彼女の人生は間違いじゃない の商品レビュー
震災後の茫然自失からそれぞれの形で立ち上がっていく様を、映画の脚本に近い形で描き出す。文体は素っ気なく決して長い話でもないが、登場人物は思いのほか多い。その彼らとの関わりの中で主人公が変化していく過程をさりげなく浮き彫りにしているところがよい。
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61才の映画監督の初の小説は、極めて映画的。逆に言うと小説的ではなかった。被災地の心情的な復興、という軽々には扱いにくい問題に取り組み、扱いにくい問題だけに、核心に迫る感じもなく、表面をさわるのみで、心情に何かの変容が起きたか読み取りにくい。映画なら表情とかで描けるんだとは思いま...
61才の映画監督の初の小説は、極めて映画的。逆に言うと小説的ではなかった。被災地の心情的な復興、という軽々には扱いにくい問題に取り組み、扱いにくい問題だけに、核心に迫る感じもなく、表面をさわるのみで、心情に何かの変容が起きたか読み取りにくい。映画なら表情とかで描けるんだとは思いますが。ところどころ雑なところもあり、たとえばみゆきの父、修に壺を売ろうとしてきた男の会話の流れがかなり適当。書き込めば面白そうなくだりなのに。惜しい感じでした。
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震災後の福島を舞台にしている作品は、なんかケチがつけにくい。その分、ズルい感じがする。 作者は福島出身のようなので、書かずにはいられなかったのだろう。 震災で傷ついてしまった女性の再生の物語。 作者の本職は映画監督で、私も何か見ているかと思ったが、リストを見たら、何も見ていなかっ...
震災後の福島を舞台にしている作品は、なんかケチがつけにくい。その分、ズルい感じがする。 作者は福島出身のようなので、書かずにはいられなかったのだろう。 震災で傷ついてしまった女性の再生の物語。 作者の本職は映画監督で、私も何か見ているかと思ったが、リストを見たら、何も見ていなかった。でも、評判の作品をたくさん撮っておられるので、映画監督として、スゴイ人なのだと思う。だからこそ、文芸誌に載り、単行本化もされたのだろう。 誰を対象に書かれたものか。私はその読者層ではなかったのか。なぜ私は読んだのか。 ご自分で、映画化されたいのだろうか。そちらを期待したいと思う。 小説としては、ストレートすぎて、ありがちな感じになって、もう少し複雑にいわきの人を描いてほしかった。福島出身ということもあり、書かずにいられないならなおさら、じっくり描いて欲しかった。
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仮設住宅に住む役所勤めのみゆき。震災後、恋人とぎくしゃくする彼女は、東京でデリヘルのバイトを始め……フクシマの今を描く、映画監督・廣木隆一の初小説。赤坂真理・高良健吾・降谷建志氏推薦!
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