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鏡映反転 の商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2022/01/17

第1章 鏡の中のミステリー 1 鏡映反転 2 即席の説明 3 古代の学説 4 鏡の光学的な性質 第2章 さまざまな説明 1 移動方法説 2 左右対称説 3 言語習慣説 4 対面遭遇スキーマ説 5 物理的回転説 第3章 鏡映反転を説明する 1 さまざまな鏡像 2 手がかり 3 ...

第1章 鏡の中のミステリー 1 鏡映反転 2 即席の説明 3 古代の学説 4 鏡の光学的な性質 第2章 さまざまな説明 1 移動方法説 2 左右対称説 3 言語習慣説 4 対面遭遇スキーマ説 5 物理的回転説 第3章 鏡映反転を説明する 1 さまざまな鏡像 2 手がかり 3 光学反転 4 表象反転 5 視点反転 6 多重プロセス理論 第4章 説明を検証する 1 実験のあらまし 2 「視点反転」対「表象反転」 3 調査 4 否認者 5 別解釈の検討 6 反転鏡 7 「視点反転」対「表象反転」:結論 8 「視点反転」対「光学反転」 9 「表象反転」対「光学反転」 10 三種類の鏡映反転 第5章 理解を深める 1 表象反転 2 視点反転 3 光学反転 第6章 他説を反証する 1 「鏡像と重なる」という説明 2 物理的回転説 3 左右軸劣後説 第7章 科学的解決と社会的解決 おわりに

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2021/08/25

鏡を自分の姿を見たときに、左右や奥行きは 逆転しているのに、何故上下は逆転しないのか? という疑問を突き詰めた一冊。 確かに言われれば不思議な気もするが、説明しようと するとなんとも難しい。なんとこれといった定説は なく、プラトンなどの哲学者や科学者がこれまで 説明しようとし...

鏡を自分の姿を見たときに、左右や奥行きは 逆転しているのに、何故上下は逆転しないのか? という疑問を突き詰めた一冊。 確かに言われれば不思議な気もするが、説明しようと するとなんとも難しい。なんとこれといった定説は なく、プラトンなどの哲学者や科学者がこれまで 説明しようとしてきたが、納得いくものはなかったという。 本編ではその内容を解説してくれているのだが、 正直、自分の頭では理解しきれなかった。 すごく実験は丁寧なのだが、結局何が問題と なっているのかが、どうにもつかめなかった。 曰く、「光学反転」「表象反転」「視点反転」の 三つのプロセスが絡み合っているから、ややこしく なっている、ということのようだが、そんなに 複雑なことなんだろうか、という印象しかなかった。 個人的には「光学反転」の説明にある、鏡が 表面に垂直な方向だけ像を光学的に反転させる、 というところで、あーそういうものかな。 あとは見た目で混乱しているだけで、別に普通の ことなのかな、ぐらいにしか感じなかった。 作中にでてくる実験は興味深く、全然知らない文字なら 反転しているように思うのか、鏡が床にあったら どう感じるのか、そもそも左右が反転していないと 感じる人達もいるらしいぞ、など、バラエティに富んで いるのだが、それらが自分の中でまとまらないまま、 結局なんだったのかよくつかめなかった。ショボン・・・ というかあとがきでサラッと書かれていたが、 作者は慢性疲労症候群に20年以上悩まされたらしく、 この研究も自分を鼓舞するための試金石としての 実験だったらしい。こんなめんどくさい実験を 病の身で・・・!?それの方が驚き。研究者ってすごいなぁ。

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2017/09/18

「何故、鏡に映ると反転するのか?」この単純な疑問が過去から現代に至るまで長らく論争を繰り広げており、かつ現時点でもその明確な答えが出ていないことに関して驚きを隠せなかった。しかし、この単純な問題が何故現代に至るまで解かれていないのか、この本を読み進めていくことによってこの問題の奥...

「何故、鏡に映ると反転するのか?」この単純な疑問が過去から現代に至るまで長らく論争を繰り広げており、かつ現時点でもその明確な答えが出ていないことに関して驚きを隠せなかった。しかし、この単純な問題が何故現代に至るまで解かれていないのか、この本を読み進めていくことによってこの問題の奥深さを知ることが出来た。この本の筆者が行きついた答えは、鏡映反転というものは三種類の反転の組み合わせの違いによってもたらされるものであるというかなり斬新なものであった。でも、確かに文字の反転と身体の反転は同じようで違う。そして、最初は疑いの念が強かったこの説も本を読み進めていく上でその通りかもしれないと感じるようになっていった。何より面白かったのはこの現象が物理的現象ではなく心理的現象(認知心理学)によってもたらされるという点であった。確かに文字の反転とかは自分の頭の中に思い浮かべた文字との違いから反転を認識している(表象反転)。内容は中々難しく、一回読んだだけでは理解できてない部分は多々あるが、それでも心理的現象にもたらされる現象ではないかという考え方を享受出来た点において、中々価値のある内容だったのではないかと感じている。

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2016/08/25

これは面白い、鏡に映る像がどう見えるのか、それはなぜかは、光学反転、表象反転、視点反転という三つの多重プロセスによってもたらされることを論理的に説明し、データによって論証するもの。いや〜、鏡は深い。

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2016/04/21

なぜ鏡に映ると左右が反対になって見えるのか。上下は そのままなのに、なぜ左右だけが反転するのか。この本 を見た時、考えてみれば簡単に答を出せない問題である ことにハッとして早速読んでみることに。すると、何と その答は未だに定説を得ていないというではないか。 どんどん興味が湧き出し...

なぜ鏡に映ると左右が反対になって見えるのか。上下は そのままなのに、なぜ左右だけが反転するのか。この本 を見た時、考えてみれば簡単に答を出せない問題である ことにハッとして早速読んでみることに。すると、何と その答は未だに定説を得ていないというではないか。 どんどん興味が湧き出し、さぁいよいよこれから本題、 というところで書いてあった一文で、私のこの本に 対する興味は一気にトーンダウンしてしまった。その 一文とは「鏡はその表面に垂直な方向だけを反転する」 というもの。これを読んで、鏡映反転に対して私が 持っていた疑問のほとんどが、あっという間に氷解して しまった。鏡は左右を反転させたりはしない。考えて みれば当たり前の話だ。私が右手を挙げれば、鏡に 映った私が挙げているのも右手だ。ただ、私はそれを 前後逆に、つまり裏側から見ているということなのだ。 それでは上下が反転しないのは当然である。 この本は、だが、そこから先の話を扱っている。それは 「なぜ人はその前後逆になった映像を見て、左右が反転 していると考えてしまうのか」という問題だ。すなわち それは脳内のお話であり、認知心理学の分野である。 これでもかという丁寧な実験のおかげもあり、面白い 内容にはなっているのだが、私にとっては蛇足のような ものだったかな(失礼)。

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2016/04/14

読み始めた当初は物理的な話だと思っていたので、途中で混乱した。 なぜ、鏡に映った◯◯を見て、右と左が反対になっていると「思う」のか、あるいは反対になってないと「思う」のか、のお話。 最後まで読んでみても、正直、これってそこまでのめり込んで研究して知りたい話かな…と、気持ちがついて...

読み始めた当初は物理的な話だと思っていたので、途中で混乱した。 なぜ、鏡に映った◯◯を見て、右と左が反対になっていると「思う」のか、あるいは反対になってないと「思う」のか、のお話。 最後まで読んでみても、正直、これってそこまでのめり込んで研究して知りたい話かな…と、気持ちがついていかなかった。

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2016/02/24

鏡に見える自分の見え方、見方がこれだけ人それぞれなのかと。みんな自分と同じなのかとばかり思い込んでいた。まずそこに驚く。 左右の不確かさ。揺らぎにも驚く。 脳みその中でどう判断してるんだろ。けっこう適当なのは分かった。

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2016/02/15

[くるりんぱの怪]答えを知っているようで知らない、「なぜ鏡の中では左右が反転して見えるのか」という問いを糸口とし、鏡映反転という現象を解明しようと試みた作品。プラトン以来、数多くの哲学者や物理学者が挑んでは破れてきた身近な謎をめぐる科学ミステリーです。著者は、認知科学を専門とし、...

[くるりんぱの怪]答えを知っているようで知らない、「なぜ鏡の中では左右が反転して見えるのか」という問いを糸口とし、鏡映反転という現象を解明しようと試みた作品。プラトン以来、数多くの哲学者や物理学者が挑んでは破れてきた身近な謎をめぐる科学ミステリーです。著者は、認知科学を専門とし、東京大学大学院で教鞭をとられている高野陽太郎。 まず、鏡をめぐるこの問題に対する明確な解が、未だに存在していないという指摘に驚き。本書の概要を見て「あ、これ絶対に面白いタイプの本でしょ......」と感じて購入したのですが、その第一印象を軽々と超えてくる興味深い議論の数々に、知的好奇心が絶えず興奮と喜びを覚えた読書経験になりました。それにしても世の中には意外と知らないコトってたくさんあるもんなんだなぁ......。 評者は子どもの頃、「鏡は左右を反転する」と説明されて、「いや、でも左腕は左に見えて右腕は右に見えるじゃん」と思っていたのですが、そう認識する理由もしっかりと解説されており、個人的な思い入れが(意図せずして)深い一冊になりました。ちなみに、基礎知識がまったくなくても、ところどころページを行き来しながら十分に読み通すことができる難易度だと思いますので、興味をお持ちになった方には迷わずオススメしたい作品です。 〜そもそも、光学反転とうのは、純粋に物理的な現象ではなく、形態認知という心理的なプロセスがはたらいてこその現象なのである。〜 そして著者の「おわりに」がまったく本論とは異なる意味で素晴らしい☆5つ

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2016/02/06

とても身近で自然の事のように受け入れている事が、実はそんなに単純な事ではなかった。右と左、視点反転、光学反転、???、全く不思議。

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2015/12/11

非常に興味深かった。時間をかけて読むだけのことがある、刺激的な一冊だ。 まず驚くのは、鏡に映ると左右反対になる理由には定説がないと書かれていることだ。そして読み出すと、ページを追いながらずっと、その理由にここまで複雑な説明が必要なのか?という疑問が頭を離れない。これは著者もそう...

非常に興味深かった。時間をかけて読むだけのことがある、刺激的な一冊だ。 まず驚くのは、鏡に映ると左右反対になる理由には定説がないと書かれていることだ。そして読み出すと、ページを追いながらずっと、その理由にここまで複雑な説明が必要なのか?という疑問が頭を離れない。これは著者もそう書いているし、おそらく読者の多くが思うことではないだろうか。読み終えて、論理的に、また実証的に説得されながら、それでもなお、もっと単純なことではないのかなあという思いをぬぐい去ることができないのであった。 そもそもわたしは「鏡に映ると左右反対になる」という言明がいまいちしっくりこない。だってそのまま映ってるじゃん。ただ、時計とか文字なんかは確かに逆に見える。となると、あまり違和感がないだけで、人間の姿も逆になってるってことかなあ…、という感じに(漠然と)思ってきた。 だから最初のあたりは、議論の前提にのれない感じがあった(特に第3章1「さまざまな鏡像」は納得できない。これは後述)のだが、第4章で「鏡映反転を否認する人」というくだりが登場して、俄然熱心に読む気になった。私と同じく「鏡に映ってる自分は別に左右反転してないし」と思う人は結構いるというのだ。「反転してる」と言う人にも「そういうことになってるから」という理由を挙げる人がいる。これはどういうことなのか。 著者の考えた「多重プログラム」理論は、鏡映反転には三種類あって(詳しい説明は省くが)、人などの場合の「視点反転」と、文字などの「表象反転」とは別の原理による現象だとする。他の理論では説明できないことが、確かにこの理論ではうまく解釈できる。私のような「否認者」がいる理由も説明がつく。簡単に言うと、鏡像に視点を移動させる人とさせない人の違いだ。ここの説明はとても面白く、なぜそうなるのかという考察の中で、「右と左」について示唆に富んだ考え方が示されている。こういう、日常的なごく当たり前のことを厳密に考えてみるプロセスを目の当たりにするのは、本当に面白く、ワクワクする。著者の説明はいたって丁寧だ。 最初に書いたように、全面的に納得!というわけではないのだけれど、読み返したり、引っかかりを整理したりしているうちに、じわじわこれが正解なのかという気がしてきた。誰かこういうことに興味のある人をつかまえて議論してみたくなる。そういう気持ちになる良書だと思う。 ・第3章「さまざまな鏡像」で、「鏡に映ると上下が反転する場合もある」「反転しているかどうかわからない」例の写真があげられているが、実物が示されていないのはおかしい。文字の場合であっても、「反転している」という判断は、通常あくまでその実物に照らしてするものだろう。実物が逆さまの字であれば、「上下反転している」とは言わないのでは。 ・第5章で、カーブミラーに映った自動車の例が出てきた。わたしはこのカーブミラーを見るのがすごく苦手で、いつも混乱してしまうのだが、その理由がこれでわかった。視点移動は自動車に対しても起こりやすく、私の場合それが中途半端で視点をどっちに置いているのかわからなくなるのだろう。 ・「おわりに」に、著者が長年慢性疲労症候群に苦しめられてきたことが書かれている。症状はかなり重く、しかも20年という長期にわたって、闘病生活を送ってきたそうだ。大学の教員という職業柄、その苦労は並大抵のものではなかっただろう。私の友人の息子さんがやはりこの病気と診断され、高校二年生から三年近くほぼ寝たきりだったらしい。幸い彼は快復し、今年同級生から四年遅れて大学生になった。そのことを思い合わせ、しみじみと銀色の(鏡のような)本を眺めたのだった。

Posted byブクログ