軌道学園都市フロンテラ(下) の商品レビュー
面白く読んだけれど、やっぱり最後まで詳しい状況はよくわからないままだった。 選挙制度のことやら、大学がある宇宙衛星みたいなとこの仕組みとか双子であることの意味とか、主人公のルームメイトがやってた実験のこととか。 いろいろ盛り込みすぎじゃないか。 シリーズ化できるくらいじゃない?
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アメリカの作家ジョーン・スロンチェフスキ、2011年発表のSF小説。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。良いです。 22世紀初頭、アメリカ合衆国オハイオ州に所属する衛星軌道上のコロニー型学園都市フロンテラを主な舞台とした物語。地球は温暖化の進行で危機的な状況になっており、更に宇...
アメリカの作家ジョーン・スロンチェフスキ、2011年発表のSF小説。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。良いです。 22世紀初頭、アメリカ合衆国オハイオ州に所属する衛星軌道上のコロニー型学園都市フロンテラを主な舞台とした物語。地球は温暖化の進行で危機的な状況になっており、更に宇宙から飛来した、巨大ウィルスという感じの原始的な生物が突然変異を繰り返し爆発的に繁殖、有毒ガスを出すことから脅威となっています。アメリカではキリスト教原理主義政党中心党と世俗政党統一党の2大政党が覇を競っており、大統領選挙が間近です。 主人公は統一党の大統領を何人も輩出している名家の跡取娘、ジェニー、徹底したエリート教育を受けて来た少女で、将来の大統領候補と目されています。しかし軽い精神障害があり人前でスピーチが出来ません。また双子の兄を洪水で亡くし、そのために精神的に不安定になり自傷行為を繰り返したという過去を持ちます。 地上の危機や脅威とは無縁と思われたフロンテラの大学に進学するジェニー、しかしそこに集うのは奇人変人ばかり、更に老朽化したフロンテラは様々なトラブルを抱えており・・・。 登場するキャラたちがとても魅力的。主人公は名家のエリートなんだけれど好感の持てる頑張り娘、宿舎のパートナーは全身義体のアスペルガー、親友となるのは地球から追放されたフランス娘で病的なハッカー、恋人はアーミッシュ・・・。ドタバタコメディーをベースにしながらも、政治、環境、宗教と幅広い現代的なシリアスな問題に真正面から向き合い、更に生物進化の問題もかなり深く探求、感銘を受けます。素晴らしい作品です。
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下巻。 SFとしてはファーストコンタクトものに分類されるのだろうが、上巻同様、青春小説に近い。選挙に絡む騒動は喜劇的な要素も喜劇的で、ガチガチのSFという雰囲気は薄い。 上下巻を通して読むと、ややストーリーの展開が遅く感じられるところが引っかかるぐらいで、所謂『外来種』を連想する...
下巻。 SFとしてはファーストコンタクトものに分類されるのだろうが、上巻同様、青春小説に近い。選挙に絡む騒動は喜劇的な要素も喜劇的で、ガチガチのSFという雰囲気は薄い。 上下巻を通して読むと、ややストーリーの展開が遅く感じられるところが引っかかるぐらいで、所謂『外来種』を連想する知性体というアイデアや登場人物の造形が面白かった。この著者がきちんと邦訳紹介されるのは初めてらしいのだが、他の長編も読んでみたい。何処か出してくれないか……。
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軌道上ならではの予想を超える事件の連続に驚きつつ、生命科学ラボでの研究や無重力スポーツなどを通じて友人もでき、充実した大学生活を送るジェニーだが、一族が出馬する大統領選が近づき身辺が慌ただしくなる。一方、フロンテラにとって致命的なケスラーデブリ問題の陰で、母星安全保障省は不可解な...
軌道上ならではの予想を超える事件の連続に驚きつつ、生命科学ラボでの研究や無重力スポーツなどを通じて友人もでき、充実した大学生活を送るジェニーだが、一族が出馬する大統領選が近づき身辺が慌ただしくなる。一方、フロンテラにとって致命的なケスラーデブリ問題の陰で、母星安全保障省は不可解な動きをみせる。そして、閉鎖環境のはずのフロンテラになぜか侵入していた地球外生命体―― その驚くべき正体とは……。22世紀の宇宙コロニーを舞台に、科学と社会の未来、そして未知との遭遇を、困難を乗り越えていく少女の目を通して瑞々しく描く。
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