感覚があり、とてもいいと思います。 また『ヨブ記』やドフトエフスキー『悪霊』 『カラマーゾフの兄弟』は読んでみたいと思いました。

Posted byブクログ

2015/10/22

世の中にはびこる悪から根源的な悪にまで解説している。 悪に対抗するには悪について考え続けるしかないのかもしれない。

Posted byブクログ