巨匠とマルガリータ(下) の商品レビュー
上巻で名前すら出てきてなかったマルガリータがいきなり全裸で大暴れするんで引いたんだけど、結局今も昔も人は自由と許しを求めて苦しんできたのかもなぁと思ったよ。 尚、ソ連では悪魔がいなくなろうとおじさん達が酷い目に遭い続ける…理不尽な社会……
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巨匠の書いた作品であるため、2,000年以上前のピラトゥスとヨシュア(イエスがモチーフ)の話も頻繁に挿入されるため、しっかりと時系列、人間関係、幻想なのか現実なのかを押さえながら読み進める必要がある。 訳者の水野氏の力なのか、はたまたオリジナルのブルガーコフの言葉選びがうますぎ...
巨匠の書いた作品であるため、2,000年以上前のピラトゥスとヨシュア(イエスがモチーフ)の話も頻繁に挿入されるため、しっかりと時系列、人間関係、幻想なのか現実なのかを押さえながら読み進める必要がある。 訳者の水野氏の力なのか、はたまたオリジナルのブルガーコフの言葉選びがうますぎるのかはわからないのだが、言い回しや言葉選びが非常に美しい。
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某氏がTwetterで絶賛していたので,読んでみた. 奇想天外なお話だが,あとがきを読んで,なーるほど,と納得.これは執筆当時のソ連の芸術弾圧,検閲を揶揄しているのね.
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モスクワに突如現れた悪魔ヴォラントは異常な乱痴気騒ぎを引き起こす。一方、エルサレムでは、総督ピラトゥスがイエス(ヨシュア)を処刑したことで苦悩している。 2つの時空をつなぐのは、「巨匠」の幻の作品である。モスクワに住む作家、通称・巨匠がピラトゥスの物語を綴っていたのだ。巨匠は作品...
モスクワに突如現れた悪魔ヴォラントは異常な乱痴気騒ぎを引き起こす。一方、エルサレムでは、総督ピラトゥスがイエス(ヨシュア)を処刑したことで苦悩している。 2つの時空をつなぐのは、「巨匠」の幻の作品である。モスクワに住む作家、通称・巨匠がピラトゥスの物語を綴っていたのだ。巨匠は作品が評価されなかったことで失意の淵に沈み、彼を支えていた恋人に告げぬまま、精神病院に入ってしまう。 その恋人こそが「マルガリータ」であることが下巻の冒頭で明かされる。 巨匠が忽然と消えたことに傷ついたマルガリータだったが、彼を忘れることはなかった。その彼女を、悪魔ヴォラントが召喚する。魔女となった「マルガリータ」は、一糸まとわぬ裸の姿で空を飛び、「巨匠」を苦しめた者たちに罰を与える。そして悪魔の開く大舞踏会の女主人として大勢の客をもてなす。 舞踏会の礼として、悪魔は彼女が一番欲しいものを与える。そしてまた、二千年もの間苦悩し続けるあの男と巨匠との仲立ちをするのもまた悪魔であった。 ロシア的マジックリアリズム。 物語はあらすじで想像するほど生易しくはない。あちらへ行き、こちらを彷徨い、時に淫靡で時に滑稽、ある時は重厚である時は馬鹿馬鹿しい。 「マルガリータ」はゲーテの『ファウスト』に登場する女性の名(マルガレーテ、別名グレートヒェン)を思い出させる。ファウストに弄ばれ、嬰児殺しで投獄されるが、最後まで神を捨てない。最終的にファウストが救われるのは彼女の祈りのおかげである。 本作のマルガリータは悪魔を「ご主人」と呼び、彼の願いにすすんで答える。だが、結局のところ、巨匠は彼女に伴われて、永遠の安らぎを手に入れるのだ。 全体に、神の影は薄い。物語を終始引っ張るのは悪魔だ。 巨匠が書く物語の中でも、処刑されるイエスは主人公ではなく、処刑する側のピラトゥスが主体である。 だが、無神論者を公言するベルリオーズは物語冒頭でこっぴどくやっつけられる。 逆に、神やイエスを信じるものを、実は悪魔が救っているようでもある。 猥雑で派手な騒ぎを引き起こしつつ、悪魔が去った後には、苦しんだ者たちに永遠の安らかな静謐がもたらされる。 つまるところ、本作では、悪魔は神の「代行」者なのか。 悪魔と神は表裏一体。神がいなければ悪魔も存在しえない。神を否定する者はまた、悪魔をも否定する者だ。それをいささか荒っぽい手腕で見せつけてやったというわけだ。 巨匠は色濃く、作者自身を思わせる。一度体制側に睨まれてからは、多くの作品が発禁処分となる。苛立ちや不安、絶望もあったろう。 幕切れで、巨匠とマルガリータが落ち着く場所は、作者の理想の「天国」のようにも思える。 作中で、絶望した巨匠は、一度は原稿を焼く。だがそれは悪魔により復活する。本作中最も有名な一節、 「原稿は燃えない」 それは生前、不遇であった作者自身の叫びのようにも聞こえる。 抑圧されても、発禁となっても、焚書の憂き目にあっても、原稿は、物語は、消えない。 灰となってもまた、不死鳥のように高く舞い上がる。 その力は時空をつなぎ、作者と読者とを直につなぐのだ。 不思議な感慨を呼ぶ1作。
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こんなときだから読むというのもどうかと思うけど、ちょうど積んでいたので。とはいえ内容としてはウクライナというよりロシア文学なはず。 さて、内容だけど、傑作。悪魔が主要登場人物であるだけにキリスト教への理解があった方がより深い読みができるとは思うけど、奇想天外な登場人物や出来事が次々と起こるのを追っていくのが単純に面白い。マルガリータが魔女になったときの堂に入りっぷりとかも。 でも結局巨匠とマルガリータの救いが死だったのは、巨匠がずっと作品を活字に残せなかった作者の写しだと思うと悲しい。
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トランプが舞い、血しぶきが飛び、恋する乙女は夜空を翔ける。 嗚呼、悪魔が主催する真夜中のサーカス!! って感じ。イマジネーションここに極まれり。 というわけでみんなで言おう! 「私に続け、読者よ」
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悪があるから善があるように、悪魔たるヴォランドが悪魔であるためには神と宗教が必要である。イエスを処刑したことを悔やむピラトゥスが救済されるように画策し、他方でヴォランドとその仲間たちは無茶苦茶に暴れ回る。ある意味とても悪魔らしい。 小説の続きを書くことでピラトゥスを救済したように小説に内在する力とそれに対する思いが伝わってくる。 ベゲモート可愛い。
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この作品が長い間陽の目を見なくて、死後だいぶ経ってから本国で大ベストセラー。当時の社会事情を記した歴史的な作品。そういう冠一切取っ払って、どうなの?どう思ってるのよ? 上巻も含め、自分はどうにも駄目だったよ。なんでかな、わからん。しかしそれ以上に他者の大喝采が自分にはわからん。...
この作品が長い間陽の目を見なくて、死後だいぶ経ってから本国で大ベストセラー。当時の社会事情を記した歴史的な作品。そういう冠一切取っ払って、どうなの?どう思ってるのよ? 上巻も含め、自分はどうにも駄目だったよ。なんでかな、わからん。しかしそれ以上に他者の大喝采が自分にはわからん。巨匠の書いた作品、キリスト処刑時のユダヤ総督ピラトゥスの苦悩だけが、自分には救いだった。なんか「僕僕先生」みたいな陽気な世界観が無理だった。
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下巻でやっとマルガリータを中心とした話が出てくる。最後の場面では巨匠とマルガリータが去っていくのであるが、エピローグには入っていない。
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悪魔たちが奇妙な魔術で旧ソ連のモスクワを混沌に陥れる物語。 第2部では、巨匠の恋人・マルガリータが登場します。 自由自在にモスクワの街中を飛び回る魔女、かつての罪人たちが集う悪魔の舞踏会…。巨匠とマルガリータは、悪魔の力を借りて世俗の不安を超越した自由を手に入れます。 たしかに抑圧的な社会に遠慮せず、本能のままに行動した彼らにこそその安楽は相応しいのかも。 壮大な冗談めいた現代とは対照的に、終始陰鬱な雰囲気の漂うエルサレムの物語が印象的。総督ピラトゥスを動かした、最大の罪、"臆病"こそ、キリストを処刑し、いまだに人類の歴史を動かしている原動力なのでしょう。
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