算数・数学教育と数学的な考え方 復刻版 の商品レビュー
本書の内容は大きく2つに分けられる。前半では、戦後から初版が発行された昭和56年までの日本の数学教育の歩みを「数学的な考え方」「創造的」「統合的発展的」といったキーワードを軸に振り返る。後半では、特に「統合的発展的」「関数の考え」の視点から諸単元や研究授業の分析を行う。 特に...
本書の内容は大きく2つに分けられる。前半では、戦後から初版が発行された昭和56年までの日本の数学教育の歩みを「数学的な考え方」「創造的」「統合的発展的」といったキーワードを軸に振り返る。後半では、特に「統合的発展的」「関数の考え」の視点から諸単元や研究授業の分析を行う。 特に前半部分は、現在でも大切にされているような(むしろ、PISAショックや、学習指導要領改訂によって、あたかも最近になって出てきた課題のように扱われている)「数学的な考え方」等の概念が、かなり昔から大切にされてきたということが分かる。自分のような、数学教育についての知見がまだまだ浅い人であっても、この部分に目は通しておくと、学習指導要領を読んだりするときに、その背景が見やすくなると思う。 本書の、特に後半の実践事例等では小学校段階での指導が例示されることが多いが、そのエッセンスは中学校での指導(特に「比例と反比例」→「1次関数」→「関数y=ax^2」を互いに関連付けて指導するようなとき)に大いに役立つと思う。学習指導要領改訂を機に、その考え方の大切さと歴史に触れてほしい。
Posted by
子どもが学習内容を自ら獲得する創造的な学習、統合としての発展。統合的発展的考察の言葉を導入した中島先生の著書。 数学の教師として、心がけることを教えてもらった。読んで良かった。
Posted by
- 1