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東日本大震災53日目「忘れることのできない記憶」 の商品レビュー

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2012/03/14

3月11日の震災後、5月2日から4日間かけて三陸沖の町を撮影したという写真集。 数行コメントと共に掲載された写真。見開き1ページを使っているため、その場にいるかのように被害状況を確認できます。 2か月ほどでは、まだ行方不明者捜索やライフラインの復旧が優先されて、町の復興どころでは...

3月11日の震災後、5月2日から4日間かけて三陸沖の町を撮影したという写真集。 数行コメントと共に掲載された写真。見開き1ページを使っているため、その場にいるかのように被害状況を確認できます。 2か月ほどでは、まだ行方不明者捜索やライフラインの復旧が優先されて、町の復興どころではないのでしょう。 目に映るもの全てがぐにゃりと曲がっていて、原形を留めていない写真が続きます。 それまでは確かに意味のあるものだったのが、全てがれきという用を成さないものに変わってしまった光景は、人に深い無力感を与えるもの。 だからこそ、がれきの除去は一日も早い復興のために必要なことなのでしょう。 一番印象的だったのは、「災害は忘れた頃にやってくる」と書かれ、5.3mの位置にチリ地震津波水位表が記された大船渡市の看板。 それよりも上の天井が壊滅的に崩れているのが悲劇的。 あのラインよりも上ならば大丈夫、と思ってしまうという逆のマイナス効果もあるものだと深く感じました。 地震のガル(加速度)についての説明がありました。 よくわからないまま漠然と聞いているだけでしたが、日常受けている重力加速度は980ガル程度。 今回の震災では、宮城の栗原市で2933ガル(震度7)を観測したそうです。 今後復興が進んで、この本に紹介されたような破壊された町から新たに生まれ変わっていくことと思いますが、震災後のこの絶望的に荒れた状態は、やはり資料として残しておき、未来のためにも記憶に刻んでおくべき姿だと感じました。

Posted byブクログ