世界から猫が消えたなら(2) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 一日を生きるために何かを一つ消さなければならない時生。そんな彼に悪魔は“花”を消すことを求めてくる。今まで花など贈った事がなかった時生だったが、これが“最後”となった時、様々な想いが駆け巡る…。淀川との恋、亡き母への想い、飼い猫キャベツへの愛情、読めばきっと心に何かが残る最新刊。 【感想】 主人公はひとつ、またひとつと、世界からものを消して、自分の命を延ばしていっている。しかもそのものは、主人公にとって思い出の詰まった大切なものばかり。それをわかって、悪魔はそのものを消せばいいと、意地悪く提案してくるのだ。嫌な奴だ、と思った。見た目は主人公と瓜二つなのに、性格や言動は意地悪この上ない。でも、消すと決めたその日、主人公はその日一日だけそのものを使うことができて、その大切さや、それがかけがえのないものであったことに気付くことができる。それは、悲しいことだけれど、とても大切なことでもあったと思った。主人公はあとどれくらい、生きられるのだろう。
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