歴史認識とは何か 戦後史の解放Ⅰ の商品レビュー
比較的史実に基づいて書いているように見えるが、数字的根拠は明確ではなく、基本、戦中の日本悪のナラティブである。 加えて尾張守姿勢で少し残念な書籍となっている。
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昨今の国際情勢を受けて近現代史に改めて興味をもった社会人の学び直しに本当にピッタリでした。 このタイミングで本書に出会えたことに感謝。 外交史の視点によって、歴史がより真に迫ってきます。 浪人時代にこの本読みたかったなぁ。
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ちょっとタイトルから期待した内容とは違ったな。 歴史認識というよりは「国際情勢の認識」であり、しかも扱う年代の日本の指導者が、どのように国際情勢を認識していたかが検証されている。でも、それは既に先行研究により自明なこと。なぜそういう認識しか持てなかったのかが知りたいんだけどね。 ...
ちょっとタイトルから期待した内容とは違ったな。 歴史認識というよりは「国際情勢の認識」であり、しかも扱う年代の日本の指導者が、どのように国際情勢を認識していたかが検証されている。でも、それは既に先行研究により自明なこと。なぜそういう認識しか持てなかったのかが知りたいんだけどね。 それにしても太平洋戦争では東條英機が戦犯の筆頭に挙げられるけど、近衛の方が何倍も罪深いと思うけどね。そして近衛って国民に絶大な人気だった事実が開戦の原因なんだと思うんだ。
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これは良書であるが、「歴史認識」の在り方そのものを掘り下げているというよりは、基本的には第一次大戦以降の国際政治動向を最新の研究動向を踏まえて叙述した内容。 現代に通じる多くの教訓を「戦間期」と呼ばれる時代(二つの世界大戦の間、1920-30年代)は含んでいることを改めて実感。...
これは良書であるが、「歴史認識」の在り方そのものを掘り下げているというよりは、基本的には第一次大戦以降の国際政治動向を最新の研究動向を踏まえて叙述した内容。 現代に通じる多くの教訓を「戦間期」と呼ばれる時代(二つの世界大戦の間、1920-30年代)は含んでいることを改めて実感。 過去に学ぶ、ということは、「戦争反対」の平和協調主義が力の空白を生む(戦争の原因になりうる)ことの危険から目を離さないということであり、同時にそれは、当時の日本がどうにも正当化できない過ちを犯したことを正視することでもある、ということ。 文献を詳細に検討して事実(と呼びうる何か)を掘り下げる努力に右翼も左翼もない。 (以下、備忘メモ) ① 大戦の悲劇→国際協調による平和主義→大戦回避失敗→実効性のある抑止、という流れ - 欧州では第一次大戦によって1,000万人を超える死者を出した。これにおののき、各国とも真剣に国際協調による平和という仕組みを追求するようになった。1928年の「パリ不戦条約」は紛争解決に武力を用いないことを規定した「戦争放棄」条項を持つことで画期的であった(”Renunciation of war”。これは日本国憲法第9条の「戦争放棄」の訳語でもある。戦争放棄の概念は憲法9条で新しく導入されたわけではない) - 一方、わずか1,000人の死者しか出なかった日本はその切実さはなかった。満州事変で国際連盟を脱退した時、欧州を襲った「戦後秩序崩壊」への危機感を日本は共有できなかった。 ‐ 平和のために軍縮条約を締結し、それが結果的に力の空白を生みナチスの台頭を許したこと、さらにそのナチスへの宥和外交の失敗などの経験から、欧米においては一旦決められた国際ルールを軍事力で変更することへのアレルギーが強固。ちなみに、今ホットな「海洋航行の自由」は、まだ日本と開戦してもいない1941年8月、太平洋憲章という形で英米により発表された。 ② 「協調主義」に悪乗りした日本という認識 - 日露戦争のとき、日本の捕虜に対する人道的な扱いは世界の称賛を受けた。国際協調主義のおかげで、国際連盟においてアジア唯一の5大国となる名誉を得た - 一方、大国となった日本は協調を軽視するようになった。その象徴が(個人的には大変残念な新しい知識だが)当時の日本は捕虜の人道的扱いを定めるジュネーブ条約を批准しなかった、という事実。日本軍は捕虜になるのを恥としており、軍部は「ジュネーブ条約があれば、捕まっても大丈夫と思う敵軍が冒険的に本土を空襲するであろうから不利である」として反対した。太平洋戦争突入後、シンガポールで大規模な降伏を行った英国が、自国捕虜を条約に即して扱うように日本政府にもとめたとき、我々がした回答は「準適用」であった。結果的に、ドイツ軍の捕虜になった連合軍兵士の死亡率が5%だったのに対し、日本軍指揮下では20%超が死亡した。 - これも大変残念だが、第1次大戦以降、最初に一般市民を巻き込む都市爆撃を行ったのは(ゲルニカのドイツよりも前に)日本(錦州爆撃)だった。 - 例えば石橋湛山や吉野作造のように、日本の対中国政策を明らかに侵略的だと批判する人も当時からいた(「・・・鼻息ばかり荒くして、大国民の襟度を以て彼等(中国人)に接することを解せぬから・・・排日の感情を・・挑発する結果に(以下略)」)(吉野作造、P.86)。
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戦後史については、イデオロギーの偏向、時間的な誤り(1945年にいきなり戦後が始まったとする)、空間的な偏狭さ(日本一国のみで判断する)の3つの誤りが重なって、まともな議論ができない状況が続いている。 本書は、史実に基づいて、また、世界史的な視野から見て、また、戦前の歴史も視野...
戦後史については、イデオロギーの偏向、時間的な誤り(1945年にいきなり戦後が始まったとする)、空間的な偏狭さ(日本一国のみで判断する)の3つの誤りが重なって、まともな議論ができない状況が続いている。 本書は、史実に基づいて、また、世界史的な視野から見て、また、戦前の歴史も視野に入れることで、まとまりのある論述になっている。 知らなかった事実も多かった。 現在が「一国平和主義」という偏狭な陥穽に陥っているのでは、という末尾の指摘に全編を通した後では深く頷かざるを得なかった。
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太平洋戦争前、リベラルな天皇と富国強兵の軍隊、特に維新を守りたい海軍の猛々しさ。 本書では日本の戦争の問題点を、平和に向かうグローバルな潮流を感じ取れなかったという点に見ている。今でいうところのガラパゴス。 象徴天皇になる前は天皇はとってもリベラルだった。天皇の権力が剥奪...
太平洋戦争前、リベラルな天皇と富国強兵の軍隊、特に維新を守りたい海軍の猛々しさ。 本書では日本の戦争の問題点を、平和に向かうグローバルな潮流を感じ取れなかったという点に見ている。今でいうところのガラパゴス。 象徴天皇になる前は天皇はとってもリベラルだった。天皇の権力が剥奪された理由は、ファッショの危険性があったからとか独裁がダメだからとかじゃなくて、天皇を冠にすることで正当性を維持しながら色々やらかすのが日本だから。国のトップとしての戦争責任はあるかもしれないけれど、戦犯からは除外されていた。 思想が偏っていたって政治を動かせるような影響力を持つ人はほとんどいないので、正しい歴史認識が必要な理由はあまりない。実際は影響力の源泉はその偏りだったりするし。むしろまともな認識を持たない方が実行力は高まる。 国と国ではなく、私とあなたのレベルで考えた場合、思想が偏っていたってそれを口にできる人はほとんどいない。その程度にはマジョリティは臆病である。
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歴史学者が書く内容は一考に値する。国際状況のインテリジェンスが必要。思考停止 無批判の9条守れ が一番あぶない。
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著者は本書をほぼ缶詰め状態で一気に書き上げた、とあとがきに書いていますが、その通り文章にはとても勢いがあり、歴史書ながら読む者を引き込ませます。 もっとも本書によって明らかにされる新事実などはなく、先行研究のまとめが中心ですが、現時点での最新の研究動向を知るにはちょうど良いのでは...
著者は本書をほぼ缶詰め状態で一気に書き上げた、とあとがきに書いていますが、その通り文章にはとても勢いがあり、歴史書ながら読む者を引き込ませます。 もっとも本書によって明らかにされる新事実などはなく、先行研究のまとめが中心ですが、現時点での最新の研究動向を知るにはちょうど良いのではないでしょうか。
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日露戦争から太平洋戦争までの通史が書かれている。太平洋戦争の開戦過程を日露戦争から記述するのは希少であると思う。 また、この本が優れているのは、国際関係と国内のアクターいずれも分析対象に入っていること。日本政治外交史の立場だけではないのは、太平洋戦争の開戦過程を探る上で良い点であ...
日露戦争から太平洋戦争までの通史が書かれている。太平洋戦争の開戦過程を日露戦争から記述するのは希少であると思う。 また、この本が優れているのは、国際関係と国内のアクターいずれも分析対象に入っていること。日本政治外交史の立場だけではないのは、太平洋戦争の開戦過程を探る上で良い点である。 逆に不満な点は、歴史認識という言葉をタイトルで使っている割には、歴史認識の問題に言及していない。タイトルをもう少し考えるべきであったと思う。 この本で得た教訓は、選択する政策の結末がどうなるか、楽観的にではなく、国内要因と国際関係いずれも冷静に分析する必要があるということである。決して組織内部の事情や責任回避だけでなされるべきでないということ。
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サザンオールスターズが紅白歌合戦でちょび髭をつけて話題になった。その話が出てくる。 その歌(は僕は知らないが)の歌詞には、「教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに何でそうなっちゃうの?」とある。そう、現代史は教育の過程にあるように見えて、実はない。 けれど、...
サザンオールスターズが紅白歌合戦でちょび髭をつけて話題になった。その話が出てくる。 その歌(は僕は知らないが)の歌詞には、「教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに何でそうなっちゃうの?」とある。そう、現代史は教育の過程にあるように見えて、実はない。 けれど、例え学んだとしても、普遍的に受け入れ可能な歴史的事実などには辿りつけない。辿りつけないはずだが、日本ではなぜか、そこに辿りつけるし、他国もまた同じ、という楽観的な認識がある。これが歴史問題を拗らせた一因のようだ。 それからもう一つ、わかりやすいのは「日本史」と「世界史」が分かれていて、それぞれ、日本史の中には世界は出てこないし、世界史の中には日本が出てこない、ということ。端的に日本が国際協調という姿勢を持っていないことを伺わせる。 本書はこの「歴史認識しづらい」日本において、どういうことが起こっていたのかを綴るものである。専門で学んでいれば既知のことかもしれないが、僕はそうではないから知らなかったことも多い。 日本は軍国主義だったからいけない、というよりも国際主義の欠如が問題だった、と著者は述べる。現在の日本も平和主義という名の孤立主義なのでは、とも。国際的にも平和主義と戦争放棄の理念はあるのに、憲法9条だけに存在する理念のようにノーベル平和賞を要求するのは、美しいふるまいではない、自国以外の安全保障にまったく関心を示さない利己的な姿勢も、国際主義の否定と見られかねない。 市井では歴史問題もデジタル的に賛成反対で語られることが多いが、ともかく絶対的な正義が自分にある、と思ったらやばい。平場に出たらどう見えるかってことが大事のようだ。出ないと孤立→悪、と昨日読んだ本にも出てた(って単純な話じゃないよ)。
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