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痴者の食卓 の商品レビュー

3.2

10件のお客様レビュー

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2024/09/01

相変わらずフェミニストが読んだら激昂しそうな内容。貫多がキレて御託を並べて結局は手を出すところが、歌舞伎の大見得じゃないけど、そこが読みたくてとにかく読んでしまう。とくに屁理屈が面白い。読んでいると、流石に手を出したことはないけど、自分の中にもソフトな北町貫多がいる気がする。

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2024/02/18

秋恵に対して爆発するまでの貫太の心の動きがよく分かる。秋恵からしたら貫太の怒りは理不尽でしかないということを、貫太自身理解したうえで、なお感情を抑えられない、そのこと自体を仕方のない事と諦めているところに、秋恵との破局の時がそう遠くないことを予感させる。

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2022/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 西村賢太さんの作品を読んだ方ならもうお馴染み(あまり馴染みになりたくないのですがw)、これでもかというDV癖の描写。「痴者の食卓」、2015.7発行。人工降雨、下水に流した感傷、夢魔去りぬ、痴者の食卓、畜生の反省、微笑崩壊の6話。気のいい女性、6歳下の同棲相手、秋恵への北町貫太の一方的な暴言と暴行。打擲(ちょうちゃく)、足蹴、髪を掴んでの引きずり廻し。そして、いつも、あとから反省。その繰り返し。話の展開はともあれ、微笑崩壊で鶯谷の「信濃屋」が舞台になっていて、これは嬉しかったですw。

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2022/07/26

尾道の図書館で読む。 いつの間にか秋恵という女性と同棲している。「秋恵もの」と呼ばれているらしい。同じようなはなしでどれもいやなDV描写で終わる。続けて読むと胸焼けしそうでちびちびと読んだ。 無職の暴力男とけなげな中年女の組み合わせというと、業田良家の『自虐の詩』を思い出させるが...

尾道の図書館で読む。 いつの間にか秋恵という女性と同棲している。「秋恵もの」と呼ばれているらしい。同じようなはなしでどれもいやなDV描写で終わる。続けて読むと胸焼けしそうでちびちびと読んだ。 無職の暴力男とけなげな中年女の組み合わせというと、業田良家の『自虐の詩』を思い出させるが、読んでいる最中には、まったく思い浮かばなかった。なぜこんなにも違うのだろう。

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2022/05/06

西村賢太の私小説作品には秋恵の存在がとても重要である。彼の作品の大半に登場する彼女。罵詈雑言、常に殴られ蹴られて、貫多の凶暴性の引き立て役にある。悲しいけど。 極論、秋恵無しでは多くの物語も生まれなかっただろうし、もしかしたら彼がこれ程まで世に知れ渡る作家になることもなかったかも...

西村賢太の私小説作品には秋恵の存在がとても重要である。彼の作品の大半に登場する彼女。罵詈雑言、常に殴られ蹴られて、貫多の凶暴性の引き立て役にある。悲しいけど。 極論、秋恵無しでは多くの物語も生まれなかっただろうし、もしかしたら彼がこれ程まで世に知れ渡る作家になることもなかったかもしれない。秋恵に感謝せい! そして先日、作者である西村賢太氏が急逝した。とても残念でならない。ご冥福をお祈りする。秋恵はきっと清々しているだろうけど。

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2019/04/25

相変わらずの素晴らしきマンネリ、北町貫多&秋恵シリーズ。2人のかみ合わない同居生活の中、寛多が自分勝手に憤怒して幕を引く短編集。内1作は小説家として成功した寛多、つまり現在の著者の身辺報告。 寛多の爆発を誘発する起爆剤としては、金魚の飼育、古本店主との会話、居酒屋での外食などな...

相変わらずの素晴らしきマンネリ、北町貫多&秋恵シリーズ。2人のかみ合わない同居生活の中、寛多が自分勝手に憤怒して幕を引く短編集。内1作は小説家として成功した寛多、つまり現在の著者の身辺報告。 寛多の爆発を誘発する起爆剤としては、金魚の飼育、古本店主との会話、居酒屋での外食などなど。毎回、これだけのネタを用意できる作者に感心。 で、これらをきっかけに発生する理不尽な怒りを秋恵へのDVで発散させる寛多。フェミニストが読んだら卒倒しそうな展開ばかり。特にタイトル名の短編は非道すぎるが、それらを笑えるかが西村賢太作品を読み続けることができるかの登竜門だ。

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2017/05/05

西村氏の貫多シリーズは、秋恵との同棲以前以降とでその味わいが分かれるという私見。以前以降であれ、主人公の貫多の癇癪と自責の念の揺れ具合がなんとも味わい深いところではあるのだけど、伴侶的な存在の秋恵の存在により、それが絶妙に描かれる。その意味で秋恵が全編出てくる本作は当然五つ星。

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2016/05/17

相変わらずの西村節炸裂。 自分が人格者だとか、聖人君子だとか思ったことはないが、こんな酷い男よりはましだよなあ、と冴えない自分を庇護するには最高な作品。 これって、TVバラエティーで見かける汚いオカマとかと同じで、自分より蔑める存在を見ると安心するというわけだ。

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2015/09/19

余りにも黙り込み続けているので、目を開けたまま寝ているのではないかと疑った程の緘黙。西村賢太氏が母校で初めて課外授業に立つというのに、アイデアの方は全く出てこない。結局、児童自らのダメ体験を書くという陳腐な案が終着点となる。著者は謙遜するが実は大変イイ授業であった。私小説の素晴ら...

余りにも黙り込み続けているので、目を開けたまま寝ているのではないかと疑った程の緘黙。西村賢太氏が母校で初めて課外授業に立つというのに、アイデアの方は全く出てこない。結局、児童自らのダメ体験を書くという陳腐な案が終着点となる。著者は謙遜するが実は大変イイ授業であった。私小説の素晴らしさを広く伝え、大きな意義があったと思う。授業後の感傷の確認作業も非常に良かった。二度は戻ることはないと捨て去った生育地の、長年心の奥に引っかかっていた残影を綺麗に押し流す。新たな小説のスタートに立ち決意を固める。果て無き挑戦の意気込みに頗る熱いものを感じた。

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2015/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいて、こんなに胸くそが悪くなる作品はあるだろうかというくらいイライラする。女性にDVをするとは如何なものか。小説という事で余計にムカムカ、イライラ。久しぶりにこのシリーズを読んだが貫太の成長のしてなさに呆気にとられてしまった。結局、共依存の成れの果てがこの2人なんだろうが…なんだか、やるせない気持ちになる。

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