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チャップリンとヒトラー の商品レビュー

4.3

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

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2023/09/03

“私は独裁者たちの人生についての喜劇映画を作る。それが、世界中にとても健康的な笑いを生み出すだろうことを望んでいる。”(p.125)チャールズ・チャップリン  わずか4日違いで生まれた、喜劇王チャップリンと独裁者ヒトラー。一見全く違う2人にはある共通点があった。特徴的なちょび髭...

“私は独裁者たちの人生についての喜劇映画を作る。それが、世界中にとても健康的な笑いを生み出すだろうことを望んでいる。”(p.125)チャールズ・チャップリン  わずか4日違いで生まれた、喜劇王チャップリンと独裁者ヒトラー。一見全く違う2人にはある共通点があった。特徴的なちょび髭と、メディアを自在に操る天才的な力である。 チャップリンは全体主義の危険性を、それが形成されつつある初期の段階から見抜いていた。全体主義化に警鐘を鳴らすべく製作に取り掛かった『独裁者』だが、 反ナチス、反ファシズムを題材にした映画の製作に対し、ドイツの同盟国をはじめ多くの国から反対の声が上がる。 そのような状況で自らの信念を曲げずに映画制作を進めたチャップリンの姿が勇ましい。 チャップリンがここまで映画というメディアでの表現に命を燃やしていた人物だったのかということに驚いた。 著者は日本チャップリン協会会長であり、チャップリンが歩んだ経歴や『独裁者』以前の作品でのエピソードなども書かれていてとても読み応えがあった。

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2022/06/10

知らなかったのですが チャップリンとヒトラーは  4日違いに生まれたそうです。 同じ歳 同じ星座でも  こんなにも 性格が違うのですね~~(まぁ当たり前ですが) 見た事がありませんが  「独裁者」という映画を作ったのが 第二次大戦の頃とはとても驚きです。 戦時中にこのような映...

知らなかったのですが チャップリンとヒトラーは  4日違いに生まれたそうです。 同じ歳 同じ星座でも  こんなにも 性格が違うのですね~~(まぁ当たり前ですが) 見た事がありませんが  「独裁者」という映画を作ったのが 第二次大戦の頃とはとても驚きです。 戦時中にこのような映画を作るとは。 日本に来た時も 暗殺されそうになったチャップリンですが この「独裁者」という映画を作る事で 暗殺されそうになったそうです。 命をかけてまで 作った映画。 一度は見ないといけませんね。 ラストの 演説のシーンは you tubeなどでも見られます

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2022/04/21

愛国心は恐ろしいものである 映像は編集などが入る以上どうしても毒になり得る⇒だからこそ受け身で信じるのではなく能動的に参与しなくてはならない

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2021/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦 著者 大野裕之 岩波書店 2015年6月25日 発行 9月ごろに読んだ本。 著者は1974年生まれで、10年以上前に仕事でお会いした時にはすでに、若くして世界屈指のチャップリン研究家と言われていた。京都でミュージカル劇団も主宰している。 最初に著者は「本書は二人の伝記ではない。本書は、チャップリンとヒトラーの〈闘い〉を描く。」と宣言している。1889年に4日違いで生まれた2人は、20世紀でもっとも愛された男ともっとも憎まれた男になった。この本を読むまで、チャップリンの「独裁者」は喜劇というビジネスと多少の正義感で作られたように思っていたが、実は違った。ヒトラーはチャップリンという存在を警戒し、妨害をはかっていったことが読んでわかった。相当やばい状況まで追い込まれたが、決して屈せず、独裁者を作り抜いたチャップリンの姿が描き出されている。それにしても、反ヒトラーのアメリカですら、チャップリンを邪魔し、「赤」扱いするというのは示唆するところが多い。 非常にすぐれた本だった。

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2021/02/11

同年に生まれた喜劇王チャップリンとヒトラーは、世界に対する表現行動から見ると対照的であった。本書は、主にチャップリンの『独裁者』が生まれるまでの創作過程を綿密に追うことで描いている。20世紀の2つの大戦をつなぐ時代にキャリアの成長期を経験した二人は、自分が世界に何をもたらしうるか...

同年に生まれた喜劇王チャップリンとヒトラーは、世界に対する表現行動から見ると対照的であった。本書は、主にチャップリンの『独裁者』が生まれるまでの創作過程を綿密に追うことで描いている。20世紀の2つの大戦をつなぐ時代にキャリアの成長期を経験した二人は、自分が世界に何をもたらしうるかについて、深く考え、実際に大きな影響を及ぼしたわけだが、そのベクトルは異なる向きであり、表現活動は対立せざるをえなかった。 本書は、最近「どこまで言って委員会」で露出の増えた大野氏の、芸術創造に関する学術の香りが漂う力作だと思う。クリエーターという人種が、一つの作品を作るためにどれだけ熟考を重ね推敲を繰り返し努力するものなのか、というのが手にとるようにわかる。

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2020/12/12

チャップリンの映画『独裁者』を端的に表現したカバ-イラストに目を惹きつけられる、日本チャップリン協会会長の著作です。チャップリン(イギリス生まれ)とアドルフ・ヒトラー(オーストリア生まれ)は僅か4日違いで生まれ、ともに芸術家志望という共通点がありましたが、欧州制覇の野望に燃えた独...

チャップリンの映画『独裁者』を端的に表現したカバ-イラストに目を惹きつけられる、日本チャップリン協会会長の著作です。チャップリン(イギリス生まれ)とアドルフ・ヒトラー(オーストリア生まれ)は僅か4日違いで生まれ、ともに芸術家志望という共通点がありましたが、欧州制覇の野望に燃えた独裁者ヒトラ-に勝利したのは、チャップリンのユ-モアでありました。1940年製作の映画『独裁者』をめぐる隠された逸話の数々が披露されており、映画ファンには大へん興味深い読み物です。日本初公開は戦後15年経過した1960年でした。

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2020/08/20

チャップリンまじかっこいい。 頭良すぎるし、勇気あり過ぎる。 チャップリン的に生きたい。 何度も読み返したい本です。

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2019/12/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 録画したまま放置していたNHK歴史秘話ヒストリア「五・一五事件 チャップリン暗殺計画」を視る。コメントを述べる大野裕之氏の背後に本書の背表紙が見える。俄然 読みたくなる。  長らくチャップリンはユダヤ人だと誤解していた。それは異父兄シドニーの方で、彼本人はロマ系だった。  もう一つ、ヒトラーは小柄だと思い込んでいた。少し前にフランコと並んだ写真を見て、意外に長身だと思っていた。175センチだから、欧米人なら普通の部類だろう。  上記二つの誤解は一にかかって「チャップリンの独裁者」に拠るものだ。  他の大野氏の著書などで、我らが黒澤明をしのぐチャップリンの完全主義に接していたが、改めて思い知る。ここまで妥協しない姿勢は空前にして絶後だろう。  わずか4日違いで生まれた喜劇王と独裁者は、ともに映像と音声の新興メディアを活用し、頂点へ駆け上がってゆく。そして前者は後者に致命傷を負わせる。  当初の構想では、独裁者に間違えられた床屋の演説に感動した兵士らのリアクションが描かれ、撮影もされている。そのままでは物語は閉じてしまう。演説は映画的構成の破綻を怖れず、第四の壁を超え、観客に向けて語られる。  「独裁者」の公開後、ヒトラーが人前で演説する回数が激減したのは数字の上で明らか。「笑い」の勝利だ。  兄シドニーが撮影したという撮影風景のカラー映像、いつか観てみたいものである。

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2019/05/19

チャップリンとヒトラーの人生と運命の交錯、偶然、様々な角度から2人を比較するのは興味深かったです。 キャラクターイメージを全世界に行き渡らせたメディアの王様チャップリンと、イメージを武器にメディアを駆使して権利を持ったヒトラー。 この比較は今後も様々な形で存在し続けることを心に...

チャップリンとヒトラーの人生と運命の交錯、偶然、様々な角度から2人を比較するのは興味深かったです。 キャラクターイメージを全世界に行き渡らせたメディアの王様チャップリンと、イメージを武器にメディアを駆使して権利を持ったヒトラー。 この比較は今後も様々な形で存在し続けることを心に留めておきたいと思います ★3.5 2019/5/19

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2018/12/09

・チャプリンはキャラクターイメージの概念を発見した人物。肖像権確立させた。 ・トーキーに対抗するために「街の灯」全般にみずから作曲した音楽と効果音をつけて「サウンド版」として公開した。チャーリが声を出した瞬間にそれまでのイメージを壊してしまうから。 ・世界旅行中にしたためた「経済...

・チャプリンはキャラクターイメージの概念を発見した人物。肖像権確立させた。 ・トーキーに対抗するために「街の灯」全般にみずから作曲した音楽と効果音をつけて「サウンド版」として公開した。チャーリが声を出した瞬間にそれまでのイメージを壊してしまうから。 ・世界旅行中にしたためた「経済解決論」と題した論文でヨーロッパ通貨統合を唱えてその通貨を「リーグ」と名付けていた。 私は独裁者たちに関する映画製作を断念したという間違った新聞報道のためにはっきりと述べておきたい。 ・「私は、この映画を作るというもとの決心から揺らいだことはない。私がこのアイデアを諦めたという類の報道は、過去・現在、そして未来においても、どんなものであれ真実ではない。私は、脅迫、検閲、その他について心配していない。私は独裁者たちの人生についての喜劇映画を作る。それが、世界中にとても健康的な笑いを生み出すことを望んでいる。」 →当時アメリカの世論調査で反ユダヤ主義90%財界はナチスに投資し親ファシズムとも言える国だった ・ヒトラーがパリ入城を果たした翌日、チャプリンはあの演説のシーンに臨んだ。

Posted byブクログ