戦場のコックたち の商品レビュー
しょんぼりとした フィクションの世界だと目を背けることは許されない、あったかもしれない世界線 コック兵の存在を初めて知るだけでなく、知らないことばかりだけど、最後まで読み切れたのはエドの存在が大きい 彼らの目にじっと見つめられてる気がする 私たちはしっかり生きてるだろうか
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年末から読んでいた本書が今年一冊目の読了本。 ベルリンは晴れているか、より面白かった。 戦争のごはんの詳細は、期待したほどは描かれていなかったけど、戦時中のなんでもあり感と、そのなかで普通のひとがどんな心理になっていくのかは、誠実に描かれていて、戦争のことを何も知らない私の真に迫...
年末から読んでいた本書が今年一冊目の読了本。 ベルリンは晴れているか、より面白かった。 戦争のごはんの詳細は、期待したほどは描かれていなかったけど、戦時中のなんでもあり感と、そのなかで普通のひとがどんな心理になっていくのかは、誠実に描かれていて、戦争のことを何も知らない私の真に迫った。 やはり戦争なので、ネームドキャラもばんばん死ぬ。 おいおいおい、とつぶやきまくる。 細かくキャラが多いのであまり覚えきれないけど、エド、ライナス、ワインバーガーがいいなと思った。 上官の秘密、あまり明確には書かれていないね。たぶん、そういう?ことね。 読み味はあえて軽く作ってあるんだろうなあ。 映画を見ているような台詞回しに、作者のそういう方面への愛が感じられました。
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初深緑野分作品でした。 読みやすかったです。でも、謎解きの途中だと寝る時間になっても眠れなくて、つい遅くまで読んでしまいました。 読んでいて、つらい苦しい気分になる時もありました。どうか世界に平和が訪れますように。
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戦争冒険小説かと思いきや、戦場という非日常における“日常の謎”を解き明かす本格ミステリ的味わいもある。しかしながら、謎解きだけでは終わらない深みが本書にはある。第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線における米軍空挺師団。そこに所属する“戦場のコックたち”を主軸に繰り広げられる、戦争なら...
戦争冒険小説かと思いきや、戦場という非日常における“日常の謎”を解き明かす本格ミステリ的味わいもある。しかしながら、謎解きだけでは終わらない深みが本書にはある。第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線における米軍空挺師団。そこに所属する“戦場のコックたち”を主軸に繰り広げられる、戦争ならではの衝突あり、友情あり、悲劇ありのヒューマンドラマが圧倒的に面白いのだ。等身大の若者が葛藤し、苦難を乗り越えながら成長していく様はグッとくる。特に物語終盤の劇的な展開には胸を打たれた。余韻が残る読後感も良い。 およそ30人もの登場人物を描き分ける筆力。緻密な取材に基づいた戦禍のリアリティが凄い。まるで翻訳小説か?と見紛う程の臨場感だ。戦時中の具体的な食糧や料理が登場するのも特徴的。“粉末卵”は食べてみたいような、みたくないような(笑) 著者が影響を受け、本書のベースにもなったドラマ「バンド・オブ・ブラザーズ」もいつか観てみたい。 週刊文春ミステリーベスト10 3位 このミステリーがすごい! 2位 本格ミステリ・ベスト10 12位 本屋大賞 7位 SRの会ミステリーベスト10 3位 ミステリが読みたい! 2位
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「戦場のコックたち」(深緑 野分)を読んだ。 今年読んだ中では今のところベスト。(ノンフィクションを除く) 帯にあるような、 『戦場でも事件は起きるし、解決する名探偵がいる。』 とか 『1944年、若き合衆国コック兵が戦場です出会う〈日常の謎〉』 とか ぜんぜん違う! (あ、...
「戦場のコックたち」(深緑 野分)を読んだ。 今年読んだ中では今のところベスト。(ノンフィクションを除く) 帯にあるような、 『戦場でも事件は起きるし、解決する名探偵がいる。』 とか 『1944年、若き合衆国コック兵が戦場です出会う〈日常の謎〉』 とか ぜんぜん違う! (あ、まぁ言ってみれば確かにそうなんだけれど) でもぜんぜん違う! そんなんじゃない。 肺腑を抉られるような衝撃。 戦場から遠く離れている私達が今読むべきはこれ。 (でももう私は次の小説を読もうとしているのだよ。それでいいのか?) 一瞬米国人作家の作品の翻訳小説かと錯覚をおこす。 そのくらいリアル。 これはおすすめしたい。
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世界恐慌の影響で苦しい生活を送っていた家族を助けるため、そして周囲の「流れ」に乗り損ねて臆病者とバカにされるのを避けるため、ティムはアメリカ陸軍に入隊します。 訓練を通して、彼が軍隊の中で見つけたい場所は「コック」でした。他の兵隊からは馬鹿にされる兵種ではありますが、信頼できる...
世界恐慌の影響で苦しい生活を送っていた家族を助けるため、そして周囲の「流れ」に乗り損ねて臆病者とバカにされるのを避けるため、ティムはアメリカ陸軍に入隊します。 訓練を通して、彼が軍隊の中で見つけたい場所は「コック」でした。他の兵隊からは馬鹿にされる兵種ではありますが、信頼できる仲間たちとともに戦地に赴くことになります。 ノルマンディー上陸作戦からナチス・ドイツの降伏まで、ヨーロッパの激戦地を転戦してゆくティムの目に映る「戦地」の描写は、淡々としているからこそ迫力があります。「仲良くなった戦友が死ぬ」という、「誰でも、あっという間にあっけなく死んでしまう」という戦場の無慈悲さが描かれていることは戦争文学において珍しいことではありませんが、親友の一人が戦地で心を病む描写を含んでいる点は、この作品の特徴であると思います。 どこか無邪気で、恐怖を必死に隠しながら戦場を走っていたティムが、次第にドイツ兵への敵意をあからさまにしたり、戦略爆撃によって亡くなったドイツの非戦闘員に対しても「ナチスを選んだという責任がある」として同情しなくなったりする、こういった心理の変化が緻密に描かれている点も素晴らしいと思いました。 いくらか、「謎解き」の要素が入っているところはYA文学としての思いやりなのかな(戦争についての描写だけだと重苦しくなるからでしょうか)と理解することもできるのですが、ラストシーンの最後の展開だけは納得できない終わり方でした。 ここまで、「リアル」に描いてきたのに、最後にファンタジーな感じで終わってしまったのが残念です。
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深緑さんは戦時を生き抜いたのかな、と思うくらいリアルで生々しい文章。 映像が脳裏に鮮明に思い起こされて、目を背けたくなるほど。 でも凄く引き込まれて止まらなくなる。心に刻まれた作品の1つです。
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まず開いてみて二段組構成だったことを知り「うわぁ」と言ってしまいました 読むのにはやはり時間を要しましたが読んで良かったと思える本です このタイトルから、戦場でのコックの立ち位置、どのように料理を作っていくのか、ということが綴られていくのかと思いきや、アメリカのコック兵、という立...
まず開いてみて二段組構成だったことを知り「うわぁ」と言ってしまいました 読むのにはやはり時間を要しましたが読んで良かったと思える本です このタイトルから、戦場でのコックの立ち位置、どのように料理を作っていくのか、ということが綴られていくのかと思いきや、アメリカのコック兵、という立場から戦争を描くというものでした 今もこの地球上で戦争は起きている 今の日本では人は殺してはいけない、だけれど戦争では人(敵)を殺したら称賛される世界 友を喪い、仲間を喪い、自分もいつ死ぬのかわからない、そういった状況で変化していく心 本当に胸が痛かったです 敵も味方も関係なく、そこにはその人が生きてきた日常が確かにあった そしてそれは、誰であっても奪われてはならないものだった 争いはなくならないかもしれない でもやっぱり戦争には断固として反対です いつかまた大きな争いが起こるだろう そして焼け野原になった後、何のために戦ったのかと自問自答するのだろう 長い本文のあとのエピローグ、胸に染みます
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【あらすじ】 1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。コックでも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ――料理人だった祖母の影響でコック兵となったティム。冷静沈着なリーダーのエド、陽気で気の置けないディエゴ、口の悪い衛生兵スパークなど、個性豊かな仲間たちとともに...
【あらすじ】 1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。コックでも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ――料理人だった祖母の影響でコック兵となったティム。冷静沈着なリーダーのエド、陽気で気の置けないディエゴ、口の悪い衛生兵スパークなど、個性豊かな仲間たちとともに、過酷な戦場の片隅に小さな「謎」をみつけることを心の慰めとしていたが…… 【個人的な感想】 読みながら『同志少女よ敵を撃て』を思い出した。
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中途半端な謎解きに目を眩まされてるうちに、主人公の人間関係と状況はどんどんとシビアになっていく。 言葉でいうと今更だけれど、戦争の悲惨さを、1アメリカ兵から書いたもの。 匂いまで漂ってきそうでした。 エピローグは涙なしには読めません。
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