陸軍中野学校実録 決定版 の商品レビュー
著者は中野学校1期生という経歴。著者と思われる一人の情報将校・久村の動向を中心に小説仕立てで書かれている。選抜試験の凄さや天皇制に対する自由な討議に関する記述はなく、他の中野学校関連書籍でのイメージと違う印象を受けた。本書の中心は久村が中野卒業生として赴任した中国大陸での特殊任務...
著者は中野学校1期生という経歴。著者と思われる一人の情報将校・久村の動向を中心に小説仕立てで書かれている。選抜試験の凄さや天皇制に対する自由な討議に関する記述はなく、他の中野学校関連書籍でのイメージと違う印象を受けた。本書の中心は久村が中野卒業生として赴任した中国大陸での特殊任務だ。中野卒業生に対する一部の陸軍上層部の無理解のために、謀略作戦が無に帰するのみならず、中国人の反日感情を激化させることになった。もし中国で反共工作が成功していたら……そんな詮無いことを想像してしまった。
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一つ一つの諜報活動についてもう少し詳細に知れるかと思ったが、前半の中国の活動以外は漠としていて残念。 あと特殊な謀略訓練を受けているにもかかわらず、後半の活動のほとんどは計画通りにいかず、結果的に目的を達成して満足、というなんだかお粗末な結末だったのも残念。もちろん敗戦に向かって...
一つ一つの諜報活動についてもう少し詳細に知れるかと思ったが、前半の中国の活動以外は漠としていて残念。 あと特殊な謀略訓練を受けているにもかかわらず、後半の活動のほとんどは計画通りにいかず、結果的に目的を達成して満足、というなんだかお粗末な結末だったのも残念。もちろん敗戦に向かって時局が悪くなったので仕方なしの面もあるが。
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家が近いこともあり、昔から中野警察学校は知っていましたが、こんな形で始まってるのは知りませんでした。興味深く読みました。日本閣が閉館したのは寂しい
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都市伝説のように扱われてきた、陸軍中野学校の実像を垣間見る。 サブカル本の近くにあったこと、参考文献がないので歴史書とはまた違うジャンルとして受け取った。 かつてスパイに興味があったので、実際はどんなものかわかるかもしれない。という動機から手に取った。 他の近現代史でも言われ...
都市伝説のように扱われてきた、陸軍中野学校の実像を垣間見る。 サブカル本の近くにあったこと、参考文献がないので歴史書とはまた違うジャンルとして受け取った。 かつてスパイに興味があったので、実際はどんなものかわかるかもしれない。という動機から手に取った。 他の近現代史でも言われているが、日本は世界に比べて諜報、インテリジェンスが出遅れている。 中野学校や卒業生の扱いからそれがわかる。 戦局を誤った原因の一つと言われているが、本書のエピソードからも、なるほどと思えた。 それと、諜報活動中の中国の人たちとの出会いは、ただの敵味方や騙し騙される関係ではなく、お互いを認め合い尊敬しているのだなぁと感じた。 外国から最も恐れられた…とネットでよく言われているのは都市伝説で後付けされたものが結構あるということも、なんとなくわかった。 戦時中の日本軍の話なので、大義名分のもと都合の良い捉え方をしている部分も確かにある。 日本だけでなく外国の内戦や独立運動の影で武器や資金を提供する外国が今でもあるが、これと似たような動きをどこもやっているのだなぁと感じた。歴史は繰り返している。
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