Japanese death poems の商品レビュー
Death Poems.デスポエム。デスメタルならわかる(あんまりわかりたくない)が、ですポエムってなんだ? 日本語に訳すと「辞世の句」。あら、そうなのね。 というわけで、辞世の句を集めた本。だけど、洋書である。日本語は、句を詠んだ人名にのみ使われていて、辞世の句自体もロ...
Death Poems.デスポエム。デスメタルならわかる(あんまりわかりたくない)が、ですポエムってなんだ? 日本語に訳すと「辞世の句」。あら、そうなのね。 というわけで、辞世の句を集めた本。だけど、洋書である。日本語は、句を詠んだ人名にのみ使われていて、辞世の句自体もローマ字で書かれている。 たとえばこんな感じ。 Tan itto hechima no mizu mo ma ni awazu A barrelful of phlegm― even loofah water will not avail me now. 子規辞世三句の第二句である。 こうしてみると、やはり十七音の世界は美しく、英訳すれば無粋と言わざるを得ない…といいたいところだが、この本は一生懸命訳し、また詠み手によっては、その内容を解説したりもしている。そういう努力に、日本語じゃなければダメだと断ずることこそ無粋かもしれない。 英語はそれほど得意でないから、いちいち時間がかかる。けれど、じゃあ俳句がきちんと理解できているか。わかった気になりやすいのは俳句の方だ。英語でいちいち俳句の、しかも辞世の句の解説を読むために七転八倒、というのは、まったく馬鹿みたいであるが、そういう馬鹿みたいな行為を取り除いたら、人に何が残るというのか。 というわけで、とうてい全部読めてはいないのだけど、そして知らない人と句だらけなことにも驚きながら(ほんとに日本の人かな、なんて思ったりもして)、揮発性の高いお酒を舐めるように、チビっとずつ味わっている。
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