子どもの風邪 の商品レビュー
薬をださない理由を細やかに疫学的考察を交えた内容の珠玉の一冊。子どものためでもあるし小児科医のためでもある。子どもみる開業医必読の一冊。
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保育園児が増えて、肺炎球菌やヒブの保菌が増えた。 肺炎球菌がいると、ウイルス感染が悪化しやすい。 副鼻腔炎をエコーで診る。 集団生活を送っている子どもの23割が溶連菌を保菌。溶連菌による腎炎、リウマチ熱の減少には、抗菌薬の効果というより、保育園の普及によって低年齢からの溶連菌感染...
保育園児が増えて、肺炎球菌やヒブの保菌が増えた。 肺炎球菌がいると、ウイルス感染が悪化しやすい。 副鼻腔炎をエコーで診る。 集団生活を送っている子どもの23割が溶連菌を保菌。溶連菌による腎炎、リウマチ熱の減少には、抗菌薬の効果というより、保育園の普及によって低年齢からの溶連菌感染や保菌が普通になったからではないか、と推測。 ルーチンでの抗菌薬投与は不要、対症療法にしか過ぎない感冒薬も不要。それには賛成します。 処方しない分、繰り返し診察する事。大事ですね。ただ現状として自分が繰り返し診察できるわけではないので、他の医師とも認識の共有が必要。その辺りが課題ですね。
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この本、初めはただの風邪診療の本だと思っていましたが、めちゃくちゃ深い本でした。 医師全員に読んでほしいレベルです。後期研修医以上は必読ですね。 治療に傾いた日本の医療で「とりあえず治療しておこう」という傾向。 なぜ小児の風邪診療に抗生物質やホクナリンテープが出されるのか、その歴...
この本、初めはただの風邪診療の本だと思っていましたが、めちゃくちゃ深い本でした。 医師全員に読んでほしいレベルです。後期研修医以上は必読ですね。 治療に傾いた日本の医療で「とりあえず治療しておこう」という傾向。 なぜ小児の風邪診療に抗生物質やホクナリンテープが出されるのか、その歴史が書かれています。 風邪薬として、抗ヒスタミンは分泌物の粘稠度があがって排出が遅れてしまう可能性、鎮咳薬は投与するとかえって咳が長引いたという著者のstudy、アスベリンの薬効はイヌ・ウサギ・ハトのdataで人へのものではないこと・・・。ホクナリンテープはコントロール・スタディがなく、貼った人だけのdata。LABAは喘息の重賞発作や喘息死を増やすので、小児気管支喘息ガイドラインでも中等症以上の喘息の子に限ってステロイド吸入と併用することになっている。 また親の心理ももちろん書かれています。一章ごとに、「保護者の方へ」と最後に具体的な説明がついているのも素晴らしいです。 そして、製薬会社が医療業界のバックに潜んでいることまで書かれてあります。 めちゃくちゃ深い日本の医療を浮き彫りにした本ですし、小児科医として小児科診療にここまでメスをいれられる本って凄すぎます!
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