電子ネットワーキングの社会心理 の商品レビュー
インターネット以前のパソコン通信時代(1993年発刊)の社会心理学的研究なので、少し内容は古いが、今でも妥当する論は多い。 この時代、主に帯域幅の狭さとインターネット・インフラ上でないので、カスタマイズ度が低いことが制約になっている。 気になった記述 ・社会的なコミュニケーシ...
インターネット以前のパソコン通信時代(1993年発刊)の社会心理学的研究なので、少し内容は古いが、今でも妥当する論は多い。 この時代、主に帯域幅の狭さとインターネット・インフラ上でないので、カスタマイズ度が低いことが制約になっている。 気になった記述 ・社会的なコミュニケーション構造の変化 *フローの多様化、増大 *フローの即時化、タイムシフト性 *フローからストックへ *フロー方向の双方向化(編集性。発信の大衆化、平等化) ・レディメイドメディア→カスタマイズメディア ・受信するメディア→発信できるメディア(アマチュア化されたメディア) ・本には携帯性、一覧性、保存性、信頼性といった利点がある。 ・コミュニケーションにおけるコンピュータの位置づけ *メディアの電子化によって、対話をスピーディに、また、情報を共有化している *情報処理の補助、記憶の補助 *コンピュータとの対話(情報検索、シミュレーション) *さらに、コミュニケーション(新規人脈開拓、人脈維持、発信型)、インフォメーション(マスメディア的、電子会議室的)、トランザクションの3つがある。 ・積極性を求められるメディアがコンピュータ・コミュニケーション ・新聞の読者欄に応募しても採択率は低いが、ネットなら誰かの目に触れる可能性はある(反面、利用者にエディターシップが求められる) ・システムとしては一つのメディアであっても、使い方によって様々なメディアとしての「顔」を持つ。 ・いつでも利用できるということは、いつ利用されるか確定することができないことを意味している。…リセット性もあるか? ・コンピュータコミュニケーションというメディアの特性として、発言者に次の選択が任されている。 *会話のモード(対人的配慮、非言語情報の盛り込み) *自己関与度 ・4つの電子会議室の分析(国際交流、ジャーナリズム、アニメ、コンピュータ)…自己提示、感情表出、意見表出、フォーマル性 ・コンピュータ・コミュニケーションの世界でのコミュニケーション行動の適応のあり方は、電子メディアそのものの特性に大きく依存しているばかりではなく、「会議の場」の状況性、あるいはその会議室の「文化」にも大きく左右される。 ・ガンパート「さまざまなメディアが空間的な制約を取り除いて、対人コミュニケーションの範囲を拡大・分散した今日、人間同士の話し合いに<同じ場所にいる>という条件が不要になったことも、まことに明白な事実である」(『メディアの時代』) ・P161の利用料金。2万円ぐらいは払うのだ! ・同じ電子会議システムを利用していても、マスメディア型にも、雑誌型にも、あるいはネットワーク型にも変化しうる。 ・メディアのイメージは意見が割れている。P181~ ・メディアの変容は、語りかける相手、語り口、語る内容にまで変化を促した。まじめな思考を軽い会話体で。
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インターネットの発達によって「電子コミュニティ」なるものが生まれた。 このコミュニティ内では、お互いの顔は見えず、匿名性が確保されている。 こういった新しい形でのコミュニケーションは我々の生活にどのような影響を及ぼすのか非常に興味深い点である。
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