土のひみつ 食料・環境・生命 の商品レビュー
家庭菜園をするようになってから、土や堆肥に興味がわいて本書を手に取った。 実践的なことより学術的、化学的な解説書で難解な部分もあるが、複数の視点から土を説明してくれる。 貯水機能、濾過、生物の住処、動植物の遺骸分解所、食物の生成所。 何をもってして土と呼ぶのか。 土の構成物、ど...
家庭菜園をするようになってから、土や堆肥に興味がわいて本書を手に取った。 実践的なことより学術的、化学的な解説書で難解な部分もあるが、複数の視点から土を説明してくれる。 貯水機能、濾過、生物の住処、動植物の遺骸分解所、食物の生成所。 何をもってして土と呼ぶのか。 土の構成物、どう生まれて、どう変化していくかとても面白く読んだ。 菜園の作業の役に立つ事は少なかったが、知的好奇心は充分に満たしてくれた一冊だった。私にとって良い読み物であった。
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2015年が国際土壌年ということもあり、「一般の市民である皆さんにもわかっていただけるように、心を砕いて書き上げたもの」と序文にあるが、一般市民である私にとっては、かなり専門的すぎてハードルが高かった。筆者が68人もいるので、まるで研究発表レポート集のような感もあり、耳慣れない言...
2015年が国際土壌年ということもあり、「一般の市民である皆さんにもわかっていただけるように、心を砕いて書き上げたもの」と序文にあるが、一般市民である私にとっては、かなり専門的すぎてハードルが高かった。筆者が68人もいるので、まるで研究発表レポート集のような感もあり、耳慣れない言葉も多く、読み物としてはちょっとつらいのだが、土と温室効果ガスの関係、水田と地球温暖化の関係、放射能や有害金属による土壌汚染の問題、土壌に沈着したセシウムの作物への影響を制御する因子など、環境問題に関する興味深い話題は多い。土そのものの種類や機能、食物との関係といった基本的な情報がほとんどなのだが、5℃以下の温度では微生物による有機物の分解はほとんど進行しないため、これが経年累積するとウィスキーでおなじみのピートのような燃える土ができる、といった話題にも触れている。
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