アンダー、サンダー、テンダー の商品レビュー
「私」は、韓国の北、軍事境界線に近い坡州(파주시)で育った。寒さが厳しい土地だが、今は出版都市などが出来て、マンションが林立している。学校に通うバスにいつも乗る同級生のソンイ、スミ、ミヌン、チャンギョムを中心として、当時の思い出と現在のできごとをそれぞれ「私」のビデオ(ナレーショ...
「私」は、韓国の北、軍事境界線に近い坡州(파주시)で育った。寒さが厳しい土地だが、今は出版都市などが出来て、マンションが林立している。学校に通うバスにいつも乗る同級生のソンイ、スミ、ミヌン、チャンギョムを中心として、当時の思い出と現在のできごとをそれぞれ「私」のビデオ(ナレーションと会話)と一緒に並べたような小説。当時の韓国の高校生の様子が垣間見れる。現在、映像関係で働く「私」は、あるできごとで心が壊れた時があった。
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自分は社会の一構成員に過ぎない。 同じような人間はいくらでもいて代わりがきく。 皆10代の早い段階からそう悟ってるようだった。 だからといって投げやりになるわけでもなく、淡々と学んだり働いたり遊んだりしていて、大人。 友達は好きだけどこの場所は嫌 考え方には賛成しないけど幸せを...
自分は社会の一構成員に過ぎない。 同じような人間はいくらでもいて代わりがきく。 皆10代の早い段階からそう悟ってるようだった。 だからといって投げやりになるわけでもなく、淡々と学んだり働いたり遊んだりしていて、大人。 友達は好きだけどこの場所は嫌 考え方には賛成しないけど幸せを願う など、全肯定でも全否定でもない気持ちを当たり前に受け入れて 生活している姿がとても好きで、読んでいて安心できた。
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ぼんやりと読み進めて読み終わった。風景を眺めているような感じで読んでいた。韓国社会での若者のありようが一見、ポップに描かれているけど、その重だるい感覚が感じられる。若い頃の軽いようでどこか淀んで、重だるいあの感じ、上手に描いているなと思う。最後に映像を撮る描写がとても生きているな...
ぼんやりと読み進めて読み終わった。風景を眺めているような感じで読んでいた。韓国社会での若者のありようが一見、ポップに描かれているけど、その重だるい感覚が感じられる。若い頃の軽いようでどこか淀んで、重だるいあの感じ、上手に描いているなと思う。最後に映像を撮る描写がとても生きているなと思った。
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なかなかにヘビーな事件が起きてるのに、湿り気がなくサラッとした文体で書かれているので、スルスル読めた。 「フィフティ•ピープル」同様、セランさんはどうやってこの複雑な登場人物たちを思いつき、なぜ共感できなくても友だちになりたいと思うくらい暖かく描けるんだろう。 もっとこういう話を...
なかなかにヘビーな事件が起きてるのに、湿り気がなくサラッとした文体で書かれているので、スルスル読めた。 「フィフティ•ピープル」同様、セランさんはどうやってこの複雑な登場人物たちを思いつき、なぜ共感できなくても友だちになりたいと思うくらい暖かく描けるんだろう。 もっとこういう話を読みたい。
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個人的には、チョン・セランさんの作品は2本目。 面白いですー。 にしても、韓国は生きづらいぞ! 日本もなかなかだけど、もっとキツい気がする。差もあるし。 伊坂幸太郎のサブマリン(少年犯罪が関係する話)を読んだ後で、若い人たちの生きる環境は、どちらも厳しいと強く思ってしまった。う...
個人的には、チョン・セランさんの作品は2本目。 面白いですー。 にしても、韓国は生きづらいぞ! 日本もなかなかだけど、もっとキツい気がする。差もあるし。 伊坂幸太郎のサブマリン(少年犯罪が関係する話)を読んだ後で、若い人たちの生きる環境は、どちらも厳しいと強く思ってしまった。うう。 他の作品も読みたいと思う作家さん。
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「アンダー、サンダー、テンダー」http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/74 … 読んだ。ティーンの恋愛話が前半、喪失と再生が後半。と要約できて何もない。久々に超絶つまらなくて読み進めるのが苦痛だったがわたしは途中でやめられないので...
「アンダー、サンダー、テンダー」http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/74 … 読んだ。ティーンの恋愛話が前半、喪失と再生が後半。と要約できて何もない。久々に超絶つまらなくて読み進めるのが苦痛だったがわたしは途中でやめられないので苦行が時間だけが続いた。ジュブナイルなんだろな。中学生にはいいかも(おわり
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はあああああエモい!!!いま30代の方々が読むと余計にエモいんじゃなかろうか。舞台は韓国だけど、作中に出てくる映画や流行りモノなんかは日本でも馴染みがあるものが結構あって、そのあたりも親しみやすさを感じる。私はこんなにたくさんの友達と一緒に過ごした青春時代ではなかったけれど、それ...
はあああああエモい!!!いま30代の方々が読むと余計にエモいんじゃなかろうか。舞台は韓国だけど、作中に出てくる映画や流行りモノなんかは日本でも馴染みがあるものが結構あって、そのあたりも親しみやすさを感じる。私はこんなにたくさんの友達と一緒に過ごした青春時代ではなかったけれど、それでも「あのころ」の匂いを、「なじみのある匂いだけれど、名前を知らない(p.302)」匂いを感じることはできる。 忘れられない人がいて、忘れてしまう人がいて、思い出す人がいて、思い出したくない人がいて。風にのってときどき、その人たちの匂いが鼻腔をかすめるときがある。それが懐かしさってやつなのか、なんなのか、わからないし定義したらいけない気がするから、「エモい」とだけ言っておく。最高のエモ小説です。
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友情、諍い、恋、喪失、その他の名づけ得ないもの。個性的な仲間たちの間に結ばれた関係、焼きつけられたすべての思い出の強烈さが眩しいほどに羨ましく、読みながら心臓が痛くなった。『トラベリング・パンツ』や『ガールズ』シリーズみたいな、昔好きだったYA小説を思い出す。90年代版の『サニー...
友情、諍い、恋、喪失、その他の名づけ得ないもの。個性的な仲間たちの間に結ばれた関係、焼きつけられたすべての思い出の強烈さが眩しいほどに羨ましく、読みながら心臓が痛くなった。『トラベリング・パンツ』や『ガールズ』シリーズみたいな、昔好きだったYA小説を思い出す。90年代版の『サニー 永遠の仲間たち』という感じのところもある。
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国境の町で、オンボロバスに乗って高校へ通う6人の若者の物語。反目、失恋など、スタンダードな青春小説をなぞるように始まり、後半は成長した6人のその後を描く。 総じて苦く、鬱屈しており、出口の見つからない彼ら世代の状況が描かれる。弱さがそのまま描かれ重いが、小気味のよい会話文がマイナ...
国境の町で、オンボロバスに乗って高校へ通う6人の若者の物語。反目、失恋など、スタンダードな青春小説をなぞるように始まり、後半は成長した6人のその後を描く。 総じて苦く、鬱屈しており、出口の見つからない彼ら世代の状況が描かれる。弱さがそのまま描かれ重いが、小気味のよい会話文がマイナスを中和している。 タイトルがおもしろい。原題は、韓国の編集者が付けた「これくらい近くに」というらしいが、「アンダー、サンダー、テンダー」の方が断然良い。アンダー~の意味は終盤に知れるが、その場面はほのかな感動がある。気鬱な世代たちの打開の可能性が感じられ、印象的。
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