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大学教育の再構築 の商品レビュー

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2019/06/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

P.109 一貫して能力伸長における高同調型学生の評価が高い。すなわち、入試広報の役割は教育成果を上げる上でもとても重要。なにをコミットできるかを明示しなければ学生の能力伸長も阻害されてしまう。一方で参加型、誘導型の授業による影響も大きな割合を示しているのは、救い。

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2014/03/03

平成24年の中教審答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」を読んだとき、「これは学習時間答申だ!」と感じたのだが、本書はその答申をリードするような内容。「日本の大学は学生の自律的学習を引き出すことに成功しておらず、それは将来の日本の若者の課題を考えれば、やはり致命...

平成24年の中教審答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」を読んだとき、「これは学習時間答申だ!」と感じたのだが、本書はその答申をリードするような内容。「日本の大学は学生の自律的学習を引き出すことに成功しておらず、それは将来の日本の若者の課題を考えれば、やはり致命的な欠陥であるといわざるを得ない(p206)」 など、大規模調査の分析から導き出された提言は説得力がある。 ハードカバー200ページ超の専門書だが、各章ごとに「まとめ」があり図表もわかりやすい。 というわけで、すべての大学関係者にお勧めの5つ☆評価!

Posted byブクログ

2013/07/14

本書は著者らの学術創成科研の研究成果の一部とされている。http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2010/seika/jsps/12601/17GS0101seika.pdf 昨年の答申とその審議過程でも「学習時間」について強調していたが、本書を一読すると、それはあ...

本書は著者らの学術創成科研の研究成果の一部とされている。http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2010/seika/jsps/12601/17GS0101seika.pdf 昨年の答申とその審議過程でも「学習時間」について強調していたが、本書を一読すると、それはあくまでも問題のごく一部だということがよくわかる。大規模調査から導かれた、言い分けのしようのない結果の一つは、「戦後日本的な大学教育の特質が、結果として学生の自律的な学習時間が少ない、いわば密度の低い教育を生み出していたことであった。それは、学生の将来への思考が曖昧となっているにもかかわらず、教員の側は帰属組織を通じた教育を軸とする暗黙の理念にとらわれていたことに関わる。」(P.205)というものだった。 学生の自習をいざなうための教員による授業の工夫という、至極当然だが、新しい課題が明らかになってしまった。 個人的には、学生の多様性に適応できない機関は、児童・生徒の指導や技術に関する先行研究をレビューするところから始まるのではないかと考える。学生の多様化を認識するフェーズは既に終わっている。ある意味ユニバーサル化状態が当然である義務教育段階の知見を活用することが意外に早道であるような気がする。 例えば、つくばの教員研修センターの指導主事たちが、学力的にシンドイ学生を抱える大学の共通科目のFDの講師を務める、といったことは考えられないものだろうか。

Posted byブクログ