劉邦(下) の商品レビュー
あとがきをよんで納得 筆者の「香乱記」を読んで劉邦が嫌いだ、と思った。この本の後書きで筆者は「筋が通らない劉邦は嫌いだった。」とあり納得した。 しかし、司馬懿が裏切りったとき「われはあなたを裏切ったかもしれないが、国家を裏切ったわけではない」といったことから、劉邦を再評価したこと...
あとがきをよんで納得 筆者の「香乱記」を読んで劉邦が嫌いだ、と思った。この本の後書きで筆者は「筋が通らない劉邦は嫌いだった。」とあり納得した。 しかし、司馬懿が裏切りったとき「われはあなたを裏切ったかもしれないが、国家を裏切ったわけではない」といったことから、劉邦を再評価したことに納得した。ただ、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」から育ったので神秘的な劉邦はちょっと首をかしげた。人物の過去、思考を重視するので速読には向かず、戦闘シーンは北方謙三と真逆でさらっとしすぎているので、星一つ減らして星4つとしました。個人的にはこの本の醍醐味は「香乱記」を読んだ後、本書を読み、後書きを読むことでさいこうのあじがでるということです。では。
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最後になって〝先生〟っぽくなちゃった。史記にはこう書いてあり,漢書にはこうかいてあるが,どういうことか判断つかないってね~楚は趙を救いに秦の1/10の兵で向かいこれを撃破し,碭に留まっていた劉邦にも征西の要請が届く。劉邦は,まっすぐ北へ向かわず,北の昌邑を攻めるが果たせず,酈食其...
最後になって〝先生〟っぽくなちゃった。史記にはこう書いてあり,漢書にはこうかいてあるが,どういうことか判断つかないってね~楚は趙を救いに秦の1/10の兵で向かいこれを撃破し,碭に留まっていた劉邦にも征西の要請が届く。劉邦は,まっすぐ北へ向かわず,北の昌邑を攻めるが果たせず,酈食其の手引きで陳留に招かれる。開封から白馬へ進み,潁川郡と張良と再会を果たし,兵数は2万に,南陽で3万に,宛で7万5千に達する。南に迂回し,胡陵から武関に進み,
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
★2015年10月14日読了『劉邦(下)』宮城谷昌光著 評価C 上巻、中巻とシリーズを読んできて、最終の下巻。結論から申し上げるとガッカリ。この劉邦シリーズは、最初からいつもの宮城谷氏の熱い思い入れが感じられないままに3巻目に突入だった訳ですが、最後まで平坦にただ粛々と話が続いて、終了!という印象。 その理由は、あとがきに宮城谷氏自身が書いている「劉邦のすじの通らない」ところが嫌いというごく当たり前の個人的感情とすじの通った項羽の個人の強さに抗して、遂には天下を勝ち取ったのは、劉邦を支えた家臣団の集団の力を書いてみたかったということに原因があったと分かる。彼が自信の裏返し?で、その集団の魅力を書けたかどうかは自信はないと書いているが、残念ながら描けていないからつまらなかった、中途半端に終わったと私は感じた。 宮城谷氏の作品は、北方謙三氏の熱い男の物語とは対極の作風をもち、戦いの場面などなくても、登場人物の熱い生き方、思いを描き出して、作中人物が生き生きと動き出す宮城谷マジックがその持ち味。ぜひ次の作品で復活させて欲しいと思う。 強国秦を倒した項羽と劉邦は、天下取りに向けて激烈なつばぜり合いを開始、劉邦は体良く巴、蜀、漢中の王として項羽により左遷されてしまう。しかし、劉邦は武力に頼り、人を大切にして人々の安寧な生活を目指さない項羽に天下騒乱を収める力がないと見て、項羽と対決して天下取りに乗り出すために関中に兵を挙げる。人徳のない項羽は、次第に人が集まる劉邦たちに押し込まれ最後は敗北。劉邦は天下を取ることとなる。
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司馬遼太郎の項羽と劉邦を読んでいないので、評価し辛い。項羽の人柄は、分かった。中国の大軍の戦いは、凄まじい。実際は、どんなものだったのか。虞美人との章は、万城目学の悟浄出立が良い。
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劉邦という自分を著者なりに分析し、理解し、消化している。劉邦はある意味で、単純であるように見えて、理解しにくい点がある。漢帝国の建設という偉業を達成できたのは、国家に平和と安定を求める才能ある人々が劉邦と言う乗り物をうまく利用したのかもしれない。
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楚漢戦争、ここに集結! 己を超えし者が生き残る―― 天下をめぐる項羽との決戦は最終局面・垓下の戦いへ。 二人の男がぶつかる時、中華全土に閃光が走る! 秦王の降伏を受け、劉邦は秦の都・咸陽に入る。しかし、項羽によって劉邦は巴、蜀、漢中の王として左遷されることに。項羽と天下を争うこと...
楚漢戦争、ここに集結! 己を超えし者が生き残る―― 天下をめぐる項羽との決戦は最終局面・垓下の戦いへ。 二人の男がぶつかる時、中華全土に閃光が走る! 秦王の降伏を受け、劉邦は秦の都・咸陽に入る。しかし、項羽によって劉邦は巴、蜀、漢中の王として左遷されることに。項羽と天下を争うことを決意した劉邦は、関中へ兵を挙げる! 自らの信念を曲げた劉邦の真意とは? 項羽の命運やいかに。 「天がわれを滅ぼそうとしているのであって、戦いに罪があったわけではない」
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漢の高祖の物語の最終巻。 残念ながら、楚漢戦争のダイジェスト版という感じが拭えないです。 基本的に劉邦視点なので、項羽以外の深堀はされていません。 虞姫のエピソードも唐突で、戦場に同行する愛妾のエピソードもちゃんと入れておいてほしかったです。 さらに、項羽の死で楚漢戦争は終わる...
漢の高祖の物語の最終巻。 残念ながら、楚漢戦争のダイジェスト版という感じが拭えないです。 基本的に劉邦視点なので、項羽以外の深堀はされていません。 虞姫のエピソードも唐突で、戦場に同行する愛妾のエピソードもちゃんと入れておいてほしかったです。 さらに、項羽の死で楚漢戦争は終わるわけですが、タイトルが劉邦なのだから、劉邦が死ぬまで、できれば死後の漢帝国のドタバタまでは描いてほしかったです。
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項羽の死で終わった。 途中は結構いろいろ華やかで最後に作者も語っているが、劉邦は突出した才能の持ち主ではなかったが、人を引きつける魔力というものがあったようだと言うことは否定できないことで本当に中心核のような人物であったことは間違いないです。 現在の世の中ではそんな人はいることは...
項羽の死で終わった。 途中は結構いろいろ華やかで最後に作者も語っているが、劉邦は突出した才能の持ち主ではなかったが、人を引きつける魔力というものがあったようだと言うことは否定できないことで本当に中心核のような人物であったことは間違いないです。 現在の世の中ではそんな人はいることはいるが事象を間違えた方に引っ張ってしまう人が多い。成功に導いた人の一人かもしれない。ただ本位は断片しか書かれていないが、2代目皇帝の時には皇后の呂氏の専横が酷かったようだ。まあ中国だからやることが普通じゃない。項羽もそうだけど、それは現代にも通じる。 毛沢東の文革などを見ても明らか。 ただそこで終わっちゃったので盛り上がりにちょっと欠けるので星3つ。
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劉邦を描いた三部作終の巻は、息つく暇もないほどの密度で展開された戦記であった。これぞまさしく楚漢戦争であろう。 劉邦という人を思うと、やはり即位後が簡略にさえ記されなかったところは物足りなさを感じる人も多いだろう。儒教の取り入れと、乱れた治世。あるいはこれは彼の没後ではあるが...
劉邦を描いた三部作終の巻は、息つく暇もないほどの密度で展開された戦記であった。これぞまさしく楚漢戦争であろう。 劉邦という人を思うと、やはり即位後が簡略にさえ記されなかったところは物足りなさを感じる人も多いだろう。儒教の取り入れと、乱れた治世。あるいはこれは彼の没後ではあるが、呂皇后の戚夫人への陰惨極まる処刑など、エピソードとしては面白いものがあまりに多い。 だが、紙面の限界を思えば、これでさえよく詰め込んだものだとも言える。戦記としては本当にダイナミズムに富んだ内容を豊かな筆致で描いているし、そこで描かれた鋭さは読み応えのあるものだった。 評価が難しいところだが、ここでは星五つと評価したい。 シリーズとしては優れたものであったと思う。こうしてまた再び濃密な物語が読めるようになって、宮城谷作品のファンとしては嬉しいかぎりだ。
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