別荘の未亡人兄嫁 濃密な七日間 の商品レビュー
濃密な7日間を描くための構成に終始した感あり
フランス書院文庫における「鷹羽真」名義の作品も本作で7つを数え、最近では珍しくなった1人ヒロインの作風が貴重にもなりつつあるところだが、その7作目は偶然にも兄嫁とのめくるめく7日間を描いた仕上がりとなっている。 32歳で未亡人となってしまった兄嫁と、ついこの間まで学生服を着...
フランス書院文庫における「鷹羽真」名義の作品も本作で7つを数え、最近では珍しくなった1人ヒロインの作風が貴重にもなりつつあるところだが、その7作目は偶然にも兄嫁とのめくるめく7日間を描いた仕上がりとなっている。 32歳で未亡人となってしまった兄嫁と、ついこの間まで学生服を着ていたという義弟(主人公)。悲観に暮れる兄嫁を励まそうと出かけた旅先(兄嫁の実家にある別荘)での7日間は確かにサブタイトルのごとき濃密さである。序章+7章立ての構成で、各章を一日目~七日目としていることからも、この7日間で様々なシチュエーションを駆使して兄嫁を癒しつつ思いを主人公に向けさせようといった趣向が見てとれる。義弟の大胆な行動に戸惑っていた兄嫁も、そこに秘められていた想いの深さを知り、割と早い段階から内心ではそれに応えようとする素振りを見せている。 ただ、旅先での7日間に限定したためにどうしても7パターンの官能描写を準備せねばならない縛りができてしまったことによる弊害も感じられた。 例えば「一日目」を序章の扱いにして、悲観に暮れながら、それでも満たせぬ空閨に悶々ともしているような兄嫁を、普段の清楚な振る舞いとの対比で盛り込みつつ別荘への到着までくらいにしておけば、義弟が迫るのは「二日目」からとすることができ、少なくとも蛇足感が漂った「七日目」は、その前日で遂に兄嫁の心が義弟へと明らかに向かうことになって激甘成分もたっぷりだった「六日目」の余韻で終わることもできたと思う。素人の発想で恐縮だが、要は今少しコンパクトにすることで全体がより引き締まる策もあったように感じる、間延びした印象が残るのである。 避暑でもあることから開放的に屋外で交わる機会も多く、中には亡夫(亡兄)の墓前に近い場所といった扇情的なシチュエーションもあり、または血気盛んな義弟による押しの強い責めもある多彩な官能面は堪能できるものだったが、そんな義弟にあてられたとはいえ兄嫁が淫語を連発するのは後半にとっておかないと清楚なイメージになりにくいといったバランスの違和感もあったので、そのグランドデザインにおいてはアイデアこそ良かったものの構成というか配分には一考の余地がまだあったように思う。
DSK
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