夢声戦中日記 の商品レビュー
芸人だけあって、知った名前(高峰三枝子、佐分利信、原節子、丸山貞夫など)も。 また、南方への慰問旅行や特攻隊員への慰問、新聞記事など戦中の様子がよくわかり、たいへん興味深い。 本書に『風と共に去りぬ』(戦中に制作された)を観て、「こんな国と戦うのか、勝てるわけない」的な記述がある...
芸人だけあって、知った名前(高峰三枝子、佐分利信、原節子、丸山貞夫など)も。 また、南方への慰問旅行や特攻隊員への慰問、新聞記事など戦中の様子がよくわかり、たいへん興味深い。 本書に『風と共に去りぬ』(戦中に制作された)を観て、「こんな国と戦うのか、勝てるわけない」的な記述があるが、これはこの年齢の人の話を読むとよく目にする。たしかにそうだよなぁ……。 で、百閒先生よりいい暮らしをしているのは、やはり文筆家より芸人のほうが人気があったからなのだろうか。この人はとにかくウイスキーをよく飲む。 察するところ、一般庶民はすごい貧乏暮らしをしていたはずで、そしてそんな一般人の日記は面白くないだろうが記録的価値はあるだろうから、無名人戦中日記があればちょいと読んでみたい。 しかしホント、度重なる空襲の記述を読むに、たしかに犠牲者は膨大だが、よく生き延びたものだ。祖父、祖母に感謝せねば。自分は生き延びる自信、ないなぁ。
Posted by
真珠湾攻撃を知った日本人のほとんどが大いに留飲を下げたといわれるが、本著でも日米開戦の報に触れた著者の喝采ぶりが滑稽なほど直截だ。当時の世相が伺われる貴重な資料であると同時に綺羅星のごとく登場する芸能人や文人の顔ぶれも興味深い。慰問先のシンガポールで観た「ファンタジア」と「風と共...
真珠湾攻撃を知った日本人のほとんどが大いに留飲を下げたといわれるが、本著でも日米開戦の報に触れた著者の喝采ぶりが滑稽なほど直截だ。当時の世相が伺われる貴重な資料であると同時に綺羅星のごとく登場する芸能人や文人の顔ぶれも興味深い。慰問先のシンガポールで観た「ファンタジア」と「風と共に去りぬ」に敵国の底力を感じる箇所が雄弁だ。
Posted by
- 1