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たまたまザイール、またコンゴ の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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2024/11/03

かつて定期購読していた『旅行人』という雑誌。雑誌と言っても、はじめは白黒両面刷りコピーを何枚か重ねて2つ折りにし封筒で郵送されてくる様なものだった。その中で出会ったのが、この本に収録されているオナトラの件だった。ものすごく印象に残っていて、最近この本の存在を知って、すぐ手に取った...

かつて定期購読していた『旅行人』という雑誌。雑誌と言っても、はじめは白黒両面刷りコピーを何枚か重ねて2つ折りにし封筒で郵送されてくる様なものだった。その中で出会ったのが、この本に収録されているオナトラの件だった。ものすごく印象に残っていて、最近この本の存在を知って、すぐ手に取った。面白かった。一気読みした。20年後の旅行記も興味深かったが、やはり最初の旅行記の方が躍動感があって、純粋に読んでいて楽しかった。

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2021/12/06

良くも悪くも気持ちを振り回されて、私は旅した訳ではないのに、満足感でいっぱいになった。  貧しさを前にしたとき、できることならなんでもやりたい、助けたいと思うし、相手が目の前にいたらそう約束してしまうと思う。でもそれは無責任で、個人のエゴで、相手を傷つける行為でもあるのだ、と戒め...

良くも悪くも気持ちを振り回されて、私は旅した訳ではないのに、満足感でいっぱいになった。  貧しさを前にしたとき、できることならなんでもやりたい、助けたいと思うし、相手が目の前にいたらそう約束してしまうと思う。でもそれは無責任で、個人のエゴで、相手を傷つける行為でもあるのだ、と戒めれたし、お金はその場しのぎの解決法でしかなく、相手が自ら続けられるように、教えたり支援していくことが何倍も価値のあることだと諭された。

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2021/12/04

頭木さんの『食べることと~』で紹介されていたので購入。 つくづく世界は広いと思わされる。読むとコンゴ(過去に植民地だったアフリカ諸国)の現状や未来を悲観してしまいそうになるがそれすらもこちら側からの思考であることに 気づかされた。イモムシはまだ想像できるがサル食には少なからずショ...

頭木さんの『食べることと~』で紹介されていたので購入。 つくづく世界は広いと思わされる。読むとコンゴ(過去に植民地だったアフリカ諸国)の現状や未来を悲観してしまいそうになるがそれすらもこちら側からの思考であることに 気づかされた。イモムシはまだ想像できるがサル食には少なからずショックを受ける。アイスランドのヤギの頭よりさらに強烈。繰り返しサルの燻製のエピソードややいぶされてるサルの写真やらが豊富に載っているので夢にまで出てきてしまった。それにしても最初の旅に同行した奥さんすごいです。

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2021/09/14

世界は偶然と突然でできている。それを必然にするのがいきるということだ。それがコンゴ河の教えだ。 ほとんど永遠のような時間にひたされて、体力や精神力や生命力をぜいたくに使いはたして、こんな愚にもつかない、とほうもなくむだで、底抜けにばかばかしい、たまらなく幸福な旅をすることは、もう...

世界は偶然と突然でできている。それを必然にするのがいきるということだ。それがコンゴ河の教えだ。 ほとんど永遠のような時間にひたされて、体力や精神力や生命力をぜいたくに使いはたして、こんな愚にもつかない、とほうもなくむだで、底抜けにばかばかしい、たまらなく幸福な旅をすることは、もうけっしてあるまい。

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2020/06/09

1991年にコンゴを旅した記録。それも尋常の旅ではなくコンゴ川をクルーズ船でくだる。しかも後半は丸木舟で1カ月漕ぎ続けて降る。 コンゴ川がそもそも尋常ではない巨大スケール。その船も巨大。船と言うよりもはしけで5000人近くが暮らしながらくだっている。乗客は人だけでなくヤギから牛か...

1991年にコンゴを旅した記録。それも尋常の旅ではなくコンゴ川をクルーズ船でくだる。しかも後半は丸木舟で1カ月漕ぎ続けて降る。 コンゴ川がそもそも尋常ではない巨大スケール。その船も巨大。船と言うよりもはしけで5000人近くが暮らしながらくだっている。乗客は人だけでなくヤギから牛からなんでもあり。運行スケジュールもあってないようなもの。 「世界は偶然と突然でできている」。どこだっていつだって未来は不確かなのだ。だから、ゆるす。今日もあては外れた。「でも完璧な一日だった」。そう思えればいいい。 この一節が旅全体のトーン。 91年といえばまだインターネットもなくいきあたりばったりに偶然と突然の旅が可能だった時代。いまだと事前にネットであらゆる情報が手に入ることで便利になるかわりに旅から偶然と突然が減っていく。計画的にはなるけど不確定性はなくなる。こういう旅ができる時代がたった数十年で消滅してしまったというオマージュともいえる。

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2020/03/09

奥さんが偉い!よくもまあ、こんな旅に着いて来てくれる。危険が少ない時代であったろうが、不潔さ不便さが尋常ではない。

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2018/08/04

田中氏の書く旅行記は面白い。過去にザイール川を丸木舟で航行し、アフリカの自然と人に洗礼を浴び、もうこりごりだと思ってから20年後、再び同じ川を航行することになったのを一冊にまとめた内容。 アフリカの旅行といえば、病気、珍味、強烈な人間関係。やはり著者はマラリアにもかかっているし...

田中氏の書く旅行記は面白い。過去にザイール川を丸木舟で航行し、アフリカの自然と人に洗礼を浴び、もうこりごりだと思ってから20年後、再び同じ川を航行することになったのを一冊にまとめた内容。 アフリカの旅行といえば、病気、珍味、強烈な人間関係。やはり著者はマラリアにもかかっているし、イモムシや猿も(しぶしぶ)食べているが、この本の醍醐味は、こうした非日常を面白く伝えるのではなく、すぐそこにある日常を伝えることにある。日本にとってここの自然や文化、人間関係は異質に映るかもしれないが、ここではそれが当たり前のように日々繰り返されている。 政府は機能しているんだかないんだか、賄賂の慣習がまだはびこる世界。予定を立てることが全く意味をなさない日常生活。自然の猛威。この旅行は度々いろいろな邪魔が入り、スムーズにはいかないが、それをなんだかんだとくぐり抜けていくのが面白い。 日本でも、おそらく欧米でも、まず計画を立て、うまくいくにはどうするかを考えて動くことが望ましいとされる。しかし、ほんとのところ、世界は偶然と突然で動いているのだ、ということを書いていたのが印象的。

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2018/03/10

作家、翻訳家の著者が、30代の頃(1991年)にザイール(今のコンゴ民主共和国)の大河を巨大な輸送船+手漕ぎ丸木舟を使って旅して、その20年後(2012年)に再び同じコンゴ川を同じように下るという旅の記録。 コンゴ民主共和国(DRC)と言うと、個人的にちょっと前の仕事で「紛争鉱物...

作家、翻訳家の著者が、30代の頃(1991年)にザイール(今のコンゴ民主共和国)の大河を巨大な輸送船+手漕ぎ丸木舟を使って旅して、その20年後(2012年)に再び同じコンゴ川を同じように下るという旅の記録。 コンゴ民主共和国(DRC)と言うと、個人的にちょっと前の仕事で「紛争鉱物」という凄い響きの案件(本文中にも解説されてました)に関わったことがあり、武装勢力が跋扈している印象を受けていたのですが、2012年の旅の記録を読んでみても、紛争鉱物が影を落としていると感じました。 遥か離れたアフリカの旅ということで、なかなか衝撃的なシーンが頻出します。のっけから全長200mの巨大船オナトラとその内部(まさに「浮かぶ村」)に翻弄され、降りたらマラリアを発症し、手漕ぎの丸木舟を調達して大河に漕ぎ出したけど、漕ぎ方がわからず現地の人に笑われる…等々。 読みやすいタッチもあって、割と一瞬で読了してしまいました。冒頭に地図があり、写真も超豊富なので文句なしの親切さでした。 興味深かったのは、著者の旅の道連れ。1991年の最初の旅では奥様と夫婦で旅をされ、2012年は現地に住んでいる年下の日本人「シンゴ君」との二人旅。かつ30代だった著者は50代に。こうなると、当然現地の人たちとの関わり方も変わってくる訳で。 シンゴ君の名称が、そのまま書かれることもあれば、「彼」になったり「若者」になったりと変化するのは、その時々の著者の心情の反映でしょうか。 旅って、どこへ行くかだけじゃなくて、誰と行くかも大事だなぁと改めて感じました。 しかし、個人的にはまだアフリカ大陸に足を踏み入れる勇気はないです。。

Posted byブクログ

2017/06/16

大変な目に遭いながらも,再びザイール,コンゴへ向かう筆者。その心情がわからないようなわかるような。 アフリカの毒,というものでしょうか。

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2017/01/28

ある偶然が重なり、コンゴを二度に渡り旅することになった著者。一度目と全く同じルートを辿ることになった旅ですが、二度目に訪れた彼の地は政権が変わり、紛争によって治安が悪化していました。そこで著者は紛争がもたらした過酷なコンゴの現状を体感していきます。貧困問題に直面しながらも、明るく...

ある偶然が重なり、コンゴを二度に渡り旅することになった著者。一度目と全く同じルートを辿ることになった旅ですが、二度目に訪れた彼の地は政権が変わり、紛争によって治安が悪化していました。そこで著者は紛争がもたらした過酷なコンゴの現状を体感していきます。貧困問題に直面しながらも、明るく、たくましい現地の人々と贈る、笑いあり、涙ありの旅行記です。

Posted byブクログ