あなたの空洞 の商品レビュー
読んですぐ後は面白かった気がしたが、時間が経つと内容がもわっとしてて思い出せない…強烈なインパクトはなかったような…ごめんなさい。
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東北大震災。あの後私たち日本人の中で何かが変わった。実際に被災はしていなくても。たとえ揺れを感じなかったとしても。 そして少なくとも私にとって、その変わった「何か」はとても言葉にしづらいものだった。 この本はその「何か」を形にしようとした作品群なのだと感じる。 説明が極力省かれた文なので状況把握に時間がかかる作品だ(作者自身の特徴なのかわからないけど)。でもそのわかりづらさや描かれているものへの距離がタイトルに出てくる「空洞」に繋がるようなさみしさや虚無感も感じさせる。 個人的には収録作はどれも決して面白い作品とは言い難かったけど、印象的な文章がいくつもあった。並べてみると震災に関する表現が多いのはやはり言葉を生業にする作者が震災に向き合った結果のメッセージなのかなと思う。以下引用。 ''忘れたらいかんっていうのと、いっつも思い出してないかんいうのは、なんか俺の中では違うことやけどな。今日くらい、別の話題でええと思うわ。'' ''ニュージーランドに行く前の日本とどこか変わっちゃってーー悪く変わったってわけじゃないよ。でもやっぱりどこか変わっちゃってて、変な感じ。実家にあった自分の部屋みたいなの。'' ''全員が同じように揺れたわけじゃない。(中略)気象庁の発表とはまったく別の震度が僕たちにはあって、曖昧だったものがくっきりとしてきたのだ。'' ''タイミングを失った言葉は、絶対にもとと同じというわけにはいかない。火を通しすぎた卵と同じで、まったく同じ材料のものでも、まるで違う料理になってしまう。'' ''忘れるわけではない。忘れようとしたって忘れられない。けれど、なかったということも覚えておかなくてはならない。そこからだってちゃんと悲しみは来るのだから。堂々と覚えておかなくてはならない。''
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本当にこの人は・・・ふわりゆるりと空気中に漂っている人の哀しさと優しさを書かせたら天下一品ですね。ベースに震災をさらりと描きつつ、やるせない思いやもどかしい思いを織り込んだ、4作の短編集。特に「あなたの空洞」は、夫婦ならではの情愛が心に響く秀作。「あなたのことが大事なので、子宮は諦めて下さい。好きです」と伝えたいものの、「諦めて下さい」と「好きです」の間に欠けている「何か」を真摯に探し続けている夫の想いが、もう・・・。一行一行、行間まで丁寧にじっくりと読み込みたい一冊。
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本の帯には、「心に突き刺さる4編」とありましたが 読み終わっても どの話も心に刺さるまで 入ってはきませんでした。 主人公たちの心の中の上澄みだけをすくって 文章にした小説という感じでした。
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震災を経て人々が抱える空洞。 遅延した電車のなかで、飲み仲間たちとのたわいのない会話。 同級生同士の夫婦は、別居しつつ排卵日に合わせて会う生活を送っていることへの違和感と、バイの綾瀬。 連れ子同士での再婚家族。 母が亡くなって、遺骨を自らの手で粉砕したいと願う父と、戸惑う息子と娘たちの葛藤。 子宮筋腫で手術を迫られている妻と、壊れたユメモ。子宮は諦めて下さい。好きです。 東日本大震災と阪神淡路大震災。 直接の被害を受けたわけではないけれど、その影響は少なからず、みんなの心に何かしらの靄がかかる。 著者の性格なのか、だいたいの本で登場人物の男性の性格が穏やかで非常に優しいよね。 母を砕く日からのあなたの空洞で、なんか泣きたくなった。泣かなかったけど。 失うことを受け止めてちょっと忘れることを繰り返すのが人生なのかもしれない。 切なっ)^o^(
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それぞれテーマが違っている短編集でしたが、ぶっちぎりで印象に残ったのは3編目の【母を砕く日】です。妻に先立たれた夫が妻の遺骨を砕き、海に捲き、供養しようとする話ですが、夫の連れ子と亡き妻の連れ子の血のつながりのない兄妹の会話ややりとりが本当に人間味に溢れ、家族っていいなと思わせて...
それぞれテーマが違っている短編集でしたが、ぶっちぎりで印象に残ったのは3編目の【母を砕く日】です。妻に先立たれた夫が妻の遺骨を砕き、海に捲き、供養しようとする話ですが、夫の連れ子と亡き妻の連れ子の血のつながりのない兄妹の会話ややりとりが本当に人間味に溢れ、家族っていいなと思わせてくれました。他に震災をテーマにした作品もありましたが、少し控え目に書かれた感のある作品かなと。全部で4編からなる作品ですが、どの作品もごく普通の日常にありながら、誰もが大なり小なり悩める話に、不思議と強く共感してしまいました。
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表題「あなたの空洞」ほか3篇を含む短編集。 「母を砕く日」では亡き妻の散骨のためにあることを企てることが伏線となっているが、題名に現れている通り一目瞭然でそこまで隠す意図がはかりかねる。 震災後の虚無感が全体のベースになっているようだが、登場人物が淡々としすぎて物語に入り込めなか...
表題「あなたの空洞」ほか3篇を含む短編集。 「母を砕く日」では亡き妻の散骨のためにあることを企てることが伏線となっているが、題名に現れている通り一目瞭然でそこまで隠す意図がはかりかねる。 震災後の虚無感が全体のベースになっているようだが、登場人物が淡々としすぎて物語に入り込めなかった。
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おもしろくなかったなぁ。。『母を砕く日』は、ちょっとドキドキした。お父さん自身がふらっといなくなる計画は、実行してほしかった。どんな人生になるのか。
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繊細で人物描写も丁寧。キラッと光る言葉を見つける楽しさもある。 でも(あれ?何か違う)と思う箇所もいくつかあった。 (誤字も二ヶ所) そこで、一旦気持ちが止まってしまう。 読みが浅いのかなぁ。 細か過ぎるのかなぁ。うーん。
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経験したから偉いのか、経験していないから傷ついていないとも言えない、あのことを誰もが少しずつ抱えている。
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