医療否定本の嘘 の商品レビュー
がんの「放置療法」を提唱してミリオンセラーとなった近藤本に、真正面から反論した本。腫瘍内科医の著者は、正しい知識を手に入れることの大切さ、良い医療者を味方につけ、良いコミュニケーションをとることの大切さを説いています。前作よりも、構成や見出しが一般人向けにわかりやすいです。近藤本...
がんの「放置療法」を提唱してミリオンセラーとなった近藤本に、真正面から反論した本。腫瘍内科医の著者は、正しい知識を手に入れることの大切さ、良い医療者を味方につけ、良いコミュニケーションをとることの大切さを説いています。前作よりも、構成や見出しが一般人向けにわかりやすいです。近藤本に惑わされそうになったら、読み比べるべき本です。
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ミリオンセラーとなった「近藤誠」の書籍の間違いや矛盾点を解説。 ミリオンセラーで広められた誤った知識を修正するには、このような本が一人でも多くの人に手にとってもらうことが解決策になるのかな。
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ミリオンセラーを出されてきた、現役大学病院の医師(近藤氏)が書かれてきた本を何冊も読んできました。彼の本を読むたびに、世の中で言われている「癌」には、「癌モドキ」が多く、早期発見で治療を始めても副作用などの弊害の方が大きいと信じるようになりました。 この本は、それに真っ向から対...
ミリオンセラーを出されてきた、現役大学病院の医師(近藤氏)が書かれてきた本を何冊も読んできました。彼の本を読むたびに、世の中で言われている「癌」には、「癌モドキ」が多く、早期発見で治療を始めても副作用などの弊害の方が大きいと信じるようになりました。 この本は、それに真っ向から対立する本で、普段通っている図書館で偶然見つけて手に取ってみました。この本の著者である勝俣氏は、近藤医師のことをよく知っている様で、彼の良い点を指摘したうえで、患者さんを迷わている例をとりあげなから解説しています。 本を読んでわかったことは、抗ガン剤はこの10年で進歩していて副作用のないものも多く出てきている、抗がん剤の効果がある癌と効かない癌がある、抗がん剤の使い方を理解していない医師が日本には多い、の三点でした。今後、勝俣氏の主張されている事も受け入れていこうと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・80年代から90年代にかけては、しっかりしたエビデンス(科学的根拠)もなくても薬がどんどん承認された暗黒の時代であった、クレスチン、UFT、ピンバニールの3つが代表例(p18) ・がんもどき自説の欠点は、がんもどき、に相当する、放っておいても進行しないがん、を最初から見分けることができないこと(p25) ・実際の癌は、進行しない癌、と、積極的治療を行っても治療・延命できない癌の間に、2種類(放っておくと死に至るが治る癌、治療難しいが延命できる癌)がある(p29) ・ほとんどの癌は、初回治療から5年経過すると再発しなくなるので、5年生存率が治療率の目安となる(p37) ・がん検診が有効な癌は、進行が早過ぎず遅すぎないマイルドなスピードの癌、それが、乳がん・大腸がん・子宮頸がん・肺がん・胃がん(p42) ・がんの進行度は、T分類(大きさ)、N(リンパ節転移の程度)、M(転移の程度)によって、0,1,2,3,4のステージに分けられる(p52) ・早期がんで、「待つ」ことが許されているのは、前立腺がんのみ(p55) ・最善の治療を行う3要素は、科学的・医学的データ、医師の専門性、患者さんの希望価値観(p68) ・がんを放置していることが怖くなって、末期がんビジネスにはまってしまうケースもある(p81) ・癌は大きく分けて、血液がん・固形がん、に分かれるが、血液がんは抗がん剤が良く効く(p86) ・抗がん剤の副作用は、脱毛・吐き気・白血球減少がある、白血球減少時に感染症を起こすと命にかかわる(p115) ・日本で初めて、腫瘍内科、という講座が医科大学にできたのは、2000年を過ぎてから(p119) ・日本では、消化器や呼吸器など、外科と内科が分かれている診療科の癌は、消化器内科医・呼吸器内科医が癌治療を行うが、乳がん・婦人科がん・泌尿器がんなど、内科が無い領域では、外科医が抗ガン治療をおこなうのが一般的(p122) ・抗がん剤の吐き気を抑える有効な「制吐剤」が開発されたことで、最近では吐く患者さんはまれになった(p125) ・抗がん剤治療中の一番の注意点は、手洗いをしっかりすること(p128) ・この20年で進んできた、分子標的薬は、癌細胞のなかの増殖や転移にかかわる分子をターゲットにする。遺伝子変異に対する分子標的薬が開発されて治療成績を上げている(p131) ・早期発見、早期治療で癌をごそっと取り除いて治すという時代は、実は20年ほど前に終わっている(p133) ・すべての医療情報は、エビデンスレベルによってランク付けが可能。(p141) ・余命告知はよく行われるが、実は当たらない。あたったのは36%程度、国立がんセンターの研究(p193) 2015年10月4日作成
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