田辺聖子の恋する文学 の商品レビュー
樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、そして林芙美子、五人の女性文学者の作品や生涯を書いた作品。男尊女卑の時代に困難にぶつかり挫折を味わいながらも、最後まで諦めなかった彼女たちの強さに感服しました。 久女の師・高岡虚子への行き過ぎた尊敬の念から執着していく様を狂気の一言で片付...
樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、そして林芙美子、五人の女性文学者の作品や生涯を書いた作品。男尊女卑の時代に困難にぶつかり挫折を味わいながらも、最後まで諦めなかった彼女たちの強さに感服しました。 久女の師・高岡虚子への行き過ぎた尊敬の念から執着していく様を狂気の一言で片付けてしまわず、「恨み、拗ね、甘えといった女性の陥りやすい弊害と印象を受けました。だれも自分を理解してくれない。虚子先生だけが私を理解してくださる。私を愛して、私を認めて、私を理解してという叫びだったのではないでしょうか。」と述べられたりしているのに、著者の優しさや愛情を持って描かれているのがわかります。 名前や作品名などは知っているけれどという程度でしたが、もっと彼女たちのことを知りたいなと思わされた作品でした。
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樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、林芙美子 といった5人の女流作家の生涯を田辺聖子さんが見て書いた 一冊。 貧困に喘いだ一葉と芙美子、夫との関係に悩んだ晶子と 久女、母親から男尊女卑の価値観を押し付けられた信子。 それでもあきらめなかった彼女たちは創作の道に戻り力を 発揮...
樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、林芙美子 といった5人の女流作家の生涯を田辺聖子さんが見て書いた 一冊。 貧困に喘いだ一葉と芙美子、夫との関係に悩んだ晶子と 久女、母親から男尊女卑の価値観を押し付けられた信子。 それでもあきらめなかった彼女たちは創作の道に戻り力を 発揮しました。 その負けん気がひしひしと伝わりました。 表紙も椿柄で素敵です。
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明治生まれの女流作家達を紹介しているのだけれど、時代の過酷さにビックリしてしまった。今私が生きている時代に、わりと近くでつながったところに、こんな時代があったのかと思うと不思議な気がする。朝ドラなどで見る女性の人生とは全然違う。こんな女性の生き辛い時代に生きて、書いて、その作品が...
明治生まれの女流作家達を紹介しているのだけれど、時代の過酷さにビックリしてしまった。今私が生きている時代に、わりと近くでつながったところに、こんな時代があったのかと思うと不思議な気がする。朝ドラなどで見る女性の人生とは全然違う。こんな女性の生き辛い時代に生きて、書いて、その作品が今も読まれている作家達。この本を読んで、興味が深まった。 小川洋子さんの後書きも良かった。
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明治から昭和を精一杯生きた女流作家5人の魅力を、お聖さんが柔らかい語り口で解説している。講演をもとにした文章ということで、とても読みやすい。お聖さんの、作品への愛が伝わってくる。 (2015.9)
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