この方法で生きのびよ！ の商品レビュー

鈴木博毅(著者)

2015/12/26

　社会の変化に対応して企業として生き残るための方法を説いた内容ですから、そのテーマはビジネス書としては山ほど語られているものです。
　内容はシンプルに５つの章で構成されていますが、それぞれの章の関連が並列でしかなく、その点立体的な体系化に至っていません。例示で挙げられているいくつかのエピソードも月並みです。一見読みやすい印象は受けますが、著者の発するメッセージには厚みや鋭さが感じられません。ビジネス現場の肌感覚といったリアリティに立脚した説得力が希薄なんですね。
　正直なところ、かなり物足りなさが残る著作です。

2015/11/19

　今回の本はレビュープラス様からの献本です。ありがとうございます。

　「沈む船から脱出できる5つのルール」とサブタイトルが付いているように、「5つの恐ろしい氷山が今、あなたの船に近づいている」として、5つの氷山の具体例を挙げている。

　1.「代替」＝社会を一変する力
　2.「新芽」＝過去と決別した成果
　3.「非常識」＝変化に対応する思考
　4.「拡散」＝足枷を解放した効果
　5.「増殖」＝拡大を続ける構造

　今までなら当たり前だった「常識」が通用しなくなって、「非常識」だと思われていたことが「新しい常識」になっている。例えば、人工知能が人間に取って代わってきていることが挙げられる。油断していると、ロボットに職を奪われる可能性がある。

　成功を邪魔する要素として次の4つの点を挙げている。

　1.今日の結果を出すことに忙殺されている
　2.昨日と同じことをやり続けるほうがずっと楽だ
　3.新たなことを始める時間も余裕も与えられない
　4.既得権益者が変化の邪魔をする

　著者は「大きな潮流」を見逃さずにその波に乗っていくことをすすめている。変化を気づいてその波について行けるだけの柔軟な頭があるかどうかだな。