海戦の歴史大図鑑 の商品レビュー
原題は“Battle at Sea : 3000 Years of Naval Warfare”。著者はR.G.Grant (翻訳) 山崎 正浩 (日本語版監修) 五百旗頭 真 / 等松 春夫 日本語版の本書は創元社より2015年8月に第1版が発売された。翻訳者のあとがきの...
原題は“Battle at Sea : 3000 Years of Naval Warfare”。著者はR.G.Grant (翻訳) 山崎 正浩 (日本語版監修) 五百旗頭 真 / 等松 春夫 日本語版の本書は創元社より2015年8月に第1版が発売された。翻訳者のあとがきの一部を紹介すると、『「海戦の歴史大図鑑」は「海における戦い―3000年の海軍の戦争―」という英語の原題が示すように、有史以来人類が行ってきた「海の戦いの通史」である。―中略― これまで我が国の出版界には海の戦いの包括的な通史が存在しなかった。その欠落を埋めるのが本書であり、上述の諸文献と本書を併せ読むことによって読者は「世界の海戦史の中の日本」を感じとれるであろう』と述べている。とにかく図版が豊富で、ヴィジュアルな構成で個々の海戦を解説しているので、拾い読みでも楽しめる本である。 以下に大目次を紹介する。 第1章 ガレー船時代 B.C.1200年~A.D.1550 第2章 帆走軍艦と帝国 1550年~1830年 第3章 蒸気機関と装甲 1830年~1918年 第4章 航空母艦、潜水艦、ミサイル 1918年~現代 第1章では地中海での海戦に限らずアジアの項(中国、日本、朝鮮)もあり、“壇ノ浦の戦い”なども載っている。 第2章が最もページ数が多く主な項目は“日本と朝鮮”“海洋帝国”“英蘭戦争”“太陽王の海軍”“バルト海をめぐる海戦”“英海軍の発展”“ネルソンの時代”“19世紀初期の海戦”とあり、それらが更にいくつかの項目に分かれている。 第3章では“ヨーロッパの新しい海軍”“南北アメリカの海軍”“大日本帝国海軍の台頭”“第1次世界大戦”の項目となっている。ここでは帆装木造艦から動力装甲艦への過渡期の海戦と近代の海戦を知ることができる。(第4章については帆船が出てこないので省略) 馴染みのない地名の海戦でも小さな地図が付いているので、いちいち地図帳を調べなくとも良い。また索引がしっかりしているのも便利である。ほとんどの海戦に彼我の戦力・損害の比較表が付いている。 たまたま立ち寄った書店の店頭で見かけ興味を持ったが、15、000円+税をみて躊躇した。しかしキットを買うことを思えば、それ程ではないと考え直し購入した。本のサイズは30.7㎝×26.0㎝、360ページ、重さ2.2㎏の大冊である。(佐藤憲史)
Posted by
- 1