北京メモリー の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
産経新聞的立場の日本の新聞社に所属する記者が主人公。その記者にPRC(People's Republic of China)の国家安全局員、在北京日本人大使館一等書記官、アメリカ大使館職員、コンパニオン、共産党書記・中央政治局員などが絡んでゆく。 読み進んでいくうちに彼らの実態が明らかとなる。すなわち、幼い時に文化大革命で両親を虐殺されたが中国共産党の犬として生きる男であり、ハニートラップにハマってしまう男であり、CIAであり、ハニートラップであり、権力闘争の餌食となってしまう実力者である。 いまの日本も危うい国になりつつあるが、PRCはそれ以上に歴史的・構造的に危うい国である。すなわち高度成長によって国民意識は高揚しつつも利権まみれの党官僚に対して民衆の不満は高まっているなか民主派の知識人は社会的に抹殺されており、共産党はその信頼回復国内統治のために「反日有理」をその最大の手段としており、共産党内部では国民の全く関知せざる次元で権力闘争が常に行われきた。 やはり現在のPRCは真っ当に付き合うにはかなり難しい国であるようだ。
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