「経済大国」日本の外交 の商品レビュー
石油危機がまず「量」、次に「価格」の問題に直面する中で、中東政策(アラブ寄りの立場明確化)、米側のIEA設立提案について、外務省を中心に、産油国や欧州との関係に配慮しながら着地点を模索していたことが分かる研究書。外務省内経済局改革(地域課を地域局に移管し、多国間外交機能の強化)や...
石油危機がまず「量」、次に「価格」の問題に直面する中で、中東政策(アラブ寄りの立場明確化)、米側のIEA設立提案について、外務省を中心に、産油国や欧州との関係に配慮しながら着地点を模索していたことが分かる研究書。外務省内経済局改革(地域課を地域局に移管し、多国間外交機能の強化)や事務レベルでの外務・通産の協調がその背景にあった。中曽根がバイの資源確保を重視し、消費国連合に消極的であったこと、大平が価格問題への対処のため消費国連合を重視し、中東政策の立場明確化に後ろ向きであったこと(米に交渉ではなく通告ベースで伝えたため、法眼次官は更迭)は興味深い。
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