JAPAN A SHORT HISTORY【英文】 の商品レビュー
英語の勉強を続けた末に、現代英語はある程度分かるようになった。そうは言っても、読める分野は限られており、その中で歴史は読解可能な数少ない分野の一つである。向こう見ずだった私が新渡戸稲造の武士道を原書で読んで理解できなかったのは昔のことで、しかし少し時代が遡った当時の英語を理解でき...
英語の勉強を続けた末に、現代英語はある程度分かるようになった。そうは言っても、読める分野は限られており、その中で歴史は読解可能な数少ない分野の一つである。向こう見ずだった私が新渡戸稲造の武士道を原書で読んで理解できなかったのは昔のことで、しかし少し時代が遡った当時の英語を理解できる自信は全くない。反面、現代英語は多少の自信があり、私の学習意欲は現代の英語に向かっている。さて、そんな状態の私が本書を読んだ時、幸いに内容理解がスムーズに進んで、心から楽しめた。本書は出版から数年しか経過しておらず、できたてほやほやな感じで極めて現代的な英語である。英語である以上、日本の軍国主義を非難し、日本人の閉鎖性を指弾する論調だが、日本人の立ち位置を安固にしていく上でも、この著者と距離をとる必要がある。それには、我々自身が自国の歴史を表明しなければならず、我々が英語を使うにしても、その言葉の中身は再構成しなければならず、それはすなわち我々が自国の哲学を持つ必要に迫られているということだ。道は遠し。
Posted by
- 1