イエス の商品レビュー
とにもかくにも、イエスは一般論や倫理(の中身)を語ってない、今ここで決断を迫られる人間を語っている、らしい。 ……2013年流行語大賞のあの言葉が頭を過るのを必死に振り払いながら読みました(笑) しかし、八木先生の訳文を田川さんがチェックしたとは。何と言うか、贅沢な感じです。
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■『イエス』 ルドルフ・ブルトマン著 未来社 【後編2‐3 イエス路程】 史的イエスの白眉、ブルトマンによるイエス論。共観福音書を通じ、イエスの人性を追求しようとする聖書学の流れに待ったをかける。ブルトマンによると、福音書はどれもケリュグマ(イエスの宣教)であり、著者の信仰告白により描かれるイエスであるので、この文献から史的イエスにさかのぼるのは不可能ということである。史的イエスの研究における権威であると同時に、その流れにある意味で終止符を与えた一冊。既成の神学者には好まれないが、我々においては一読の要あり。 <イエス伝関連資料> ルドルフ・ブルトマン 『イエス』 田川建三 『イエスという男』 八木誠一 『イエス』 清水書院・人と思想シリーズ 遠藤周作 『イエスの生涯』 フランソワ・モーリヤック 『イエスの生涯』 など
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中級者向け。ある程度キリスト教の知識がなければ歯が立たないことだろう。私のキリスト教理解は格段に深まった。というよりは、むしろ「キリスト教の勉強に一区切りついた」と思わせるほどの内容であった。実際、本書を読んだ後で食指が動くキリスト教関連書は見つかっていない。 http://s...
中級者向け。ある程度キリスト教の知識がなければ歯が立たないことだろう。私のキリスト教理解は格段に深まった。というよりは、むしろ「キリスト教の勉強に一区切りついた」と思わせるほどの内容であった。実際、本書を読んだ後で食指が動くキリスト教関連書は見つかっていない。 http://sessendo.blogspot.jp/2012/06/r.html
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田川建三の『イエスという男』からブルトマンを読んでみた。 ハイデガーに影響を受けたというその新約聖書理解は実存主義的であり、神に対しての人間の責任を強く打ち出す。 神の前に要求することはかなわない、私達ができることは神が示すことに対しての返答、あれか−これかだけである。 歴史的に...
田川建三の『イエスという男』からブルトマンを読んでみた。 ハイデガーに影響を受けたというその新約聖書理解は実存主義的であり、神に対しての人間の責任を強く打ち出す。 神の前に要求することはかなわない、私達ができることは神が示すことに対しての返答、あれか−これかだけである。 歴史的に承認しうるイエスの言葉だけを頼りに紡ぎ出したイエス。そしてその示す神、信仰。 最後の一節が印象的だった。 『イエスが赦しをもたらすのは、言葉においてであってそれ以外ではない。イエスの言葉は果たして真理であるのか。イエスは果たして神につかわされているのか。 ― これが、聞き手のせまられている決断なのである。こうして、イエスの言葉が動かされずに残る。「私に躓かないものはさいわいである。」と。』 神学者としては物議をかもすような存在であったに間違いない。一考、うならされる。 08/12/18
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