日付変更線 The Date Line(下) の商品レビュー
ハワイに移住した日系二世で組織されたアメリカ軍の442部隊に志願し参戦したニック・サトウの人生を知ろうとする孫娘マナ。 戦争とは、人生とは、神とは、愛とは、家族とは。運命に導かれ巡り会う壮大なストーリー。 戦争シーンは心が痛む
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★2015年9月12日読了『日付変更線(下)』辻仁成著 評価A+ 上巻で伏線として準備されたアイテムが非常に緻密に上手な物語で結びつき、最後に向かって収束していく。サスペンス的な要素を持ちながら、日系人の米軍部隊での置かれた厳しい立場とそこにいた日系2世たちの葛藤と死という歴史的な真実を織り込みながら、現代と過去を行き交う物語。素晴らしい出来映えです!!一読をお勧めします。これは新刊本を買って読んでも損はないです。 初めて読みましたが、辻仁成。ただ者ではない才能を秘めていますねえ。(今頃と言われそうですけれども。。。)他の作品も読んでみたくなりました。 ハワイの日系2世のロバート、ニック・サトー、ヘンリー・サカモトの3人は、マッキンレー高校の同級生。日系2世たちは、故国アメリカのため、日系人の名誉回復のために、従軍を志願し、442部隊として ヨーロッパ戦線へ投入される。 70年後、ニック・サトーの孫、マナは、祖父の散骨のためにハワイを訪れる。そこで、偶然ロバートの孫、ケイン・オザキと出会う。そこから始まる死んだ筈だったニック・サトーのヨーロッパ戦線での生き残りの秘話の謎解きとなぜ故郷ハワイへ帰れなかったのか?その謎解きの過程で明らかになる悲惨な日系人442部隊の過酷な現実。 さらには、意外な展開で結びついてくるニック・サトーの70年前の絵を基にした宗教狂信集団の存在とマナの思い人だった後藤清春の生存と真実。
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第二次世界大戦下の日系二世の青年たちに恋、苦悩をげんだいと交差させながら描く。 多くのテーマ、材料を抱えながら、それらが違和感なく詰め込まれ、物語の幅と奥行きを広げ、深めている。 こうして小説の形で読むことで、改めて戦争の悲惨さ、理不尽さを腹に落とすことができる。 史実をなぞって...
第二次世界大戦下の日系二世の青年たちに恋、苦悩をげんだいと交差させながら描く。 多くのテーマ、材料を抱えながら、それらが違和感なく詰め込まれ、物語の幅と奥行きを広げ、深めている。 こうして小説の形で読むことで、改めて戦争の悲惨さ、理不尽さを腹に落とすことができる。 史実をなぞっている訳ではないんだろうけれど、歴史の教科書などで「こういうことがありました」と知るのとは、全く違った迫力と温度を伴って心に迫ってくる。 上下巻のボリューム、全然長くない。
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