真っ赤な傘突き刺して の商品レビュー
こういった詩集について何を言えばいいのかわからないと思いながら何度なく読み返してきた『真っ赤な傘突き刺して』。野性的な叫びと聖性を帯びた詩の言葉が押し寄せて来て、いやが応にも自分の中の虚無に思い至らしめる。力強い生の欲動がどんなにくそったれな世界を目前にしても、あるいは絶望と倦怠...
こういった詩集について何を言えばいいのかわからないと思いながら何度なく読み返してきた『真っ赤な傘突き刺して』。野性的な叫びと聖性を帯びた詩の言葉が押し寄せて来て、いやが応にも自分の中の虚無に思い至らしめる。力強い生の欲動がどんなにくそったれな世界を目前にしても、あるいは絶望と倦怠に苛まされてもなお、須藤洋平さんの言葉は再び勃起するかのように蘇り脈打ち果ててなお立ち上がろうとするかのようだ。安易な祈りも救済も彼の前ではすべてが恥である。このような力強い言葉というものを前にすると自分の取り繕い続けてきた表層が一瞬で氷解してしまいそうな戦慄を覚えてしまう。飯を食ってクソをして自慰の果てにのたうち回る言葉の絨毯爆撃。
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