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早稲田文学(2015年秋号) の商品レビュー

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2015/08/07

暫くぶりに『早稲田文学』を購入。2号ぐらい間が空いたかな? 小特集の『昏い部屋の女たち』にアンナ・カヴァンの短編が載るというので楽しみにしていた。 そのカヴァンは『訪問』と『穢れた寂しい浜辺』の2編が訳載。どちらもカヴァンらしい静謐さと、不穏な空気に溢れているが、個人的な好みで言...

暫くぶりに『早稲田文学』を購入。2号ぐらい間が空いたかな? 小特集の『昏い部屋の女たち』にアンナ・カヴァンの短編が載るというので楽しみにしていた。 そのカヴァンは『訪問』と『穢れた寂しい浜辺』の2編が訳載。どちらもカヴァンらしい静謐さと、不穏な空気に溢れているが、個人的な好みで言うと『穢れた寂しい浜辺』が良かった。 また、今号では第24回早稲田文学新人賞の受賞作も掲載。選者はマイケル・エメリック。『贄のとき』『小悪』のダブル受賞だったが、こちらは『贄のとき』の方が好み……というか、早稲田文学らしいんじゃないかなぁ。『小悪』はどちらかというと『群像』や『文學界』といった、大手文芸誌の受賞作っぽい感じ。 創作の3編も個人的に好みの作風が揃っていた。矢部嵩『処方箋受付』と神慶太『歯科医の語ったシマウマについての興味深い逸話』はどちらもシュールな光景の広がりが面白く、太田靖久『ヘイトフル』はディストピアSF風ながら、センチメンタルな雰囲気も漂う青春小説。 対談やコラム、エッセイの占める割合が多い号だったが、小説が面白かったので全体的な満足感は高かった。 ……しかし、ホント判型だけは何とかしてくれ。大きすぎて読みづらいよ〜。

Posted byブクログ