昭和を語る 鶴見俊輔座談 の商品レビュー
図書館で借りて読む。鶴見の死去直後の2015年刊行。 それから8年が過ぎた。元号も令和になり、もう5年目。昭和どころか、今や平成という時代も遠き時代となりつつある。そうした中で、戦後の日本で、思想的な側面において時代を作っていった鶴見のような存在が、人々の中から失われてしまってい...
図書館で借りて読む。鶴見の死去直後の2015年刊行。 それから8年が過ぎた。元号も令和になり、もう5年目。昭和どころか、今や平成という時代も遠き時代となりつつある。そうした中で、戦後の日本で、思想的な側面において時代を作っていった鶴見のような存在が、人々の中から失われてしまっていることを実感しながら読んだ。
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昌文社 鶴見俊輔 昭和を語る 羽仁五郎 開高健 司馬遼太郎 中沢新一 などとの対談集。敗戦と戦争を振りかえる対談テーマが多い。アジアへの加害者目線の対談は、富岡多恵子と吉田満 だけ 鶴見俊輔は 人口減少により 個人の幸福度を高める戦後社会を目指しているようすだが、戦後...
昌文社 鶴見俊輔 昭和を語る 羽仁五郎 開高健 司馬遼太郎 中沢新一 などとの対談集。敗戦と戦争を振りかえる対談テーマが多い。アジアへの加害者目線の対談は、富岡多恵子と吉田満 だけ 鶴見俊輔は 人口減少により 個人の幸福度を高める戦後社会を目指しているようすだが、戦後の経済拡大を 戦中の植民地拡大として 危惧するのは違和感がある アジア統合のため 膨張した日本と アメリカの子分(アジア拠点)とするために 日本を緩く占領したアメリカとの差が はっきり出ている 言葉が凄い 羽仁五郎 「フィレンツェは陸軍なくして国を守り、ヴェネツィア は海軍なくして繁栄した〜国を守るためにすぐ軍隊と言うやつはルネサンス以前の思想〜(その後侵略されても)平和を守って滅びるということは、国民の最大の名誉だ」 「昭和20年8月15日〜日本の革命の機会があった。この機会を逃したのだから、次の機会をつかむしかない〜8月15日が戦後の全てであり、戦後のすべてがそこで決定された。あとは次の8月15日がいつくるかだ」 開高健 「だけど爽快だった、焼け跡は〜嵐のごとき一夜が過ぎて一切合切何もかもなくなって〜おそろしかったけれど爽快だった」 司馬遼太郎 「日清戦争に勝ったといっても、李鴻章の私軍〜李鴻章の政治的利害判断で敗北を認めただけ 日露戦争も七割は政略によってであり〜ペテルプルグを陥したわけではない しかし勝ってからの空疎な自己肥大は病的なものだった」
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Ⅳ 戦争体験 「敗戦体験」から遺すもの 司馬遼太郎 「戦後」が失ったもの 吉田満 戦後史の争点について ── 鶴見俊輔氏への手紙 粕谷一希 戦後の次の時代が見失ったもの ──粕谷一希氏に答える 鶴見俊輔 https://www.shobunsha.co.jp/?p=362...
Ⅳ 戦争体験 「敗戦体験」から遺すもの 司馬遼太郎 「戦後」が失ったもの 吉田満 戦後史の争点について ── 鶴見俊輔氏への手紙 粕谷一希 戦後の次の時代が見失ったもの ──粕谷一希氏に答える 鶴見俊輔 https://www.shobunsha.co.jp/?p=3622 https://ameblo.jp/yasuryokei/entry-12746459991.html
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20160710 日本人としての思想、主義について基準になる考え方は何か?そんな時に鶴見俊輔の名前がよくてで来たのでまとめ物を、よんでみる事にした。だいぶ時間がかかったがとりあえず読み終えた事でしばらく時間をおく事にする。
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保守的懐疑主義。保守的立場からの反戦・平和思想の追求。左や右という表層的な区分を超えて、「態度」や「人柄」そして「生き方」に伝統や価値を見出す事が出来るか否か。自民党を礼賛しているのは真の保守主義ではないという事は確かだろう。現代に通じるものはあるものの、戦後20~50年の時事問...
保守的懐疑主義。保守的立場からの反戦・平和思想の追求。左や右という表層的な区分を超えて、「態度」や「人柄」そして「生き方」に伝統や価値を見出す事が出来るか否か。自民党を礼賛しているのは真の保守主義ではないという事は確かだろう。現代に通じるものはあるものの、戦後20~50年の時事問題の対談メインなのでちょっと内容的に古いし、話も脱線するのが難点。
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今年の7月20日に著者の鶴見俊輔氏が永眠されました。 あまり著者の本を直接読んだことはないのですが。 はじめて対談集という形ですが読んだ感想としては 兎に角この人はかっこいいということ。 孤高の巨人。しっかりとした岩床の上に立ち (少なくともそのうえに立っていない人を信用せず...
今年の7月20日に著者の鶴見俊輔氏が永眠されました。 あまり著者の本を直接読んだことはないのですが。 はじめて対談集という形ですが読んだ感想としては 兎に角この人はかっこいいということ。 孤高の巨人。しっかりとした岩床の上に立ち (少なくともそのうえに立っていない人を信用せず) 物事の本質を追求していく姿勢。 今の政府や世間の流れの中で、彼の存在がもし 機能していればどうなっていたか。 彼の批評として何を言うのか。何を問うのかを聴いて みたいと思いました。 途中難解な部分もありますが、司馬遼太郎との対談。 富岡多恵子氏との対談。羽仁五郎との対談。 吉田満氏との対談。中沢新一氏との対談がいいと 思います。 そのうちでも、粕谷一希氏との書刊のやりとり と中島岳志の解説がとても秀逸です。 とにかくかっこいい人だと思います。
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