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新しい母・新しい姉・新しい隣人 の商品レビュー

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主人公の設定に捻りを加えつつも安定した作者らしさ

2010年のデビュー以来、ほぼ1年1作品のペースで上梓しながら昨年(2014年)は出なかったので1年8ヶ月振りの新作である。そして、それだけ待った甲斐のあった作品だった。 今回は主人公の設定が一風変わっており、里子として引き取られる形でヒロイン達と出会う始まり方である。確か...

2010年のデビュー以来、ほぼ1年1作品のペースで上梓しながら昨年(2014年)は出なかったので1年8ヶ月振りの新作である。そして、それだけ待った甲斐のあった作品だった。 今回は主人公の設定が一風変わっており、里子として引き取られる形でヒロイン達と出会う始まり方である。確かな年齢は定かでないが、作中の所々を見る限りではたぶん中学一年生くらいかと思われる。慣れない家で眠りにつけないところを里親としての母【志津子】が添い寝してあげたり、授乳のマネごとをしてあげたりするところは小学生と接しているようであり、かといって主人公自身の言動に小学生らしさは皆無なので、子供から大人になる途上(やや子供寄り)の少年といったところか。 そんな主人公だが、自覚があるのかないのか謎の悪魔少年といった趣である。過去にそれらしき経験を有したことを台詞1つでさらっと示す見事さがあり、他にも話の流れを説明するのは最小限に留める上手さを感じる。たっぷり残された紙面を官能描写にフル活用しているからである。 終盤に至るまでヒロインの視点で感情が描写されているので受身的な官能も実にいやらしく綴られる。思わぬ行動を取り始める主人公に戸惑いながらも幼さからくる可愛らしさもあって逡巡している間に昂らされ、乱れさせられ、絶頂に導かれ、果ててもなお続く抜かずの2回戦、3回戦へと至る描写は圧巻でもあり、衰え知らずな主人公を若さと片付ければ、その非現実性にも目を瞑って堪能できる淫猥さに満ちている。終盤から出てくる隣の未亡人【聡美】も含めて2人の熟女は総じて喘ぎはおろか情交時の台詞も少ないのだが、それが清楚で貞淑な魅力に繋がっていることもあって、台詞を多用した表面的な官能描写とは一線を画す巧みさを感じずにはいられないところである。 ただ、中盤から出てくる志津子の娘【理奈】を高飛車な女子大生にして毛色を分けつつ奥手な熟女達を鉢合わせる先導役にしているのは汲み取れるのだが、特に最初の威丈高な戯れからしおらしくなってしまうまでが性急だったこともあり、場合によっては居なくても良かったかな?と感じるところではあった。 里子としての境遇を最後に示して謎解きと主人公の言動に理由をきちんと与えつつ、憎めない少年を慈しむ女性陣という形にして読後感を良くしているのはさすがであり、シンプルな展開と濃厚な官能できっちり纏め上げた作品だったとしたい。

DSK