人間・始皇帝 の商品レビュー
秦の始皇帝について、最近数多くの文献が出土していて100年以上あとに書かれた史記の記述を上書きしなければならない状況になってきている。 秦は内陸国家にとどまらず、海まで視野に入れた国家である。焚書坑儒というが、それは後の漢代から見た記述であり、北と南の武力行使のための内部統制とし...
秦の始皇帝について、最近数多くの文献が出土していて100年以上あとに書かれた史記の記述を上書きしなければならない状況になってきている。 秦は内陸国家にとどまらず、海まで視野に入れた国家である。焚書坑儒というが、それは後の漢代から見た記述であり、北と南の武力行使のための内部統制として言論を封じ込めたものであり、必ずしも儒家を狙い撃ちしたわけではない。また、始皇帝が崩じたあと第二皇帝は陰謀の末と史記ではなっているが必ずしもそうではない文献がある。始皇帝廟は、まだまだ発掘の余地がある。
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始皇帝って、日本の戦国時代に例えると織田信長か。その少し後の時代の、劉邦・項羽に比べると、今ひとつ人間的にどういう人かよくわからんのだなぁ。史記は漢の時代に書かれただけあって、漢のフィルターがかかった始皇帝像なわけだが、この本は近年の研究成果から本当の姿に迫ろうとしていてかなり興...
始皇帝って、日本の戦国時代に例えると織田信長か。その少し後の時代の、劉邦・項羽に比べると、今ひとつ人間的にどういう人かよくわからんのだなぁ。史記は漢の時代に書かれただけあって、漢のフィルターがかかった始皇帝像なわけだが、この本は近年の研究成果から本当の姿に迫ろうとしていてかなり興味深い。 そもそも、本来の名前は贏政でなく趙生というところからして目ウロコ。 キングダムは一応読んどいたほうが良いかなぁ。
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始皇帝の生涯については、これまでは司馬遷の「史記」に依るところが大きかったが兵馬俑の発見や周辺で発掘された竹簡や簡牘から史記の欠落や敢えて司馬遷が書かなかったこと、改変したことなどを明らかにし始皇帝の生涯に新たな光を当てたもの。 HONZ.JPでは国立博物館の「始皇帝と大兵馬俑」...
始皇帝の生涯については、これまでは司馬遷の「史記」に依るところが大きかったが兵馬俑の発見や周辺で発掘された竹簡や簡牘から史記の欠落や敢えて司馬遷が書かなかったこと、改変したことなどを明らかにし始皇帝の生涯に新たな光を当てたもの。 HONZ.JPでは国立博物館の「始皇帝と大兵馬俑」予習にとあったが、それよりも北方版「史記-武帝紀」を読み返したくなった。 そして北方版「史記-始皇本紀」の執筆を熱望。
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最近の考古学の成果を活用して史記の記述を再検討している。始皇帝が東方の進んだ文明や祭祀を積極的に取り込んで行った様子、北と南の戦争で中華と蛮夷を区別したこと、統一後の皇帝という称号の選択や李斯を中心とした法家による支配などがわかる。また胡亥の二世皇帝は始皇帝の指名だった可能性、実...
最近の考古学の成果を活用して史記の記述を再検討している。始皇帝が東方の進んだ文明や祭祀を積極的に取り込んで行った様子、北と南の戦争で中華と蛮夷を区別したこと、統一後の皇帝という称号の選択や李斯を中心とした法家による支配などがわかる。また胡亥の二世皇帝は始皇帝の指名だった可能性、実際の年齢が12歳でしかなかったこと、趙高がいわゆる宦官ではなく法家だったことなどが意外で面白かった。また考古学の成果から当時の官吏の仕事や夢占い、28宿と四神の対応などがわかる。
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それほどどろどろした人間性が書かれているわけではありません。淡々とした表現で。 始皇帝が神化されていたことをあまり知らないので・・・・。
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