分離の時間 の商品レビュー

松本清張(著者)

2024/02/03

表題作はタクシー運転手が殺害された議員に男娼として声をかけられたエピソードから端を発して調査していく話。記者の方はともかく主人公は一介のサラリーマンでありながらも執拗に調査を続ける気概が凄い。
気概といえばもう一編の交通事故で家族を失った男の話だがコチラも相当である。自動車事故、役人の責任なすりつけあい等発表時を考えると先進的。

2020/05/01

表題作の「分離の時間」と「速力の告発」の2編からなる。いずれも昭和44年の作品。「分離の時間」では、ある老代議士がホテルで他殺体として発見される。この老代議士の後に同じタクシーにのった広告代理店勤務のサラリーマンが、事件の真相を友人の雑誌記者と追究していく。そこには特殊は性癖も絡んでいる。「速力の告発」は、交通事故で同時に妻と子供を無くした夫が、増え続ける自動車の製造元＝自動車会社の責任を追究していく。しかし、いずれの作品も、松本清張にしてはイマイチ・・・という個人的感想。